大統領選を控えた米国のオバマ大統領のアキレス腱は、「雇用問題」のようだ。
中国における人件費の高騰と労働争議の頻発に端を発した、米国製造業の中国からの撤退、米国回帰も伝えられる中、雇用は思うように回復しない。
米国に戻って来た工場は最新機械設備でコストカットを図るので(←テレビのレポートで経営者が自慢げに語っていた)、雇用は劇的に回復することはないし、たとえ市民が職を得たとしても賃金は低く抑えられたままだ。
結局、遥か昔から大多数の底辺層が少数の上位層を支える、社会のピラミッド構造は変わらない。古代ギリシャのポリスやローマ帝国の市民の豊かな生活と民主主義を支えたのは、膨大な数の奴隷なのだ。市民としての権利を保障され豊かさを享受する層と、権利を一切与えられず、ひたすら労働を強いられ、貧しさからは一向に脱出できない層。(厳密に言うと、古代ローマでは階層移動が可能だったようだ。詳しくは→「古代ローマ帝国の遺産展」講演会聴講録)。
これまで米国経済の発展を支え続けて来たのも、米国社会の底辺層を形成する貧しい国々からの移民だったのではないだろうか?古代ギリシャ・ローマほどでないにしても、米国生まれの市民が生まれながらに有する権利を、移民が獲得するにはさまざまな困難を伴うものなのだろう。そして、より貧しい国々の人々が豊かな米国に憧れ、米国市民になることを夢見て、次々と米国に移民として流れ込んで来るからこそ、米国のキャリアパス構造は機能し続けているのだろう。
翻って我が国日本は表立って移民を奨励していない為に、不法滞在の外国人労働者がいることはいるが、底辺層の大多数を占めるのは日本で生まれ育った日本人である。非正規雇用で収入も雇用も不安定であるが上に、彼らは社会保険料を支払い、日本の社会補償制度を支える側にはなれない。しかし、日本人としての権利を有するから、彼らが困窮すれば日本全体で支えなければならない。かくして、日本は全ての階層で共倒れにもなりかねない事態に直面している(尤も富裕層は、自らの資産を守る為に海外に逃避してしまうかもしれない)。これが、今般の「生活保護」受給者増加問題の実相なのではないか?
中国における人件費の高騰と労働争議の頻発に端を発した、米国製造業の中国からの撤退、米国回帰も伝えられる中、雇用は思うように回復しない。
米国に戻って来た工場は最新機械設備でコストカットを図るので(←テレビのレポートで経営者が自慢げに語っていた)、雇用は劇的に回復することはないし、たとえ市民が職を得たとしても賃金は低く抑えられたままだ。
結局、遥か昔から大多数の底辺層が少数の上位層を支える、社会のピラミッド構造は変わらない。古代ギリシャのポリスやローマ帝国の市民の豊かな生活と民主主義を支えたのは、膨大な数の奴隷なのだ。市民としての権利を保障され豊かさを享受する層と、権利を一切与えられず、ひたすら労働を強いられ、貧しさからは一向に脱出できない層。(厳密に言うと、古代ローマでは階層移動が可能だったようだ。詳しくは→「古代ローマ帝国の遺産展」講演会聴講録)。
これまで米国経済の発展を支え続けて来たのも、米国社会の底辺層を形成する貧しい国々からの移民だったのではないだろうか?古代ギリシャ・ローマほどでないにしても、米国生まれの市民が生まれながらに有する権利を、移民が獲得するにはさまざまな困難を伴うものなのだろう。そして、より貧しい国々の人々が豊かな米国に憧れ、米国市民になることを夢見て、次々と米国に移民として流れ込んで来るからこそ、米国のキャリアパス構造は機能し続けているのだろう。
翻って我が国日本は表立って移民を奨励していない為に、不法滞在の外国人労働者がいることはいるが、底辺層の大多数を占めるのは日本で生まれ育った日本人である。非正規雇用で収入も雇用も不安定であるが上に、彼らは社会保険料を支払い、日本の社会補償制度を支える側にはなれない。しかし、日本人としての権利を有するから、彼らが困窮すれば日本全体で支えなければならない。かくして、日本は全ての階層で共倒れにもなりかねない事態に直面している(尤も富裕層は、自らの資産を守る為に海外に逃避してしまうかもしれない)。これが、今般の「生活保護」受給者増加問題の実相なのではないか?