はなこのアンテナ@無知の知

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政策の失敗のツケを国民に押しつける政府(`_´プンプン)

2006年10月06日 | はなこのMEMO
ニュース報道でも周知のように、
10月1日から九州を除く、東京、京都、奈良の
国立博物館の入館料金が値上げされた。

詳細は以下のリンクを参照ください。

博物館入館料金値上げ

国立博物館・美術館の独立行政法人化は、
行財政改革の一環である。
要は独立行政法人化により各館の経営努力を促し、
政府が負担する補助金をできるだけ削減したいということ。

今回の値上げは、入場者数増で入館料収入が増えた結果
政府からの補助金が大幅に削減されたことに伴う措置である。
表向きの理由はともかく、運営管理体制の現状維持の為には
入館料の値上げが必要ということなのだろう。

しかし考えてみると、おかしな話である。
どうして利用者は館の経営に貢献しているのに、
また負担増を強いられるのだ?普通は逆だろう?
潤った分は利用者に還元されるべきである。


現在、東京国立博物館では『仏像展』が開催中。
当日券の価格はなんと!1500円である。
私立の上野の森美術館の『ダリ展』と変わらない。
観光地にあるような私立美術館ならいざしらず、
公立博物館の意義とは何なのか忘れているのではないか?
それは広く市民の福祉に貢献することであり、
文化的生活に寄与することではないのか?
(博物館の在り方そのものを批判すると言うより、
そうさせているのは誰か?ってことです。)


博物館職員のモチベーションにも悪い影響を与えるはずだ。
マトモな神経の持ち主なら、
頑張ったのにその見返りがないことには落胆するだろうし
(→これなら頑張らないで適当に仕事した方がマシ?)
利用者に負担増を強いることに心を痛めるものだろう。
本来ならその努力に対してしかるべき報奨が与えられるはずで
補助金の減額ではなく増額、諸外国でもそれが当たり前である。
こんなやり方で財政をスリム化しても、
結局国民に負担を押しつけただけで、評価には値しない。

だいたい、どうして文化行政を冷遇するのだ?
世知辛い今の世の中だからこそ、
心を潤わせる文化政策の充実が必要なのに。

政府はズルイ。無責任だ。自分達の放漫経営の失敗のツケを
すべて国民に押しつけている。年金しかり、医療費しかり。

財政再建が急務と言うが、無駄を省くべきところは
もっと別のところにあるだろう?
マトモな仕事をしない部署、官庁は即刻廃止すべきである。
それもせずに、取りやすい所から取るという安易さ
その発想は税率の引き上げ、新たな徴税の設定、
年金保険料、健康保険料等社会保障費の値上げに繋がっている。

国民は政府の理不尽な扱いに、異議を唱えるべきではないか?
いい加減なことがまかり通る世の中に、希望が持てるわけがない。
生きる喜びや意欲は失われ、人の心は荒む一方だ。

それから世の成功者よ!少しは先達の偉業を見倣ってはどうか?
プロスポーツ(特に野球)だけが文化貢献の対象ではないぞよ!
最近、格差社会が喧伝されているが、
ヒエラレルキーの上層部にいる人々は、
自身の地位に相応しい社会貢献について
もっと幅広い視座で考えて欲しいものだ。

例えば日本の主だった美術館の設立には、
すべて民間の財界人が大きな役割を果たしている。
国立西洋美術館のコレクションの基礎を築いた松方幸次郎氏、
大原美術館の大原孫三郎氏、
ブリジストン美術館の石橋正二郎氏
(そして、竹橋の国立近代美術館の本館建物を寄付したのは
誰あろうブリジストンの石橋氏である)


今なら、MIXI社長の笠原健治氏辺りが
文化支援に着目してくれないかな?
(希望)
人間としての株価は、大幅アップ間違いなしだと思うけど。

個人的には
”人を育てる教育行政”
”人の心を潤す文化行政”
”人の命を守る医療・福祉行政”
この3つをないがしろにする国に
未来はないと思っている。

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