“渋谷の父 ”ハリー田西の占い研究所

自身のことを含め世の中の森羅万象を占い師・運命学研究家の立場からつづります。

【算命学私論】宿命律音――”桐島聡”と”内田洋”の2つの人生と龍高星過多

2024年01月31日 17時44分36秒 | Weblog
1974年から75年にかけて起きた
「東アジア反日武装戦線」による連続企業爆破事件の1つに関わり、
全国に指名手配されていた桐島聡容疑者らしき人物が、
神奈川県鎌倉市の病院に末期の胃がんで入院し、
「自分の本名は桐島聡だ」と名乗って警視庁公安部に身柄を確保されていましたが、
”桐島聡”かどうかのDNA鑑定の結果を待たずして亡くなりました。

もしこの死亡した男性が桐島聡容疑者だとしたら、
彼は70年の人生の7分の5にあたる50年もの年月を
”内田洋”という偽名を使って過ごしてきたことになります。

実は、私は桐島容疑者と同じ1954年の早生まれ、
つまり、私と彼は同じ年に小学校に入学し、同じく小5で東京オリンピックを迎え、
中学、高校、大学と、二十歳で成人するまで
同じような青春時代を送ってきたことになります。

それだけに、同じ日本の生まれ育った地域は違えど、
彼がどんな時代にどんな思いを抱いて育ってきたかがわかるし、
”桐島聡”の存在については、
ある面で同級生を見るような身近な存在に感じてしまう部分もあります。

とはいえ彼の”桐島聡”としての人生は、
いわば逃亡し地下に潜った二十一歳の時点でストップし、
以後半世紀にわたって、家族や友人との連絡を絶ち、
正式な就職も恋愛も結婚もせず、
死亡する直前まで”内田洋”という架空の人間になりすまし
偽りの人生を送ってきたわけです。

これってとても残酷なことだと思います。
”桐島聡”のアイデンティがこの50年間は一切存在しないのですから…

私にとっての二十歳からの50年は、
親や家から離れて自立し、
自分の手でお金を稼ぎ、結婚して家庭を築き、
親を亡くし、友と別れ…
一人の人間として、大人として、
それなりに、自らの足跡を残してきた、
いわば自分のアイデンティそのものともいえる濃密な50年間でした。
たしかにそこには喜びもありますし、後悔も反省もあります。
それだけいろいろなものが、大切なものが詰まっています。

一方、桐島容疑者の場合はどうか?
彼は無言のままあの世に行ってしまったので
どんな50年があったかはわかりませんが、
いえることは一つ、この50年は”内田洋”としての50年だったということ。

桐島容疑者は70年前彼の両親が期待と愛情を込めてこの世に送り出してくれた
”桐島聡”の人生を自ら否定するような形でストップさせてしまったわけです。
そう、本名を隠して潜伏し逃げとおすことで
”桐島聡”としての足跡はなにも残してこなかったともいえます。

さぁそんな彼の宿命をのぞいてみましょう。


◇桐島聡(1954年1月9日生まれ/享年70)
  乙 乙 癸       龍高星 天恍星
戌 丑 丑 巳   龍高星 龍高星 司禄星
亥 ―――――   天堂星 禄存星 天堂星
天 癸 癸 戊 
中 辛 辛 庚 
殺 己 己 丙

生月干支と生日干支がどちらも同じ「乙丑」の宿命律音(しゅくめい・りっちん)
――まさに彼の人生は”桐島聡”と”内田洋”の2つの人生でした。

彼の命式を見ると、父の座に母親が座っているので、
子供の頃から母親と関りが強い、いわゆるマザコンタイプ、
おそらく一連の事件と関与がなくごくふつうの人生を送っていたら
母を思わせるような年上の女性と所帯を持っていたかもしれません。

陽占を見ると、なんと流浪の星・龍高星が3つもあります。
まさに彼の人生は一生安住の地を持たない流転と放浪の人生にあったといえます。

ただし、同時に龍高星は忍耐力の強さの証明でもあります。
東方には司禄星があるので用意周到で用心深く、地道な暮らしも厭いません。
禄存星があるので面倒見がよくみんなからも慕われていたのでしょう。

大運を見てみましょう。

《大運》
(初旬) 1歳~甲子 石門星・天胡星
(2旬)11歳~癸亥 龍高星・天極星(東方納音)
(3旬)21歳~壬戌 玉堂星・天庫星
(4旬)31歳~辛酉 車騎星・天馳星
(5旬)41歳~庚申 牽牛星・天報星
(6旬)51歳~己未 禄存星・天印星
(7旬)61歳~戊午 司禄星・天貴星

石門星大運~子供の頃から友達とおもてで遊ぶのが大好き。
10代の頃から故郷を離れての放浪生活。
東方納音で”桐島聡”としての人生を捨て、”内田洋”となり、以後50年…
本来ならば家族に囲まれた平和な晩年だったはずなのに。

聞けば彼の親族は彼の遺骨の引き取りを拒否したということです。
おそらくすでにご両親も他界されている可能性が高く、
50年も実家との連絡を絶っていた逃亡犯の遺骨をどう扱ったらよいのか
残された親族たちも困っているのでしょう。

亡くなる寸前に本名を名乗り、その罪を償うこともなくこの世を去ってしまう…
それはある面ずるいというか許しがたい人生でした。

ちなみに彼の関わった事件は数ある爆破事件のうち1つだけ、
幸いその事件で命を落とした方がいないということもあり、
もし捕まって裁判にかけられていたら、
おそらくその罪は懲役15年程度だったともいわれています。
それだけに、50年も寂しい逃亡・潜伏生活を送るくらいならば
捕まって潔く罪を償ってほしかったと思います。


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