佐倉市議会はしおか協美
市政にキョウミ
 



◆14番(橋岡協美) 
 次の大項目3番、頼れる身寄りのいない高齢者が直面する課題解決について伺います。令和6年4月に公表された国立社会保障・人口問題研究所の推計では、65歳以上の独り暮らしの世帯は2020年の738万人から30年には887万人、そして50年には1,084万人へと増える。今後頼れる人がいない高齢者はさらに増えていくと見られ、厚生労働省は公的支援の仕組みが必要と判断し、頼れる身寄りのいない高齢者が直面する課題を解決しようと政府が新制度の検討を始めました。令和6年度、行政手続の代行など生前のことから葬儀や納骨といった死後の対応まで継続的に支援をする取組を一部の市町村でモデル事業を始め、経費や課題を検証し、全国的な制度化を目指すとされています。
 そこで伺います。佐倉市では、国の動向を踏まえ、様々な施策を検討していくと思われます。私自身も最後まで自分らしく生きることができる佐倉市として様々な取組をし、現在は高齢者福祉課、地域包括支援センター、図書館、健康管理センターでわたしらしく生きるを支える手帳を配布するようになりました。この手帳の目的と使用方法、どのくらい配布したか、改めて伺います。

○議長(敷根文裕) 福祉部長。

◎福祉部長(山本淳子) お答えいたします。
 これまでのご自身の生き方や将来的に医療や介護が必要となった際の希望などを記入するわたしらしく生きるを支える手帳は、ご家族や親しい人と話し合うきっかけをつくっていただくためにも作成し、普及に努めたものでございます。この手帳を作成していただくことで、ご自身が医療や介護が必要になり、自らの意思を示すことが困難となったときに、ご本人に代わって意向を伝えていただくことが可能となります。
 配布数につきましては、ご質問にございましたとおり、市内の公共施設等においてご自由にお持ち帰りいただけることから、正確な数字は把握しておりませんが、直近では年間およそ500部を各所に追加配布しております。
 以上でございます。

○議長(敷根文裕) 橋岡議員。

◆14番(橋岡協美) こういった佐倉市で作成し配布しているわたしらしく生きるを支える手帳だけでなく、いろいろ終活のそれぞれの意思を書いたものがありますけれども、佐倉市発行のこの中にも医療情報のキットと一緒に置いてはどうかということもちゃんと書いてありますので、最終的に自分は例えば延命措置を希望しないというふうに終活ノートに書いていても、そのノートが発見されないので、反映されなかったということもありますので、どうやったらお気持ちを反映できるかというところもフォローしていきたいと私は考えております。
 ご家族や親しい人と話し合うきっかけをつくっていただくために作成しましたと伺っておりますが、頼れる身寄りのいない高齢者はどのようにしたらよいのでしょうか、お伺いいたします。

○議長(敷根文裕) 福祉部長。

◎福祉部長(山本淳子) お答えいたします。
 身寄りのない方も含め、高齢者の生活に関する全般的なご相談は、市内5圏域に設置している地域包括支援センターで伺っており、この手帳に記載するような医療や介護のご希望についてもご相談いただけます。
 また、金銭管理及び判断能力が低下した際の代理人となる成年後見制度などのご相談につきましては、佐倉市成年後見支援センターにて随時伺っております。引き続き相談窓口の周知に努め、一人一人のお気持ちに寄り添った対応ができるよう取り組んでまいります。
 以上でございます。

○議長(敷根文裕) 橋岡議員。

◆14番(橋岡協美) 第5次地域福祉計画の中で、前期計画中に表出した新たな課題として、コロナ禍での影響として、地域活動の自粛や感染拡大の予防で高齢者のひきこもりによる身体、認知の低下、フレイル予防の必要性が挙げられています。頼れる身寄りのない高齢者といっても、身内、友人がいなかったわけでもなく、頼れる身内や友人に先立たれ、頼れる身内がいなくなってしまった高齢者が多くいらっしゃいます。高齢者の外出支援でフレイルの予防、介護保険利用が減ったという実例は他自治体でも多く見られますので、この点は最後の大項目で質問させていただきます。
 では、話合いができなくなった、認知症で頼れる身寄りがない方はどのようにしたらよいでしょうか、お伺いいたします。

○議長(敷根文裕) 福祉部長。

◎福祉部長(山本淳子) お答えいたします。
 認知症を疑われる方も含め、生活にお困り事を抱えていると思われる方の情報は、現在は地域の方から担当の地域包括支援センターや市役所に寄せられることが一般的です。情報を寄せられました際は、市と地域包括支援センターで内容を共有しながら実態を把握し、支援方針の決定を行い、その方に合った支援の提供に努めております。
 また、高齢者ご本人の認知判断能力の低下が心配され、意思決定や金銭管理の支援を受けたほうがよいと思われる方につきましては、必要に応じ、市長が成年後見制度開始審判を家庭裁判所に申し立てることで、ご本人の財産の保全や権利擁護を図っております。
 以上でございます。

○議長(敷根文裕) 橋岡議員。

◆14番(橋岡協美) 今ご答弁にありました高齢者で、佐倉市長より家庭裁判所へ後見等開始の申立てを行った方の理由と件数を伺います。

○議長(敷根文裕) 福祉部長。

◎福祉部長(山本淳子) お答えいたします。
 家庭裁判所に対し、市長が成年後見制度開始の申立てを行う事例といたしましては、高齢者本人が認知症をはじめとした疾患や事故、あるいは障害に起因して認知判断能力が不十分な状態であって、身寄りが全くない方、またはあったとしても何らかの事情で申立てに協力を得られない場合、高齢者虐待の被害者等の理由がございます。
 申立て件数は、年によって増減がございますが、令和3年は16件、令和4年が16件、令和5年が8件ございまして、令和6年は5月末現在で4件でございます。
 以上でございます。

○議長(敷根文裕) 橋岡議員。

◆14番(橋岡協美) 住民登録が佐倉市にある方で成年後見制度の申立てを行い、利用を開始した方は令和4年が47人で、そのうち高齢者が41名、成年後見制度を利用している方は令和4年末で240名で、そのうち高齢者は159名ですから、高齢者支援の中で成年後見制度の役割が年々増加している現状に対して、専門職の数は限られており、市民後見人候補者名簿登録者や法人、受任団体を含めても、その数は十分でないので、市民後見人養成講座については、今後も継続して周知と実施をしていってください。
 次に、死後対応について伺います。日常生活から死後対応まで、試行へという見出しで新聞記事が掲載されました。この記事では、行政手続の代行など、生前のことから葬儀、納骨といった死後の対応まで継続的に支援をする取組を一部の市町村で試行。経費や課題を検証し、全国的な制度化をして、生前から死後まで伴走を目指すものです。どのような内容のモデル事業でしたか、お伺いいたします。

○議長(敷根文裕) 福祉部長。

◎福祉部長(山本淳子) お答えいたします。
 ご質問の事業は、持続可能な権利擁護支援モデル事業のうち、単身高齢者等の生活上の課題に対応するための取組として、昨年度末に厚生労働省より通知されたものでございます。
 具体的には2つの取組でございまして、1つ目は単身高齢者等であることによって直面する生活上の課題に関する包括的な相談支援や支援のコーディネートなどを行う包括的な相談、調整窓口の整備に関する取組。2つ目は、日常生活支援に加え、入院、入所時の手続の支援や遺品の処分、葬儀といった死後の事務支援などを行う総合的な支援パッケージの提供に関する取組でございます。
 国におきましては、身寄りのない高齢者等の生活上の課題に向き合い、安心して年を重ねることができる社会をつくることを目的に、本モデル事業の実施、そして課題の検証等を行うものとされております。
 以上でございます。

○議長(敷根文裕) 橋岡議員。

◆14番(橋岡協美) 佐倉市は、このモデル事業に手を挙げてはいないのですが、実生活を行っている中で身元保証が要求されるケースとしまして、医療施設の入院の際の連帯保証、介護施設等への入所の際の連帯保証、入院、入所、退院、退所の手続代行、死亡または退去時の身柄の引取り、医療に関わる意思決定への支援の関与、緊急連絡先の指定の受託及び緊急時の対応があります。このように多岐にわたるものと考えられます。また、お亡くなりになった後は、死亡届や葬儀、公共料金の解約、家財の処分などの死後の対応が発生します。高齢化が進み、身寄りのない高齢者が増えることを見込んで、こういった身元保証や死後対応への支援は必要になると思います。
 国においてもモデル事業の実施や身元保証、死後対応などを行う事業者向けのガイドラインの検討などが行われていくということは、それだけ課題が大きくなっていると考えます。現に佐倉市内でも身元保証や死後対応のため、事業者に高額を支払ってしまったという例もありますし、このような事業者と契約する際に、遺言書で事業者に財産を渡す遺贈に同意しなければ契約できないというケースも起こっています。このことを付け加えて、次の質問に移ります。



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