先日何年振りかの帰郷を果たした息子が、
「懐かしかった。あのお地蔵さん、まだあった」
えらく感激してみせた。
最寄りの駅から我が家まで、
50分ちかくかけて歩いたらしい。
途中母校である小学校に立ち寄り、
通学路を散策しながら辿り、
路傍にある古いお地蔵さんを見つけ、
記憶を蘇らせたのだ。
「お父さんと一緒に歩いたんだ」
帰り道で、季節の草花にふれたり、
畔で寝転んでみたり、
時間をかけて楽しんで帰ったものだった。
中でもお地蔵さんを前に、
お話を聞かせたのが一番記憶に残っているという。
「毎日挨拶していくんだぞ。
お地蔵さんはお前たちを見守ってくれているんだから。
大人になっても、
お父さんたちに代わって守ってくれるんだ」
なんてことを話したらしい。
「俺、毎日お地蔵さんに挨拶してたんだ」
父の知ったかぶりうんちくを、
真面目に聞き取り実行していたのは初めて知った。
「そのおかげかな。今の俺があるの」
あまりの真面目顔に、
妻や娘らは噴き出していたが、
私は感無量の思いだった。
名古屋や静岡に暮らす息子、
言葉も向こうのものになっていたが、
心は田舎者の素朴さを失っていないようだ。(胸の内で恵比寿顔になっていた。笑)
「懐かしかった。あのお地蔵さん、まだあった」
えらく感激してみせた。
最寄りの駅から我が家まで、
50分ちかくかけて歩いたらしい。
途中母校である小学校に立ち寄り、
通学路を散策しながら辿り、
路傍にある古いお地蔵さんを見つけ、
記憶を蘇らせたのだ。
「お父さんと一緒に歩いたんだ」
帰り道で、季節の草花にふれたり、
畔で寝転んでみたり、
時間をかけて楽しんで帰ったものだった。
中でもお地蔵さんを前に、
お話を聞かせたのが一番記憶に残っているという。
「毎日挨拶していくんだぞ。
お地蔵さんはお前たちを見守ってくれているんだから。
大人になっても、
お父さんたちに代わって守ってくれるんだ」
なんてことを話したらしい。
「俺、毎日お地蔵さんに挨拶してたんだ」
父の知ったかぶりうんちくを、
真面目に聞き取り実行していたのは初めて知った。
「そのおかげかな。今の俺があるの」
あまりの真面目顔に、
妻や娘らは噴き出していたが、
私は感無量の思いだった。
名古屋や静岡に暮らす息子、
言葉も向こうのものになっていたが、
心は田舎者の素朴さを失っていないようだ。(胸の内で恵比寿顔になっていた。笑)