こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

雪の思い出

2023年02月22日 00時58分37秒 | 日記
雪がちらつく中、
最後といっていい、
お大師さんの世話役の仕事を進めた。
何度かやんでは、
また降り始めるという繰り返しの中、
結構大変な作業をし終えた。
3月に次期世話役との引継ぎがある。
ホッとするものがあった。
きつい山道を登るには、
そろそろ限界らしく、
足腰の衰えと痛みは自分でも感じていたからだ。

帰宅途中にまた雪が降り始めた。
雪の直撃を受けながら歩いていると、
娘と雪の中を歩いたことを思い出す。

かなり本格的な雪の朝、
通学のため駅に向かう娘と、
連れ立って歩いたのだ。
降り注ぎ、道を厚く覆う雪に、
車を出すのは無理と判断、
歩くことを選んだ。
45分ほどかかる最寄り駅まで、
県道ではなく、農道を選んで歩いた。
雪の県道を音を響かせて走る車の危険性を考慮の上だった。
前年、深夜勤務の職場からの帰り道で、
スリップして一回転するという、
命からがらの目にあったからだった。
雪は軽視できないとの思いが、
娘を見守って歩くことにつながった。
溝と道の判別がつかないほど積った雪道を、
横殴りの雪をよけながら、足元を注視する。
「そこは溝や!」と注意しながらの親子歩きだった。
私の判断に狂いが生じれば、
事故につながりかねない雪中行。
娘を守ろうとする父親は、ゴールまで気を緩めなかった。
「ありがとう」
口数の少ない娘が駅に着いた時にくれた、
感謝の言葉に、
やっと娘を守り通したとの喜びを感じた父親である。

あれ以来、
降雪は目に見えて少なくなっている。
そして娘も巣立った。

家に帰りつくと、
源ちゃんが小屋から飛び出てきた。
雪にまみれながら喜んでくれる源ちゃんが、
今守ってやらなければならない、
唯一の子供のような存在なのだ。
コメント
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