難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

NHK技研公開2018に行って来ました。手話アニメも実用域だが。

2018年05月24日 03時31分34秒 | 放送・通信
NHK技研公開2018に行って来ました。
個々の技術の紹介は後にしても、これらを現実の社会の中でどう生かすのか、特に障害者の情報アクセスにどう生かすのかは「技術」ではなく政策の問題と感じました。

例えば「スポーツ情報の手話CG制作システム」は東京オリンピックの競技の情報を手話アニメで提供する目的で開発されています。IOC傘下のオリンピック放送組織OBSが競技場ごとに映像と文字データ(競技の選手名、成績、競技の勝敗など)をXMLで提供します。このデータを文字化して、手話アニメで表現するというものです。
競技情報を手話アニメで見られるとして、緊急情報を含む場内のアナウンス、テレビ放送の音声を手話通訳で見るか、オリンピックまで日がない中、当事者の関与がないまま進んでいるようです。

一方でぜひ早期に実施してほしい技術もありました。「音声認識による書き起こしシステム」はこれまでスタジオ内の音声中心の音声認識技術の活用が、屋外の現場の音声の文字化にも活用できるようにするものです。音声認識の認識率の低下をオペレータによる修正を可能にしています。これはテレビ放送への適応の期待が大きいです。

技術が現実の障害者のニーズに基づいて開発されているのであれば社会への適用には当事者の関与が必要です。その当事者はニーズと技術、政策に通じていなくてはなりません。

日本マイクロソフトのde:code2018に日本語字幕が!

2018年05月23日 05時19分04秒 | バリアフリー
昨日は、日本マイクロソフト社の「de:code2018」の基調講演を日本語字幕付きで聞く機会がありました。マイクロソフト社の最先端の技術情報を字幕付きで見られるのは願ってもないことでした。
https://www.microsoft.com/ja-jp/events/decode/2018/

字幕はMicrosoft Azureの上で富士通LiveTalkが作動する『日本語字幕アシスタントモニター』と名付けられていました。同社が全力で開発する字幕サポート、今後に大いに期待します。
#decode18



全米難聴者大会2018ミネアポリスのプログラム(再)

2018年05月22日 19時19分07秒 | 2018全米難聴者大会ミネアポリス
全米難聴者大会のプログラムです。全部で30以上の全体会、分科会があります。アドボカシー、補聴技術、難聴者の生活、聴覚に関わる政策、補聴器と人工内耳、支部活動などに分かれています。

<英語版はこちら>
http://www.hearingloss.org/sites/default/files/docs/HLAA2018_Workshop_Schedule.pdf …

全米難聴者大会スタディツアーの第二次募集です。観劇、ライブ、ウォークデモなど多彩なイベントがあります。会場に日本語字幕サービスもあります。
https://eco.his-j.com/html/minneapolis/

人工内耳の両耳装用の利点、特徴(個人的まとめ)

2018年05月21日 20時06分06秒 | 人工内耳
両耳人工内耳の利点、特徴を具体的にはどういうことかと聞かれました。

1)自分の声が変わります。難聴特有の発音が減ります。

2)音が細かい部分も聞こえるようになります。「立体的に聞こえる」と表現する人もいます。

3)うるさいところでも相手の話が聞こえます。人工内耳の片側だけより、補聴器よりという意味です。

4)音源の方向がわかるようになります。私は異機種装用なのでわからないですがそう言われています。

5)1番のメリットは聞こえが改善されて、自分のQOLが高まることです。いろいろなことに挑戦しようとする気持ちが湧いて来ます。

私個人の聴覚歴(オーディオグラフィ)※2による感想です。
私は両側性感音性難聴。生後間もなく注射したストマイのせいと思い込んでいましたが、遺伝子検査でストマイで難聴になる遺伝子変異がありませんでした。このことから厚生労働省の指定難病の「若年発症型両側性感音難聴」※1ではないかと疑っています。

※1:
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4628

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000101132.pdf

※2: 小学校入学前に難聴の診断、14歳の時に補聴器装用、22歳で身体障害者手帳申請(6級)、30〜40代で手話獲得、55歳で人工内耳装用、60歳で両耳人工内耳に。

難聴者向けの読話講習会、東京都が募集中。

2018年05月19日 00時43分37秒 | 難聴一般
東京都の中途失聴者、難聴者向け読話講習会募集中です。
5月26日までです。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shougai/koza/dokuwakousyuukai.html



世界でただ一人の人工内耳ジャズベーシスト。オリジナルCD発表。

2018年05月16日 02時45分47秒 | 人工内耳
世界でただ1人の人工内耳ジャズマン、ディジー吉本こと吉本信行さんのオリジナルCD。

3年前、セントルイスの全米難聴者大会にご一緒し、雷雨の中現地のジャズクラブに行き、ジャズメンとセッションをしたことが思い起こされます。

その時の映像がこれです。全く音程、メロディーが取れないのに、セッションを申し込まれています。
https://www.facebook.com/tadashitzn/videos/1744172365671571/?l=3017049691433902601
現地のジャズクラブの人と一緒にセッションをしています。
https://www.facebook.com/tadashitzn/videos/1744175045671303/?l=4396386477145865628

今年の全米難聴者大会はミネアポリスです。有名なジャズクラブがたくさんあります。また演奏を楽しみたいですね。
参加申し込み受付中です。
【全米難聴者大会スタディツアー2018 in ミネアポリス】
今年の6月21日(木)から、米国ミネアポリスにて全米難聴者大会(HLAA)が開催されます。それに伴いスタディツアーを企画しました。シンポジウムやパーティーの他、難聴シンガーのライブやミュージカルの観劇、補聴器メーカーの視察もします。ぜひご一緒しましょう!
ツアーのウェブページはこちら↓↓
https://eco.his-j.com/html/minneapolis/
大会の情報はこちら↓↓
https://www.facebook.com/HLAAJPN




聞こえない人への通訳派遣拒否は「差別」と大阪府が職員を処分

2018年05月13日 18時43分55秒 | 障がい者制度改革
この行政処分の意義は大きいです。障害者差別解消法に基づく処分だからです。しかも大阪府です。各自治体にも大きなインパクトがあります。

手話通訳、要約筆記者の派遣を相当たる理由がない限り、自治体に拒否出来ないことを知らしめたと思います。
相当たる理由というのは予算がないとか手話通訳者がいないというだけでは通らず、聴覚障がいを持つ市民の人権を制限するに足る理由が必要です。ましてや、回数制限、時間制限など根拠がなくなることを示しています。

もう一つのポイントですが、自分で申請する手話通訳派遣制度を利用せず、実際に利用する行政部局に要求して手話通訳が用意されなかったことがそれが合理的配慮義務を果たさないために「障害を理由とした差別」になったということです。
 自動車免許更新時の手話通訳は警察が用意する、公立病院は病院側が用意する、公立学校は学校側が用意するということです。警察等が手話通訳派遣事業所に派遣を依頼して、費用は警察等の負担になります。障害者福祉課の費用ではないです。

私個人の見解ですが、障害者差別解消法に基づく大阪府の処分が出たことは行政は重く受け止めなくてはならないです。


https://www.asahi.com/articles/ASL5B3FT4L5BPTIL003.html

全米難聴者大会スタディツアーのお勧め

2018年05月09日 00時36分25秒 | 2018全米難聴者大会ミネアポリス
全米難聴者大会と難聴者関連施設見学スタディツアーの参加をお勧めする理由。

一つは、アメリカが難聴者のユニバーサル社会の最先端の一端を示しているからです。障害を持つアメリカ人法ADAを背景に様々な優れたユニバーサル技術が発達しています。

二つ目に、アメリカも高齢化社会が進展しつつあり、大統領科学諮問委員会が難聴者対策を報告し国レベルの大きな課題になっています。我が国にも大きな影響を及ぼすその内容と取組みを探ります。

三つ目に、会員2万4千人の世界最大の難聴者組織が難聴者の聞こえのためにどのような活動をしているか、大会やイベントを企業とどのようにコラボしているかを視察します。

さらに、今回のスタディツアーの参加者は会社内でも社会においても情報バリアフリー活動や地域の障害者支援など様々な活動をしているアクティブな難聴者ばかりです。道中の交流でお互いに学ぶことは多いと思います。

ぜひ、ご一緒しませんか。
ツアーのウェブページはこちらです。↓↓

https://eco.his-j.com/html/minneapolis/

アメリカ最大の補聴器メーカー、スターキー本社訪問

2018年04月30日 21時17分16秒 | 2018全米難聴者大会ミネアポリス
【全米難聴者大会スタディツアー2018 in ミネアポリス】
22日(金)は補聴器メーカーのスターキー 本社に訪問します。
ミネアポリスの中心部から車で20分くらい。広大な敷地に6つの建物があり、それぞれ教育、技術、マーケティングなどに分かれているそうです。テクニカルセンターや「スターキー 聞こえの財団」もありますね。製造部門も見学させていただけるそうです。


<スターキー の本社ってどんな所?>
https://www.starkeyjp.com/…/2016/2/starkey-headquater-2016-1
<スターキー の本社ってどんな所?ーテクニカルセンター編>
https://www.starkeyjp.com/b…/2016/3/techcenter-of-starkey-hq

アメリカの難聴者大会参加と難聴者施設見学スタディツアー

2018年04月30日 21時04分41秒 | 2018全米難聴者大会ミネアポリス
【全米難聴者大会スタディツアー2018 in ミネアポリス】
今年の6月21日(木)から、米国ミネアポリスにて全米難聴者大会(HLAA)が開催されます。それに伴いスタディツアーを企画しました。シンポジウムやパーティーの他、難聴シンガーのライブやミュージカルの観劇、補聴器メーカーの視察もします。ぜひご一緒しましょう!

ツアーのウェブページはこちら↓↓
https://eco.his-j.com/html/minneapolis/

大会の情報はこちら↓↓
https://www.facebook.com/HLAAJPN

障害者権利条約を描く絵本を全盲の運動家が発刊。

2015年05月06日 23時22分04秒 | 権利
JDF幹事会議長の藤井克徳さんが、障害者権利条約の子供向け絵本を発刊されました。イエローリボン君が主人公です。視覚障害を持ちつつ、絵本を出すという発想がすごいです。

http://www.kanaloco.jp/sp/article/89161

なぜ、人工内耳で聞こえるようになるのか?

2015年05月06日 23時17分31秒 | 人工内耳
どうして聞こえないのか。人工内耳でどうして聞こえるのか。
人工内耳のコード化法と音声認識技術は共通点があるのではないかと思いました。ちょっと難しいかもしれませんがしっかり勉強しておきたい。

京都大学耳鼻科ホームページ「I. コトバの聞こえのしくみ」
1.外耳、中耳と難聴
2.内耳と難聴
3.言葉の音としての特徴と内耳の働き
4.内耳性難聴でどうしてコトバがわかりにくくなるのか
5.コトバは脳でどのように理解されるか
http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~ent/Topics/ci/ci1.html

Ⅱ. 人工内耳の原理と聞こえの回復
http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~ent/Topics/ci/ci2.html

字幕制作と障害者雇用

2015年05月06日 23時06分51秒 | 就労
字幕放送の制作を障害者雇用と結びつけるのは良い考えですが、字幕制作技術や字幕放送の仕組みが大きく変わる可能性があるので、この辺、障害者の雇用が確保出来るようコストダウンと技術力のアップを図る必要があります。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201505/20150502_15076.html

5月3日の憲法集会に、3万人が参加。

2015年05月06日 22時58分23秒 | 権利
5月3日のみなとみらいの臨港パークで開催された「5.3憲法集会」の様子を産経新聞がよく伝えています。
http://news.livedoor.com/article/detail/10075898/

ADAの新しい局面

2015年05月06日 22時55分37秒 | 権利
今年はADA成立25周年です。ADAは合理的配慮の考え方とか電話リレーサービスの義務化を提起した障害を持つアメリカ人法・障害者差別禁止法のモデルです。しかし、今に至るも、米国の障害者はその適応の拡大を求めて戦っています。

最近、連邦裁判所でADAの適応の拡大について重要な判決が相次いだことが報じられています。それは、インターネット、インターネットを用いたサービスは公共(施設)の場にあたり、障害者にその利用が図られるようにしなければならないというものです。

記事のタイトルの「ネットフリックスは聴覚障害者にもアクセシブルであるべきか?」の「ネットフリックス」(Netflix)というのは全世界で5700万人の利用者のいるオンラインDVDレンタルと映像配信サービスの事業者ですが、このサービスが聴覚障害者、視覚障害者、盲ろう者にも利用出来るように求められることになります。
それ以外にもFacebookのようなソーシャルネットワークサービスも対象にすべきと視覚障害者団体のリーダーは語っています。

日本ではちょうど障害者政策委員会で第三次障害者基本計画の実施状況の監視にあたり、情報アクセシビリティの「ワーキングセッション」が行われることになっているので、日本での対応も注目されます。この監視により、障害者権利条約の政府報告の元になるからです。

http://www.theatlantic.com/technology/archive/2015/04/does-the-ada-apply-to-online-spaces-too/390654/