難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴治療の過失に賠償 携帯プレーヤーと難聴

2009年07月12日 12時18分00秒 | 生活
難聴治療に対する病院側の過失が認められたというニュースがあった。

病院のどういう過失かは分からないが、難聴になったことの責任を問うのも難しい。

携帯型音楽プレーヤーや携帯電話による音楽の長時間聴取による難聴もメーカーに責任を問うのは利用者側に立証責任があれば難しい。
一定のレベルを超える音量(音圧)が出ないように設計され、かつ取り扱い説明書に長時間の連続聴取、一定の音量を超えて聞くと難聴になる恐れがあることとそれを防止する説明があれば責任は問えないとされている。

しかし、若い時から長時間の騒音の被爆は人類の歴史上初めてのことであるがフィールド調査により聴覚への影響が懸念されている。
千万単位の人口があと数十年もすれば確実に難聴者となるのだ。この難聴は感音性難聴で高音域が聞きにくいため会話が出来なくなる。

携帯音楽プレーヤーのメーカーは社会的責任として、耳鼻科医、補聴器メーカー、当事者団体と協議をして、社会的な難聴啓発キャンペーンを行うべきだろう。
豪州、米国などでは、ヒアリングセンターが幅広い関係機関とで啓発キャンペーンを行っている。


ラビット 記
ーーーーーーーーーーーーーーー
難聴に関する Google ウェブ アラート
時事ドットコム
伊丹市に6500万円賠償命令
難聴治療で病院側に過失 ...
兵庫県伊丹市の市立伊丹病院で2003年、突発性難聴の治療を受け、入院中に死亡した同市の主婦=当時(46)=の夫ら3人が、伊丹市に約7400万円の損害賠償を ...
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200906/2009063001054


-----------------
sent from W-ZERO3




都議選告示 NHKのニュースには字幕がない

2009年07月05日 19時55分42秒 | 生活
090703-224703.jpgNHKニュースで都議選の告示が放送されたが、ローカルには字幕がない。

都議選は、解散か任期満了の総選挙を控えた帰趨を占うものとして注目される。障害者にとってもぎりぎりまで削減された福祉予算を充実する候補者を選ぶ重要なものだ。

東京都は、要約筆記者派遣事業は区市町村の事業として、今年度からこれまで行われていた中途失聴・難聴者団体などへの要約筆記者派遣事業を廃止してしまった。
東京都としてコミュニケーション支援事業を復活させるのは今のオリンピック優先、新銀行など税金の無駄使いの都政を変える必要がある。
注目するゆえんだ。

ラビット 記




難聴者のコミュニケーションいろいろあるさ

2009年07月03日 21時58分53秒 | 生活
090703-210356.jpg今日は、会社の同僚の送別会。
同僚は入社して今所属しているところに配属されてから2年半。でも難聴者が勤続30年いても身につけられない知識と人間関係を短期間でそれ以上に作って異動する。

最後の挨拶もその人間関係の濃淡が出る。日頃からコミュニケーションしているつもりでも言葉にならないコミュニケーションだけでは人間関係が深くなりにくいことが最後にもろに出る。

それではどうするか。持っている力をフルに使うしかない。
送別会では話しやすそうな人に近くに座ってもらうように「仕掛ける」。人工内耳はビームとアドロの騒音カットモードにし、座が盛り上がるにつれ、補聴器のボリュウムとチャンネルを慎重に選択する。人工内耳がけっこう効果があって、酒や自宅、出身地などを話題に会話ができた。補聴器だけでは出来ないだろう。

座がばらけてくると人工内耳といえども限界だ。筆談ボードを取り出して、似顔絵を描いて筆談ボードがコミュニケーションを取り持つようにする。
一人ずつ、描いては示す。女性の絵は要注意だ。300%くらい可愛く、きれいに描かないとすぐぷーっとする。男は逆にかなり不細工に描く。

手足に障害を持つ同僚も筆談ボードに描いてくれる。派遣社員の女性も描いてくれた。描いた絵と本人の顔を並べてデジカメに撮る女性もいた。

もう、同僚を送る時間だ。はなむけに電線音頭を踊って、後にした。
言葉は交わさなかったが精一杯した。

帰ろう。


ラビット 記




筆談の難しさ 難聴者に筆談する

2009年06月26日 22時17分59秒 | 生活
090622-170939.jpg090622-171031筆談.jpg朝日新聞5月30日の夕刊に、聞こえない「筆談ホステス」斉藤里恵さんが紹介されていていた。
銀座のクラブで売り上げNo1を争っているという。

これは相当に難しい。筆談で接客をするというのは言葉によらない何かがないとコミュニケーションは難しい。

会話のコミュニケーションにおいて、音声による情報は30%という。音声の中の非言語音声を除くと言葉としては情報量は非常に少ない。
音声で発せられる言葉には、音韻による意味の他に、声の質や強弱、間も情報を持っている。
話された言葉をそのまま文字にしただけでは意味は通じにくいのはこのためだ。

筆談は、自分の意志を書いて伝えるだけでなく、相手の意図も読んで分かるという方法だ。
筆談で、話の聞き上手なうなづきさんにもなれる。でも雄弁家にはなれない。限界がある。

書くのは手書きの方が情報量が多い。書いている様子、書くスピード、字体、崩し方、字の大きさなども情報を持つ。書くペンに何を使うか、どういうものに書くかでも意味がある。

「好きよ」と書く場合にハートの絵を入れたら、その意味は変わる。リンゴは好きよというときにハートは使わない。
ハートを赤いペンで書いたらまた違うだろう。
でもこれだけでは、No1にはなれない。

銀座のクラブの顧客の豊富な知識、人生体験にうなづける、逆にうなづかせるだけのものを持っているかだろう。


ラビット 記




NHK「おはよう日本」は字幕がない。

2009年06月19日 08時29分26秒 | 生活
090619-042351.jpg090619-065542NHK.jpg4時半に始まる「おはよう日本」には字幕がない。

7時からのニュースに字幕放送が始まった。
これは全国ネットのニュースだ。

首都圏で同じような映像を5時、6時と放送しているのに、何とか工夫できないものか。
---------------------------
Wikipedia「リアルタイム字幕放送」より

NHK
* おはよう日本(7時台前半)
* NHKニュース(月~金午前8時30分 2009年度から)
* NHKニュース(正午)
* NHKニュース(午後1時 2009年度から)
* NHKニュース(午後5時) 但し、開始時刻は16:55(午後4:55)からの放送(2008年3月31日~)


ラビット 記




え、同じ中学の先輩?同じ難聴の! 補聴器も。

2009年06月18日 18時44分00秒 | 生活
090618-084003.jpg6月7日に、「母校で難聴にまつわる事件が発生」を投稿したところ、同じ中学の2年先輩に難聴者がいたことが分かって驚いた。
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/8453016.html

補聴器でだいぶ苦労している様子。
やはり難聴者と認定補聴器専門店、耳鼻科医、補聴器外来などとをとり結ぶ人たちが必要だ。


ラビット 記
---------------------------
お久しぶりです、ラビットさん。
湘洋中学・・・・懐かしい。私はラビットさんより2年ぐらい先?に卒業していました、奇遇ですね。
当時の先生方のお名前も忘れてしまいましたが、美術の先生は難聴の私をずいぶん励ましてくれました。

さて現在の私は実母と連れ合いの母の介護に追われるなか、自分も加齢による聴力の低下(言葉の分別)に悩まされ、連れ合い(健聴者でかつ耳がすんごく良い)とのコミニュケーションがますます取りがたくなってます。
自分の老後は・・・例えば有料老人ホームでお世話になったとして聴こえない老婆の尊厳は守られるのだろうか・・・先々の自分の身の処し方を思い描くと暗澹とした気分になります。
私にとって介護予防とは、聴力のバリアフリーを目指すことなのだろうと思うこのごろです。

そのためワイデックスのほかに、バーナフォンを購入し会話するときや大事な場面用にと使い分けています。しかし折々の体調によっては50%ぐらいしか用をなさない時があります。
購入先の補聴器屋さんは担当者が3度も変わり、バーナフォンはマイナー?なのか扱いに熟れている技術者にめぐり合えないでいます。
直々にバーナフォンに行って調整してもらえるかと問い合わせをしたところ、当社の営業マンが購入した販売店に出向いて担当者と同席する、という回答でした。

6月下旬にその機会に恵まれそうですが・・・・。

さてもう一件は、かかりつけの東京医科大病院で、最近設立された聞こえと補聴器のケアセンター外来で、補聴器のフィッテング検査を受けてきました。補聴器装用時の検査は初体験で、検査結果を見ながら補聴器販売店の技術者(私の場合はハーモニーさん)が現在持っているワイデックスを調整しました。ずいぶん聴こえる
ようになったのでビックリし、有難くもありました、が、バーナフォンの調整は無理なようで叶いませんでした。

 とりあえずは調整したワイデックスの装用感を伝えるため、次回6月20日に外来予約をとっています。

なにかとりとめなく書き込んでしまいましたが、購入した販売店のスキルが充足していないという苛立ち・・・・を何処へ持っていけばよいのか・・・ラビットさんなら応えてくださるのではないかと思い書き込みさせていただきました。
Posted by ファンファン at 2009年06月17日 00:48




小泉・竹中「改革」の犠牲者か?自立支援法の中心人物

2009年06月16日 20時23分25秒 | 生活
090615-225922.jpg090615-225942む.jpg一度直接話したことがある。
コミュニケーション支援事業の応益負担は呼吸に課金するようなものだと話したら、会場から近寄ってきて、「それは間違っている、現行法のサービスを低下させることはないのだから」と言われた。それが最初で最後だ。
しかし、その後、コミュニケーション支援事業の有料化が全国のあちこちで噴出したのだ。

障害者自立支援法の成立に「力を尽くした」と報道されているが、障害者自立支援法を巡って、多くの障害者団体が反対の声を上げている時に事件は起きたのだ。何があったのか、事件の全容の解明を求める。
障害が重くなればなるほど自己負担も重くなる応益負担の障害者自立支援法。これに数百億円もの「利益」を生み出した事業者に加担した二重の原罪。

障害者自立支援法自体が三位一体改革の産物なので、彼女も小泉・竹中改革の犠牲者だということを聞いた。

言うまでもなく、一番の被害者は障害者自身だ。
まじめな低料第3種郵便物を発行している障害者団体まで迫害されるのはおかしい。障害者福祉が権利でなく、利権に使われたら、むなしい。


ラビット 記




法要の要約筆記

2009年06月16日 13時49分09秒 | 生活
090716-123502.jpg告別式が12時からなので早めに着いて、同僚に挨拶した。
要約筆記者と落ち合うと、勤務先の社長や同僚とかも来た。しばらくして先に焼香を済ませると食事が出された。
その後、僧侶の読経があるのかと思っていると親族のみのようで、私たちはそれで辞すことになった。

2時間もかけて来てもらった要約筆記者が書いたことは少なかったが、何か話されても大丈夫という安心感があったのは良かった。
要約筆記者も礼服を着ていたのでそれほど目立つことはなかったが、私が要約筆記者を同行していたことが同僚にもわかってもらえたと思えた。

社会生活で要約筆記が溶け込むには、利用を増やすことも必要だ。


ラビット 記




新型インフル、フェーズ6に。テレビに字幕はない!

2009年06月13日 20時16分44秒 | 生活

090612-081254.jpg
090612-080922.jpg2009年6月12日の朝のテレビ。

12日、世界保健機関WHOの新型インフエルエンザの世界的大流行の段階フェーズ6にあるという発表を受けて、NHKが解説をしていたが字幕放送も手話放送もなかった。

民放は、冬季スポーツ上村愛子選手の婚約と日本人ピアニスト辻井伸行さんのコンテスト優勝の報道などばかりだったが、字幕放送はない。

北朝鮮の人工衛星発射の際も、新型インフルエンザの厚生労働大臣の緊急記者会見も、字幕もテロップもなかった。

こうした緊急時の放送の対象に聞こえない人は入っていないということか。普段から対象に入っていないと緊急時にも対応できないのに。

総務省の「視聴覚障害者向け放送番組のあり方」研究会の時にも、放送事業者は何時起こるか分からない緊急時のために字幕入力者を待機させられないと書かれたのはショックだった。結局、聞こえない人の安全はカネなのか。国民全体ではない、聞こえない人にだけということだ。差別も極まれりだ。
待機させるのに幾らかかるのか、スーパーハイビジョンの開発にかけている金は幾らなのか。視聴者が納得しない金額なのか。
BPOに訴えられても、裁判になっても抗弁できるのか。日本の放送事業者はテレビ番組のユニバーサルデザイン化と合理的配慮をしないことを国連の障害者権利条約に基づく機関で調査されても説明できるのか。

現場でもいろいろ努力されているだろうが、その説明が欲しい。対応について相談して欲しい。また犠牲者が出てから対応するのは絶対に困る。


ラビット 記




参議院本会議で著作権法可決

2009年06月12日 13時14分59秒 | 生活
090612-084732.jpg本日6月12日午前中の本会議で、著作権法改正案が可決されたとのことだ。

昨日には、参院文教委員会で可決していた。

法律が施行されるのは2010年1月1日からとなっており、その前に施行のための政令やガイドラインなどが交付されので、これに視聴覚障害者や多くの障害者のニーズを反映させる細かい詰めが必要になる。


ラビット 記
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
>ビデオの会議録は
>http://www.webtv.sangiin.go.jp/generator/meta_generator_rm.php?sin=3293&on=1244752733&si=a98157356d125db1698ebd901231e4444&ch=y&mode=LIBRARY&un=583cb193c91511cd40c8784e5135f7b1&pars=0.6525421154180211
>です。
>37条改正にかかわる部分は開始後1時間25分ー1時間48分の間です。他に付帯決議が最後のほうにあります。
>





国会図書館のデジタル化はアクセシブル目的に

2009年06月12日 13時06分38秒 | 生活
090612-084706.jpg国立国会図書館の図書がデジタル化されるにあたって、障害者・高齢者の読書のアクセスが容易になるように期待する。

障害者の権利条約の審議の過程で、WFDのリサ代表が図書の手話によるアクセシビリティを訴えていた。


ラビット 記
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
皆さま唐突ですが、緊急を要する補正予算の有効活用につきまして下記のような投稿をいたしました。5月31日付朝日新聞朝刊「声」欄に掲載されました拙稿を下記に引用します。
これを機会に国立国会図書館の電子図書館が諸外国の国立電子図書館同様に障害者・高齢者をはじめとする読書が困難なすべての人に配慮したものになるように、緊急に行動を起こす必要があると考えておりますが、下記投書の内容についてご意見を頂ければ幸いです。
お忙しいところをお読みいただきありがとうございました。草々
デイジーコンソーシアム会長河村 宏
e-mail hkawa@daisy.orgwww.daisy.org
―――
以下、掲載された投書の文章です。

デジタル化は教科書優先で
福祉団体役員  河村 宏 (東京都調布市 62)

 予算約126億円がついた国立国会図書館のデジタル化を本紙社説が支持した(25日朝刊)。適切な形式のデジタル図書は多くの障害者や高齢者に優しい。発達・学習障害などで「読める」教科書がない子どもたちも国内に多数おり、デジタル化には教科書整備を優先すべきではないだろうか。
 私も携わる日米欧豪の非営利団体はデジタル録音図書の国際標準規格「DAISY(デイジー)」を開発、無償提供し図書のデジタル化を進めてきた。デイジー図書は文章に音声・画像がつき、検索が容易で、視聴覚障害のみならず発達・学習障害児を含む人々が自力で読める。

 日本では視覚障害児のために拡大教科書は予算化されているが、発達・学習障害児にも有効なデイジー版教科書はボランティア頼りで、供給が足りていない。

 教科書のデイジー化は昨年の著作権法改正で認められ、国会図書館がデイジー版教科書を提供するための法的環境は整った。「読める」教科書のない子どもたちや高齢者の存在に心を配った蔵書のデジタル化を切に望む。




法律専門雑誌の「障害者雇用」特集と難聴者

2009年06月12日 02時11分50秒 | 生活
画像-0035バラ.jpg法律専門雑誌で、「障害者雇用」特集がブームとあった。


聴覚障害は目に見えない。難聴者や中途失聴者の雇用に置ける差別は、本人が差別されていることが分からないこともある。普段、同僚が何気なく話していることが聞こえないし、話していることも気づかないことがある。同僚も、普段の会話や配慮がまさか「差別」になるという意識はないだろう。

職場の会議で、同僚や上司が筆記してくれたら、嬉しい反面、会議に加われないので、迷惑をかけているという心理が働く。「会社の経営が厳しいので通訳を毎回依頼する予算がない、私が書いてあげるから」と言われれば若い社員ほど、「でも会議の内容をきちんと把握して意見も言えるためには通訳が必要です」とは言えない。会社は配慮してあげているという意識を持っているからだ。これも間接的な差別になるだろう。


ラビット 記
---------------------------------
「EU労働法政策雑記帳」の「障害者雇用ブーム」より
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-bf3e.html
著者については
http://homepage3.nifty.com/hamachan/
最近の発言は
http://homepage3.nifty.com/hamachan/nhkmakeworkpay.html

ここのところ、障害者雇用がちょっとしたブームのようです。『法律時報』4月号が障害者権利条約を特集していたかとおもうと、
http://www.nippyo.co.jp/magazine/5015.html

■特集=障害者権利条約と日本の課題
障害者権利条約の概要――実体規定を中心に/川島 聡
障害者権利条約における差別禁止と差別の三類型/東 俊裕
障害者権利条約と労働/松井亮輔
障害者権利条約と教育――障害者主体のインクルーシブ教育と盲・ろう・盲ろう教育/長瀬 修
障害者権利条約と自立生活/藤井克徳
障害者権利条約と実施措置/山崎公士
〈資料〉障害者の権利に関する条約〔日本政府仮訳文〕

『労働法律旬報』5月下旬号が「障害者の権利条約と障害者雇用」という特集。
http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/536?osCsid=71be8647970d4ea3fba71667342bc262

〈特集〉障害者の権利条約と障害者雇用
 *障害者権利条約とわが国の障害者の一般雇用施策関係法の問題点と課題[山田耕造]―6
 *ドイツの障害者雇用の現状と検討課題―日本法への示唆[小西啓文]―22
 *アメリカの障害者雇用[永野秀雄]―32
 *EU均等法と障害のある人・家族・支援者の雇用―英国コールマン事件を契
機とする均等待遇保障の新展開[引馬知子]―43
 *裁判に見る日本の障害者雇用の現状[清水建夫]―53

そして、来週初めに発行される『季刊労働法』も、障害者雇用特集です。

特集 障害者雇用の方向性を考える
障害者雇用の現状と法制度 田口晶子
障害者雇用の法理 山田省三
障害者雇用の今後のあり方をめぐって 松井亮輔
差別禁止法における「障害」(disability)の定義 長谷川珠子
イギリス障害者差別禁止法の差別概念の特徴 長谷川 聡
フランスの障害者雇用政策 永野仁美
日本における障害者雇用にかかる裁判例の検討 小西啓文 他

これだけまとめて読むと、大変勉強になると思います。



爆笑問題と盲ろう教授福島智

2009年06月08日 23時50分07秒 | 生活
大熊由紀子さんからのメールから。
先週の爆笑問題の予告編で放送されていた。

ラビット 記
-----------------------
【9日、福島智さんが、なんと、「爆笑問題」に登場】
あす、9日(火)午後11時~11時30分
NHK総合 爆笑問題のニッポンの教養
「私は ここに いる~障害学・福島智~」
http://www.nhk.or.jp/bakumon/previous/20090609.html
からサワリを。
目が見えず、耳が聞こえない東大教授・福島智。
爆笑問題の二人は、当初一体どうやってコミュニケーションをとればいいのか戸惑っていたが、やがて福島と徹底的に議論を繰り広げるようになる。(略)

智さんについては、
★「えにし」のホームページhttp://www.yuki-enishi.com/
目次右側、上から10番目
「目からウロコのメッセージの部屋」の下から2番目
「障害者は、目に見えない刑務所に無実の罪で」
★「えにしの会2003」でのスピーチ、
http://www.yuki-enishi.com/enishi/enishi-2003-02.3.html
をどうぞ。


母校で難聴にまつわる事件が発生

2009年06月07日 14時41分01秒 | 生活
グーグルで「難聴」や「難聴者」に関するニュースを受けているが、母校の名前が出てきてびっくり。さらに、難聴という言葉もあって驚愕した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090606-OYT1T00036.htm?from=navr

その母校でいじめがあっても学校側が対応せずに、子供が心因性の難聴になったことは、当時自分は難聴で苦しんでいたので人ごとではない。

もう卒業して42年になるが、中学入学時に親に買ってもらった補聴器をつけるのが恥ずかしくてつけていなかった。2年生になって担任の岡部昌子先生が数学のテストプリントにいつも「補聴器をつけることは恥ずかしいことではない、先生の授業も分かるようになって成績も向上するから」と朱書してくれ続けていた。ある日補聴器を付けていったら涙を流して喜んでくれた。突然指名するのでミサイルと呼ばれて恐れられていた先生だが生徒想いだったのだ。社会主義者の山川菊栄さんを扶養するなど、進取に富んだ先生だった。

新聞には、1年前の秋葉原無差別殺人事件の検証記事が掲載されている。犯人が職場でもネットでも劣等感や孤立感を深めていったことが事件の背景にあるという。
人間としてのコミュニケーション出来ない就労環境や最低限の生活レベルすら維持できない劣悪な労働収奪体制が背景にあったことは想像が固くない。

難聴者も見て分からない障害であり、話せるが聞こえないという理解しにくいコミュニケーションの障害から劣等感や孤立感は常に持っている。

教育の場における、いじめを誘発しない、豊かなコミュニケーション、多様な価値観の醸成は見えない障害に対する想像力と理解を助けるだろう。

高齢者が社会に急増している今、難聴に対する理解は教育にも求められているのではないか。

ラビット 記
----------
難聴に関する Google ウェブ アラート
いじめで難聴の女性に賠償命令責任は中学に横浜地裁 社会 YOMIURI ...
いじめが原因で難聴になったのは、中学校側が対策を怠ったのが原因として、神奈川県藤沢市立湘洋中学校に通っていた女性(19)が同市を相手取り、慰謝料など約454 ...




聴覚障害者と新型インフル余談

2009年06月02日 22時06分03秒 | 生活
090523-142413.jpg昨夜の聴覚障害者団体の会議で、緊急時の対策について話し合っていた。

東京都が聴覚障害者のファックスを受け付ける発熱相談センターを指定し、聴覚障害者用の相談問ファックス用紙を作って、各区市にも周知した。
ある区がその相談用紙を聴覚障害者宅一人一人にファックスで送ったところ、受け取った聴覚障害者はそれをアンケートと受けとめて、大勢の聴覚障害者が「回答」を指定されたセンターにファックスしたということだ。
いきなり大量のファックスを受け取ったセンターでは大慌てだったとか。

発熱やだるいとか新型インフルのような症状のような時に相談するためのファックス用紙だが、日頃から情報の入らない聴覚障害者はそのことが理解できずに「回答」してしまったのだ。

テレビでも新型インフルエンザについての基本的知識を繰り返し放送しているが字幕もなければ手話もない。
手話が母語のろう者の場合、漢字だらけの新聞は普通の人の英字新聞みたいなものかもしれない。読んでいないだろうし、理解していないのだ。

緊急時、災害時に聴覚障害者が的確な対応をとるためには日頃から情報が理解できるようになっていなければならない。知っているはず、分かっているはずというのは聞こえる人の思いこみだ。


ラビット 記