難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者向け電話器と高齢者対策

2006年11月18日 23時42分58秒 | 機器について
061118_2149~001.jpg061118_2149~002.jpg全難聴の事務所にある電話器は拡声機能付きだ。
一台はラージ社のXL-50、着信すると赤いランプがつく。音質も変えられ、音量も十分だ。アメリカのアンプリファイア社製。
http://home.s00.itscom.net/large/XL/index.html

もう一台はサンヨーのTEL E-6だ。拡声機能はあるが補聴器を必要とする難聴者にはもう少しボリュウムが必要かも知れない。「ゆっくり」というボタンがついているが、試しに聞いてみたが相手にゆっくり伝わるのではなく、自分が聞くのにゆっくり聞こえる機能らしい。再度試してみよう。

こうした難聴者が使える電話器はどのくらい社会に知られているのか。

今日会った聞えや補聴の専門家の話では我が国は難聴者が2000万人もいるという。
難聴者自身が聞えの問題を理解して、社会に必要な施策を働きかけるが、難聴者の多くが高齢者であることを考えると、まず高齢者サービス従事者や介護ケアマネージャへの啓発や支援技術の訓練が必要だと思う。
先の難聴者向け電話器や補聴器の使い方もこうした人々に理解しておいて欲しい。自ら情報を探したり、試聴するほどの行動は期待できないからだ。

ラビット 記



駅の放送と難聴者

2006年11月18日 11時52分05秒 | PHSから
061118_1111~001.jpg急いで駅のホームに駆けあがったら、発車時間は過ぎているのに人がいっぱいで、何か放送している。
時刻表の側に立っている男の人に「私は補聴器をしていて、駅の放送が良く聞こえないのですが電車かなり遅れているのですか」と聞いたら、「いや、実は私も貴方と同じように補聴器をしないといけないのですが一人では話しかけられることもないだろうと考えてしていないんですが、どうも遅れているようです。どのくらいとは言
ってないみたいです、お待ちくださいと言っているようです」と言われたので、ちょっと驚いた。

まもなく電車は来たが、どういうことか考えた。
この方の私の補聴器を指して私も着けなければいけないと言われた表情は初めて補聴器を見るというものではなく、「(自分も持っているが)貴方のように」というものだった。
「貴方のように」が「貴方が着けているのに」だとすれば、私から尋ねられたのを機会にこれからは補聴器をしてもらえると良いがフィッティングがうまくいってないだろうか。何かアドバイスが出来ないか考えしまった。

もう一つは、冗談ではなく社会には「犬も歩けば棒にあたる」くらい、難聴者がいる、これらの方への社会の働きかけはどうなっているのだと思ったことだ。

ラビット 記



NHKの生解説放送の取り組み

2006年11月18日 10時11分58秒 | 生活

二の酉の市NHKの生解説放送の取り組みを聞く機会があった。これまで解説放送と言うと、1週間前に台本を手に入れ、ト書きを参考にどの場面の何を「解説」するかの副音声用の台本を作成してから、オリジナルと副音声を録音する方法だった。従来の事前制作の字幕制作に似ている。
しかし、NHKは今年のトリノパラリンピックの競技速報と総集編で生解説放送に取り組んだ。昨年、教育テレビの「ともに生きる2005働く!」でも実施したそうだが、連続して毎日取り組んだのは初めてとのことだった。
スポーツ中継なので、解説者と実況アナウンサーがいる。その話の合間を縫って、コメントをつけるのだが、タイミングよく、「描写」と「説明」、「感性を表現」しなければならず、事前に良く情報収集の取材をするとか、放送現場担当者との打ち合わせが大事だと話されていた。
印象的だったのは、ジャーナリストとしての放送センスが求められると言われたことだった。ないことをあたかもあるかのように話さないとか、確実でないことを話さないという放送倫理性が求められると強調されていた。こうした放送倫理性があるからこそ、視聴者側は安心して見られる。

字幕放送のリスピーク方式でも、事前の取材が欠かせないと聞いている。その場の音声や情景をどのように要約して、何を伝えるかはその場で聞こえたり、見えたりしたものだけでは判断できない。
超高速入力を売り物にする字幕制作事業者も、入力と校正を同時に行うシステムを開発して、1分間400字でも入力できると「豪語」していたが、話し言葉をそのまま文字化して、情報が伝達できると考えているのは「速記」という記録の事業者だからだ。
日々、膨大な音声情報を聞いているだけに、その言葉の構文、単語を蓄積できる環境にある。それを利用して、その場のその時に伝える「文字通訳」技術を確立する考えが必要だ。

聴覚障害者や視覚障害者の放送のニーズは何か、もっと真剣に考えて取り組んで頂ければ、発展していくだろう。