難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴学級の情報保障

2013年05月30日 13時30分09秒 | 健康と食事
情報です。
6月2日の「ろうを生きる・難聴を生きる」
練馬区立開進第2中学校(難聴学級)のことが少し紹介されます。
モバイル型遠隔情報保障システムの紹介もあります。

*筑波技術大学の三好茂樹准教授などのグループが開発したシステムで、授業などで先生がしゃべった音声を携帯電話で送り、その情報を遠隔地でパソコンに入力。その情報をインターネットで流し、生徒はそこにアクセスして携帯の画面で授業内容を把握するというもの。

障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案(障害者差別解消法)についての見解

2013年05月30日 12時52分50秒 | 障がい者制度改革
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案(障害者差別解消法)についての見解
2013年5月24日
きょうされん理事会

 4月26日、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案(以下、法案)が閣議決定をされ、本日、衆院での審議入りとなった。
 障害のある人と関係者は、障害のある人の差別を禁止する法律を長年待ち望んでおり、この間、障がい者制度改革推進会議・差別禁止部会、障害者政策委員会・差別禁止部会等で、そのあり方について熱心な議論が重ねられてきた。この議論の成果は「『障害を理由とする差別の禁止に関する法制』についての差別禁止部会の意見(以下、意見書)」としてまとめられている。
 この意見書の水準から見ると、今回の法案は甚だ不十分と言わざるを得ない。しかし、障害のある人の切実な願いを踏まえ、その暮らしを一歩でも前進させる観点から、党派を超えた徹底した議論を経て、今国会での成立を求めたい。
 その上で、国会審議を通して、確認答弁や付帯決議等を含めて、下記の諸点についてさらなる論議の深化と改善を求めたい。

①法律の名称を差別禁止法に
 障害を理由とする差別の実態についての国民や事業者等のいっそうの理解を広げ、法の意図を明確にするために、名称を「障害を理由とする差別禁止法」とするべきである。

②差別についての定義の明記を
 意見書を踏まえ、直接差別、間接差別、関連差別を不均等待遇の定義として明記すべきであり、これを禁止することを明示すべきである。

③合理的配慮の定義と拘束力を障害者権利条約と同等に
 「必要かつ合理的な配慮」は、障害者権利条約(以下、条約)の定めている合理的配慮と同じものであることと、その不提供が差別であることを明記すべきである。事業者による合理的配慮の提供は努力義務にとどめるのではなく、義務とすべきである。

④地方公共団体のガイドライン作成の義務化を
 差別や合理的配慮についてのガイドラインに当たる対応要領について、地方公共団体による作成は努力義務にとどめるのではなく、義務とすべきである。

⑤紛争解決・救済のしくみの拡充と機関の創設を
 紛争解決については、既存のしくみの活用が中心となっているが、法の施行状況や差別事例の分析等を通じて、実質的な救済のためのしくみの創設・拡充をすべきである。

⑥大臣からの助言、指導、勧告に従わない場合の措置を
 主務大臣が対応指針に関して、事業者に求めた報告をしない、または虚偽の報告をした場合の罰則は定められているが、加えて大臣からの助言、指導、勧告に従わない場合の措置を規定すべきである。

⑦法の施行と見直し時期を早めるべき
 法の施行を2016年(平成28年)と定め、必要な見直しは施行後3年を経過した場合とされているが、できるだけ施行を早めるとともに、施行後3年を待たずに必要な見直しを行うべきである。

⑧法が効力を発揮する各分野の明記を
 意見書に述べられている各分野に関する事項を法に反映させるべきである。

 以上の内容面での改善に加え、手続き面では意見書を受けての法案の検討、策定段階で障害者政策委員会への説明がまったくなかったことの問題を付言しておく。

 雇用分野の差別禁止等について新たな規定を設けた障害者雇用促進法の改正にあたっては、法案要綱が労働政策審議会障害者雇用分科会に諮られた。それに照らせば、本法案の策定段階でも、障害者政策委員会に説明と意見聴取があって然るべきであった。条約でも謳われている、政策策定過程における当事者参画の重要性を改めて強調しておきたい。

 また、いくつかの地方自治体では、独自の差別禁止条例が制定され、また現在、制定準備がすすめられている自治体もある。本法が施行されることによって、これら既存・新規の条例の改善が促進されることはあっても、条例の水準引き下げの根拠となってしまわないように、必要な措置を講じるべきである。

 なお、法案が成立すれば条約批准に近づくものと思われるが、批准はゴールではなく障害のある人が他の者と平等に生きることができる社会の実現に向けたスタートである。官民一体となってこの法を意見書の水準にまで充実させるとともに、条約の批准後速やかに、条約の定義・原則等との整合性をつける法改正に着手すべきである。

以上

障害者差別解消法案、衆院内閣委員会通過

2013年05月30日 08時55分32秒 | 健康と食事
本日(5/29)午前、衆議院内閣委員会において、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案について審議され採択されました。(法案は内閣府ホームページ参照↓)
http://www8.cao.go.jp/shougai/kaisyouhouan-anbun.html
附帯決議が出されましたので添付いたします。ご参照ください。

権利条約の批准を見据えており、本法での差別の趣旨は権利条約と同じと内閣府統括官より答弁されました。
質問議員は、次のとおりでした。
高木美智代(公明)
中根康浩(民主)
杉田水脈(維新)
大熊利昭(みんな)
村上史好(生活)
赤嶺政賢(共産)
=========
聴覚障害者制度改革推進対策中央本部

2013年5月29日(水) 9-12時 衆議院内閣委員会
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案に対する附帯決議(案)

政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一 本法が、これまで我が国が取り組んできた国連障害者権利条約の締結に向けた国内法整備の一環として制定されることを踏まえ、同条約の早期締結に向け、早急に必要な手続を進めること。

二 基本方針、対応要領及び対応指針は障害者基本法に定められた分野別の障害者施策の基本的事項を踏まえて作成すること。また、対応要領や対応指針が基本方針に即して作成されることに鑑み、基本方針をできる限り早期に作成するよう努めること。

三 対応要領や対応指針においては、不当な差別的取扱いの具体的事例、合理的配慮の好事例や合理的配慮を行う上での視点等を示すこととし、基本方針においてこれらの基となる基本的な考え方等を示すこと。また、法施行後の障害者差別に関する具体的な相談事例や裁判例の集積等を踏まえ、不当な差別的取扱いや合理的配慮に関する対応要領や対応指針の内容の充実を図ること。

四 合理的配慮に関する過重な負担の判断においては、事業者の事業規模、事業規模から見た負担の程度、事業者の財政状況、業務遂行に及ぼす影響等を総合的に考慮することとし、中小零細企業への影響に配慮すること。また、意思の表明について、障害者本人が自ら意思を表明することが困難な場合にはその家族等が本人を補佐して行うことも可能であることを周知すること。

五 国及び地方公共団体において、グループホームやケアホーム等を含む、障害者関連施設の認可等に際して周辺住民の同意を求めないことを徹底するとともに、住民の理解を得るために積極的な啓発活動を行うこと。

六 障害を理由とする差別に関する相談について「制度の谷間」や「たらい回し」が生じない体制を構
築するため、障害者差別解消支援地域協議会の設置状況等を公表するなど、その設置を促進するための方策を講じるとともに、相談・紛争解決制度の活用・充実及び本法に規定される報告徴収等の権限の活用等を図ることにより、実効性の確保に努めること。

七 附則第七条に規定する検討に資するため、障害を理由とする差別に関する具体的な相談事例や裁判例の集積等を図ること。また、同条の検討に際しては、民間事業者における合理的配慮の義務付けの在り方、実効性の確保の仕組み、救済の仕組み等について留意すること。本法の施行後、特に必要性が生じた場合には、施行後三年を待つことなく、本法の施行状況について検討を行い、できるだけ早期に見直しを検討すること。

八 本法が、地方公共団体による、いわゆる上乗せ・横出し条例を含む障害を理由とする差別に関する条例の制定等を妨げ又は拘束するものではないことを周知すること。