難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

東京都の要約筆記者派遣事業を残せ!

2009年02月15日 22時46分01秒 | 要約筆記事業
090212-182434雛人形.jpg我々は、広域派遣の捉え方が行政に引きづられていないか。

東京都は、国の意向や障害者自立支援法の趣旨だとして、あくまでも唯一都の事業として残っていた集団の場への要約筆記者派遣事業の区市事業への移行を強行する構えだ。

個人が居住地以外で要約筆記派遣を利用する広域派遣と違う、同一の場所に複数の居住地にまたがる難聴者等が派遣を依頼した場合、全体投影(OHPやOHC、液晶プロジェクターによる要約筆記)の広域派遣はどのように考えるべきか。

障害者自立支援法以前は、都道府県で要約筆記奉仕員派遣事業が実施され、多くの都県で団体派遣が行われていた。これは、1970年代みみより会や当時各地で結成された難聴者協会の会合の情報保障としてOHPを使った要約筆記が行われていたからだ。つまり手話によるコミュニケーションが使えない重度の難聴者の集団討議を可能としたのがOHPによる要約筆記だ。

元々集団の場のコミュニケーションをするために生まれたのだ。

ここに、コミュニケーション支援の本質がある。つまり、さまざまな聴力、コミュニケーション方法を持つ難聴者、健聴者も含めた人々の間のコミュニケーションを成立させているのだ。それは、要約筆記はその場にいる人々全体のコミュニケーションを支援しているということだ。「場」へのコミュニケーション支援である。

聞こえない人一人と聞こえる人一人の間であっても、そこには「場」が存在する。その「場」を要約筆記、手話通訳が「意志の仲介」をするのだ。

聴覚障害者のみがコミュニケーション支援サービスを利用していると考えるのは大きな間違いであることに気づく必要がある。

それを「場」に参加した聴覚障害者一人一人を調べて、居住自治体に按分して負担させるなんて、まったく愚の骨頂だ。それなら聞こえる人にも負担させるべきだし、都庁前の広場を通る人に利用料を徴収すべきだ。

広域派遣とは、行政の都合だ。コミュニケーションは行政区分では区切れない。

東京都は目を覚ませ!!


ラビット 記





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