難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者の障害受容・・いろいろな側面が

2012年08月10日 07時40分00秒 | エンパワメント
難聴者の障害受容は、心理的に「受容」することと社会が難聴者を理解し、「包含」することと両方ある。

ほとんどは前者の視点で取り上げられる。
急に、徐々に聴力を低下させ、音声による周囲とのコミュニケーションが出来なくなって、これまでの音環境になじめなくなる。
このことが対人関係の孤立、希薄化を招き、心理的にショックを与え、不安や焦燥などを感じるようになる。この失聴した事実を受け入れ、心理的に喪失から回復に至る過程が説明されている。
この心理的な回復は、難聴に対する正しい認識、周囲の理解や補聴器の利用や人工内耳の医療、難聴者のコミュニケーションを支援するサービスと利用制度、音環境のバリアフリーなどが伴って行われるべきものだ。
さらに失聴した事実に向き合うのに事前、事後の何らかの知識、サポートがあるかないかは大きな要素だ。

社会的に難聴者の「障害受容」を支援するのが市町村と都道府県の相談支援事業だ。しかし、専門性を持った相談支援者が少なく、医療や教育、就労との連携が弱かったり、補聴器販売店に委ねられている状況もあるのが事実だ。

ラビット 記
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アンケー ト調査による難聴者の障害受容についての検討
質問紙法によるアンケート調査によつて難聴者の心理的な障害受容について検討した。
質問項目は大別すると難聴者の聴力、日常生活におけるコミュニケーション障害の程度を調査する項目群と障害受容についての項目群の2群に分けられる。
便宜上 ...
http://www.jstage.jst.go.jp/article/orltokyo1958/42/1/42_1_39/_pdf

※写真は職場から徒歩数分の新宿御苑。

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1 コメント

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社会的な障壁の解消 (ラビット)
2012-08-12 06:37:05
論文中には、社会的な要因も考慮すべきとあります。
耳鼻咽喉科の大家の加我君孝先生が当時からそのように提唱されていたようです。
「障害者が障害を受け入れやすくなる環境を行政などの社会機構が整備す ることも重要である。今回の調査結果は,難聴者の障害受容にとつては、ただ単 に聴力という身体的側面だけではなく心理的、社会的要因も大いに考慮しなければならない因子であること示唆している。」
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