これは、サミュエル・バトラー(19世紀イギリスの詩人・作家、1835~1902)の言葉であります。
今日の「題名のない音楽会」・辻井伸行さんのピアノ演奏を見ていて、この格言を思い出しました。
ご存じのように、辻井伸行さんは盲目のピアニストです。
楽譜はもちろんのこと、鍵盤も自分の手も 何にも見ないで弾いているわけです。
何も見ないで弾く・・・ 一体どんな気分なんでしょうか。
天才ピアニストで、しかも見ないで弾くことに慣れている辻井さんならまだしも、私たち一般人がそんなことをしたら、不安だらけで演奏どころじゃないんじゃない?と思いますか?
ところが、そんなことはないんですよ。
私は時々、目を閉じてピアノを弾いてみることがあります。
するとどうでしょう。
目を閉じたその瞬間から、右手、左手、そして両手が受け持って奏でている旋律やリズム、ベース・・・
それらがたちまち、あっと驚くほどくっきりと浮き上がって聞こえてきます!
まるで魔法の世界に入ったように、自分の弾いている音が立体感を持って聞こえてくるんです。
バッハやスカルラッティなど、バロックの多旋律曲など目を閉じて弾くと、ほんっとに至福の音楽になるんですよ!
上手に弾いていれば上手に聞こえますが、反面、自分の弱点がモロに際立って、どこがいけないかもはっきりわかります。
生徒のみなさんなら、目を閉じて弾いてみたら「あっ、先生に注意されていた所がよくわかった」と気付けると思います。
そう、「目を閉じよ。そしたらお前は見えるだろう(わかるだろう)」なんです。
もちろんこの格言には、ほかの深い意味も含まれていて 「目」は比喩的に用いられてる面もあるんですが、今日は単純に、実際の「目」としての解釈のみにとどめます。
目というのは、人間の体の中でもとても強い器官なので、ほかの耳とか触感とかに先んじて、まず情報を取得してしまいます。
ある事物に対峙した時には、まず目からの情報がどっと入ってくるので、うっかりすると その他の音とか香りとか皮膚感覚とかを意識しないまま、目で見ただけでわかった気になってしまいがちです。
そのものの重要な情報を見逃してしまうことも ままあるのです。
それに対して、辻井伸行さんやスティービー・ワンダーのように「目からの情報」がない人は、強い「目」からの巨大な情報が入ってこない分、ほかの器官・・・特に耳からの情報に たっぷり神経を注ぐことができています。
その分、音楽の美しさ・幸せ感を我々一般人の数倍も鋭く感じていることは間違いありません。
音楽家としては、ある意味とても幸せと言えませんか?
あなたも、試しに目を閉じて弾いてみてごらんなさい。
私の言ってることが実感できると思います。
いいこと教えてあげるけど、歯を磨くとき・・・とくに鏡にも写らない奥の歯を磨くときとか、首の後ろで細いネックレスチェーンの留め金を留めるときとかに 目を閉じてごらん。
ちゃんと「見える」んだよ!
「目を閉じよ。そしたらお前はみえるだろう」
これほんと!
今日の「題名のない音楽会」・辻井伸行さんのピアノ演奏を見ていて、この格言を思い出しました。
ご存じのように、辻井伸行さんは盲目のピアニストです。
楽譜はもちろんのこと、鍵盤も自分の手も 何にも見ないで弾いているわけです。
何も見ないで弾く・・・ 一体どんな気分なんでしょうか。
天才ピアニストで、しかも見ないで弾くことに慣れている辻井さんならまだしも、私たち一般人がそんなことをしたら、不安だらけで演奏どころじゃないんじゃない?と思いますか?
ところが、そんなことはないんですよ。
私は時々、目を閉じてピアノを弾いてみることがあります。
するとどうでしょう。
目を閉じたその瞬間から、右手、左手、そして両手が受け持って奏でている旋律やリズム、ベース・・・
それらがたちまち、あっと驚くほどくっきりと浮き上がって聞こえてきます!
まるで魔法の世界に入ったように、自分の弾いている音が立体感を持って聞こえてくるんです。
バッハやスカルラッティなど、バロックの多旋律曲など目を閉じて弾くと、ほんっとに至福の音楽になるんですよ!
上手に弾いていれば上手に聞こえますが、反面、自分の弱点がモロに際立って、どこがいけないかもはっきりわかります。
生徒のみなさんなら、目を閉じて弾いてみたら「あっ、先生に注意されていた所がよくわかった」と気付けると思います。
そう、「目を閉じよ。そしたらお前は見えるだろう(わかるだろう)」なんです。
もちろんこの格言には、ほかの深い意味も含まれていて 「目」は比喩的に用いられてる面もあるんですが、今日は単純に、実際の「目」としての解釈のみにとどめます。
目というのは、人間の体の中でもとても強い器官なので、ほかの耳とか触感とかに先んじて、まず情報を取得してしまいます。
ある事物に対峙した時には、まず目からの情報がどっと入ってくるので、うっかりすると その他の音とか香りとか皮膚感覚とかを意識しないまま、目で見ただけでわかった気になってしまいがちです。
そのものの重要な情報を見逃してしまうことも ままあるのです。
それに対して、辻井伸行さんやスティービー・ワンダーのように「目からの情報」がない人は、強い「目」からの巨大な情報が入ってこない分、ほかの器官・・・特に耳からの情報に たっぷり神経を注ぐことができています。
その分、音楽の美しさ・幸せ感を我々一般人の数倍も鋭く感じていることは間違いありません。
音楽家としては、ある意味とても幸せと言えませんか?
あなたも、試しに目を閉じて弾いてみてごらんなさい。
私の言ってることが実感できると思います。
いいこと教えてあげるけど、歯を磨くとき・・・とくに鏡にも写らない奥の歯を磨くときとか、首の後ろで細いネックレスチェーンの留め金を留めるときとかに 目を閉じてごらん。
ちゃんと「見える」んだよ!
「目を閉じよ。そしたらお前はみえるだろう」
これほんと!