M子さん(大人):
「前回選んでいただいた、この曲がとても楽しくて、ずっと弾いていました」と、M子さんが開いたのは「サウンド・オブ・サイレンス」のページでした。
映画「卒業」のサウンド・トラックにも使われた「サイモンとガーファンクル」の大ヒット曲です。
ピアノの分散和音で伴奏したらいいですよ、と参考アイディアをお伝えしておいたのですが、M子さんは元々ピアノ経験があるので、分散和音の伴奏をとても綺麗に弾いていて 素敵です。
シンプルで透明感があって、ピアノで弾くのによく似合う曲ですよね。
M子さんはスラスラと分散和音を弾きこなしていてとても良かったのですが、ほんのちょっとの工夫で、もっと素敵になりますよ、というポイントを、実際にヒバリが弾いてアドバイスしました。
そのヒントは、絶え間なく流れる綺麗な分散和音を、あえて一瞬止めることにあります。
1コーラスごとの最後のフレーズ、たとえば1番の歌詞で言えば、「ウィズイン・ザ・サウンド…オブ・サイレンス」というフレーズに入る、その前にひと呼吸。
それと、ザ・サウンド…の … のところでひと呼吸。
なめらかに続いてきた伴奏を、一瞬、フッ… と止めるのです。
このように、一瞬演奏をピタッ、と止めることを、ポピュラー音楽用語では「ブレイク」と言います。
この、一瞬のブレイクが入るだけで、曲の美しさ、透明感がさらに際立ちます。
まさに「サウンド・オブ・サイレンス(静寂の響き)」ですね。
M子さんも「ほんとに、素敵になるんですね!」と驚き、喜んでくれました。
音は、たくさん出せば出すほどインパクトが高まるとは限りません。
むしろ、いっさいの音が止まった何もない空間に、強烈なインパクトがこめられることもあるのです。
曲の合間に、フッと入る一瞬のブレイク。
それは、素敵な演奏のスパイスです。
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