三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

未来のサムライミュージシャンズ発掘コンテスト 優秀賞受賞!

十九の恋人。

2016年10月06日 | 三味線のはなし
だと思ってたら、

十九の春

でしたよ。



私があなたに惚れたのは ちょうど十九の春でした
今さら離縁というならば 元の十九にしておくれ


という沖縄民謡です。

十九の春
COLUMBIA


私がはじめての自分の三味線を手にしたのが
ちょうど19歳の誕生日の頃でした。

そのとき、やってきたのが今もいちばん活躍している子です。

当時は分からなかったけど、数年経つ頃には、
支払額の三分の一はマージンに取られたに違いない、
という相場がわかってしまったレベルの楽器です。
私が舞台用で使っている中では、いちばん安いレベル。
でも、10年以上、一張羅で二人三脚でやってきたので、
ものすごく自分に馴染んでいる。
いちばん言うことを聞いてくれる。

なのに、ここ最近、
思うように鳴ってくれなくなった。
湿気の多い会場での本番が続いたのもあるけど、
糸巻きも安定しなくなった。

なんだか分からないけど
長年連れ添った恋人に裏切られた気分で
「十九の春」を思い出しました。

この唄はなかなかひどくて、
そんなことができるなら
枯れ木に花が咲いて、焼いた魚が泳ぎだす、
(無茶を言うなよ)
という返しが待っております。あんまりじゃないか。

私の恋人はもっと優しい。
ちゃんと時間をかけて
初心に戻って弾き込んでいったら、
今日は機嫌を直してくれたようです。

これで日曜日の本番に安心して臨めるかな。



コメント
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