(奥の細道【19】塩釜神社)
多賀城で思わぬ時間を取ってしまったが、
塩釜に美味しいお寿司屋さんがあるとタクシーの運転手さんに聞いて、
多賀城駅で正午を過ぎてしまったが、
お腹を空かしたまま仙石線の本塩釜駅まで行く。
本塩釜駅では、塩釜神社へ行くのか、大勢の人が電車を降りる。
みなさん、お寿司が美味しいと聞いて、
食べに来たのだろうか。
(本塩釜駅)
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しかし、駅に下りた人たちが駅員さんに何か訊ねる事もなく、
寿司屋に行く訳でも無さそう。
ボクたち夫婦は、一番後ろから改札口を出る。
駅員さんに、
「ここに美味しいお寿司屋さんがあると聞いたのですが、
どこが美味しいのか教えていただけますか?」
聞いてみると、駅員さんは困った顔をしている。
「多賀城で聞いたのですが、塩釜の駅で聞けば駅員さんが美味しいお寿司屋さんを、
教えてくれるとか」そう云うと、
「その道を左に行って出た所に緑色の建物があります。
そこへ行かれたらどうですか。」と云う。
道は教えてくれたが、個別に店の名前を言うのは、
憚られるようであった。
駅を出ると目の前に観光物産案内所がある。
御釜神社と塩釜神社までの地図をいただく。
そこに「塩竃 寿司めぐり」なるパンフレットが置いてあった。
(駅前のローターリー)
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(その道と言われた寿司屋へ行く道路)
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有り難うとお礼を言って、教えられたように行くと、
駅員さんが言う通りに、「すし」の暖簾がかかった建物の前に人が並んでいる。
ここだと思って並ぶと、
「何人、何人、...」と、お店の人が聞いて、
「お二階でよいですか、お二人さんお二階!」と二階へ案内された。
ボク達以外は皆「おひとりさん」であった。
お店の中は寿司ネタの前にカウンターがあって、
満席であったが、それほど広くない。
二階へ行く通路も狭く人ひとり通れる程度。
なのに、
「突き当りのエレベーターでお二階へどうぞ」と言う。
一人しか通れない通路の、突当りにエレベーターの扉らしきものが見える。
進むとエレベーターの手前は、二階への階段になっていて、
従業員が寿司やお茶を運んでいる。
お客様はエレベーターを使うらしい。
エレベーターに乗ると、何と5階までボタンがある。
二階を押して、出ると二階の座敷があり、ここもお客様であふれている。
30人くらいは居る。
「ボクは足をたたんで畳に座れないんですが・・・」と云うと、
「ちょうど掘りごたつの席が空いていますよ」と勧められほっとする。
メニューを貰って中を見ていると、
「特上七人前!」と大きな声で奥の席の人達に寿司を配っている。
「ボクにも同じものを・・」と注文した。
(注文した寿司)
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ずいぶん待って、注文した寿司が来た。
「ずいぶん時間がかかりましたね。職人は十人くらいいるのですか?」
「普段は居るのですが、今日から名古屋のデパートへ、出張しているので、
手薄なんです。」という。
「名古屋では、お客さんもうるさいのが多いから大変ですね。」とボク。
名古屋の人は食べ物にうるさい。
食べるのは待つ時間より早い。
さっさと食べて代金を払って出た。
外にはまだ何人も並んでいる。
振り返って見ると確かに五階まであるビルであった。
(お寿司屋さんの箸袋ー寿司を握る手の図案が店名)
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量としては、少し物足りなかったが、期待したせいもあって、
味はまずまずであった。
このブログを書いた後、テレビニュースで塩釜の復旧を取り上げていたなかで、
この寿司屋さんが出てきたので、お店の名前も載せておきたい。
箸袋の判じ絵は、寿司を握る手(て)と仮名の(つ)で、(てつ)と読み、
店名は(すし哲)でした。
思いがけなかったのは、その夜のビジネス・ホテルの食堂で食べた「刺身御前」、
お昼のお寿司より安かったのに、この刺身の美味しかった事、
帰ってからも、何度もカミさんと噂したほどであった。
残念ながら写真はありません。
寿司は高級品ですからね。回転寿司は
革命的ですね~
味は、人により、置かれた時間によっても変わります。
お腹が空いていればどんなものも美味しく、
お腹がいっぱいの時はどんな美味しいものも、
まあまあと言うことになってしまいます。
シャリが美味しいのか、はたまた、
その両方の按配が美味しいのか、いろいろですね。
ボクが美味しいと言うのは、寿司だけに限らず、
一口に入る大きさにあると思われます。
どんなに新鮮なネタでも、二口にしないと食べられないような大きさではだめです。
また寿司に限れば、シャリがほんのり温かみを感じさせるものが良いですね。
まあ、地元で人気のお店であれば、当たらなくても外れは無い、というところなんでしょうかねえ。