今年も、平城宮跡歴史公園で開催される天平たなばた祭を見に行ってきた。開催期間が、8月15日~23日と少し例年より早いかもしれない。今回は、仕事終わりに、珍しく奥様と一緒にリニューアルした近鉄西大寺駅から会場へ向かった。(今年はコロナウィルス感染症対策で、会場までのシャトルバスがされてなかった。)
夕暮れの中、平城宮跡までてくてくと奈良文化財研究所の横を通っていく。研究所の前にある佐伯門から平城宮跡に入る。今回は、やはりコロナウィルスの関係で人がかなり少ない様子。たぶん、宣伝もあまりされていなかったような気がする。
後ろを振り返ると、夕焼けが非常に美しく、夕闇の中を、鳥が飛んでいた。
ここから、会場である朱雀門ひろばへはもう少し歩かないといけない。よく見ると復元大極殿もライトアップされていた。
近鉄線を越えて、朱雀門ひろばへ。近年、この近鉄線を移設するという話が出ていると聞く。平城宮跡を電車が走っている光景、意外と絵になっていて非常に好きなのだが、何があかんのだろう。遺跡の保存を考えると、実はこの状態が一番いいのではないかとおもっているのだが、最近の奈良県の考え方はよくわからない。歴史的なもの、文化的なものを切り売りしているような気がする。
北側から見た朱雀門、たなばた祭が始まるまではまだ少し早かったようだ。朱雀門ひろばにまわるとちょうど朱雀門にプロジェクションマッピング「光の平城京絵巻」が写し出されたところだった。
朱雀門に四季折々の景色が切り絵として写し出され、音楽に合わせて、朱雀などがその中を優雅に飛んでいる様子であった。はじめ、手塚治虫の影響かな、飛んでいるのが、火の鳥だと思っていたのだが、周りの子どもたちが朱雀、朱雀と声をあげているのを聞いて、ああ、なるほどと思い至った次第。
小さいうちから、こういう文化的なものに触れていることはすごくいいことだと思う。たぶん、大きくなったら、効率的、経済的という観点でのみ物事を見ることがないような気がする。
しばらく、映像を眺めたのち、遣唐使船の方へ向かう。
例年であれば、朱雀大路も夜店が出て、にぎやかなのだが、今回は残念なことにそういったものは一切出ていない。建物の中に入るのにも、手指消毒をして、検温をして入ることになる。いつまで続くのだろう。
遣唐使船も、綺麗に彩られていた。
平城宮いざない館の前の路面は、朱雀が写し出されていた。
朱雀が舞う。
背後に周ると、背面もプロジェクトマッピングできれいに飾られていた。意外と誰も気づかなかったなあ。
夏の夜のイベントで、これまでなら多くの人でごった返していたのだが、今年は少数。そのためか、ゆっくりと見て回ることができた。正直、これまでの奈良の観光客の多さは異常であったような気もするのだが。
帰りに、西大寺駅まで歩いて帰る。闇夜に復元大極殿が浮かび上がっていて、印象的であった。
夜道を歩きながら、大宮人もこの闇の中を歩いていたんだろうかと思うと不思議な心持であった。来年もまた、来よう。
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