次に登場するのが件(くだん)、一見かわいらしい妖怪のように見えるのだが、実は怖い妖怪のようだ。件という字のごとく、半人半牛の妖怪であるらしい。確かに件の像もよく見ると手足が蹄になっている。
件は、牛から生まれる妖怪で、生まれるとすぐに何かを予言し、予言した後すぐに死んでしまうらしい。そしてその予言はその通りになるという話である。
件と聞くと、昔読んだ小松左京の「くだんのはは」という短編小説を思い出す。内容はほとんど覚えていないのだが、何となく気味の悪い小説だった記憶だけがある。
それから、件とよく似た妖怪でくたべというのもいるらしい。これも人面の牛で予言をするそうだ。少し違うのは腹の横に目があることのようだ。
次に出てくるのがクサビラ神である。
クサビラとはキノコのことらしい。昔、滋賀県の栗東市の辺りで、ひどい飢饉があり、人々が餓死寸前に追いやられた時に、森やその周辺一帯にそれまでなかったキノコが大発生し、そのキノコを食べることで人々は餓死から免れることができた。そのキノコが大発生した場所が、神社の神域であったことから、その神社を菌(くさびら)神社と呼ぶようになったらしい。
この神様、結構人気があるのか、水木しげるロードのスタンプラリーのスタンプになったり、影絵になったりしている。べとべとさんみたいに何となくかわいらしい感じである。
キノコと言えば、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に嵌まっている僕としては、やっぱり「おなごはキノコ好き」という北条義時を思い浮かべてしまう。(笑)
そして、次が龍。蛇に似ているが、四肢を持ち、口元には長いひげがある。中国から渡来してきた妖怪と言うべきか神様というべきか、ただ、日本人にもなじみの深く、多くの民話にも登場している。
龍は、かなり古くから水の神、海の神として信仰の対象となっていたようである。例えば空海が、京の神泉苑で行った雨ごいに龍の一種善女龍王を呼び出して雨を降らせたという伝説もある。
日本にはかなり古くから龍の信仰はあったようで、弥生時代の土器にも龍の姿が描かれているのがある。
大阪の弥生文化博物館の土器で、龍の姿が線刻されている。これにちなんで弥生文化博物館のキャラクターに一つになっている。
調べると龍という字はすでに甲骨文字としてあり、頭に冠を載せた蛇身の獣を表しており、洪水神であったとようである。
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