続いて現れるのが、大元神(おおもとがみ)という神様。あまり知られていないが、中国地方、特に島根県の方で信仰されている神様のようだ。
神木に蛇藁(蛇に似せたしめ縄)を巻き重ねた状態で人々の目を触れさせて信仰を集めていたという。蛇というのは水の神様であり、農耕、豊穣をつかさどる神様でもある。
そういえば、以前奈良県の御所市で蛇穴(さらぎ)という所にいったとき、しめなわを蛇そのものに見立てて信仰しているのを見たことがある。
これは竜神信仰とつながるものらしいのだが、もっと深いところで大元神の信仰とつながるのかもしれない。
次に出てくるのがアマメハギ。能登半島の方の神様で、年替わりの晩に出ると言われる。
アマメとは、足などにできる「怠けダコ」(囲炉裏や火鉢に長く当たっているとできる火だこ)のこと。これをはぎ取ってくれるのだそうだ。農家ではこれを歓迎し、やって来た時には甘酒などでおもてなしをするらしい。なまはげに近いのかな、蓑を着てるよ。
僕なんかも怠け者の方だから、時々やってきて喝を入れてくれるとありがたいのだが・・・。毎日毎日怠けたい気持ちをだましだまし仕事してるもんなあ。
そして、隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)狸。これは四国の伊予(愛媛県)の狸の代表で808匹の子分を持っていたと言われる。
松山城を乗っ取るという計画を立てたが、松山城側が、稲生武太夫という武士を広島の三次から応援として呼んでおり、その武太夫が木槌を使って、狸たちを打ちのめし隠神刑部狸たちを洞窟に封じ込めたのだと伝わる。その洞窟はいまでもあるらしい。
この隠神刑部狸、何処かで見たことがあるなあと思っていたら、宮崎駿の「平成狸合戦ぽんぽこ」に登場していた。四国から太三郎禿狸、六代目金長狸とともに応援で上京して、妖怪大作戦を敢行し、命を落としてしまうのだが。
そういう背景があるのか、顔つきはどことなく厳しい気がする。
最後は、田の神である。田んぼの神様だから、稲作をするところにはどこにでもいる。稲をつかさどり、稲作を守り、豊かな実りをもたらすとして信仰されている。
稲作の期間が終わると山に入って山の神になり、また春になると田に戻ってきて田の神になるという。
田んぼというと、我々の生活の中で、当然食料をもたらしてくれるだけでなく、日本的な景観を作って目を楽しませてくれる。日本という国で生活するうえで必要不可欠なものである。もっと我々は感謝しなければならないと思う。
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