令和5年1月11日(水)
今年の墳活始めは、和泉市で行われた信太貝吹山古墳の発掘調査の現地説明会。割と小規模な発掘なのでひっそりと開催された。HPでは説明が10時半開催となっていたのに、10時過ぎに着いた時には、説明が始まっていた。実はちょっと早い目に着いたので、付近をぶらぶらしていたのだが、不覚であった。
信太貝吹山古墳は、5世紀の前半~中頃に築造された全長約60mの帆立貝型古墳である。今回、隣接する住宅のフェンス工事に伴い発掘調査が行われたとのこと。
発掘調査では、調査区が二つ設けられ、円筒埴輪列と葺石が検出されている。
調査員の方の説明によると、①葺石が、最初に小さい石で葺かれた上に、比較的大きい石で葺いており、いわば二重構造になっている。②葺石がくぼんでいるところがあり、そこに蓋形埴輪が置かれていて、葺石を区画していたのではないか。③円筒埴輪について、和泉地方で出土する円筒埴輪は比較的色が白いのが多く、こういった赤茶色の埴輪は珍しいのでもしかしたら別の場所から持ってきたのではないか。④円筒埴輪列から一つはみ出して置かれている円筒埴輪が見つかっている。これも何らかの区画を示しているのではないか。もしかしたら単にはみ出しているだけかもしれないなどなど。
【葺石と円筒埴輪列】
【円筒埴輪】
今回の発掘調査が行われた場所は、古墳の墳丘の一段目に斜面とテラスにあたる。その裾は隣接している住宅の下に潜り込んでいる形になる。また、その外側には周濠があるとのこと。確かに、住宅の反対側に周濠の跡を示すように道が綺麗に湾曲している。
【周濠跡と想定される道路】
調査区と現在残っている墳丘の間の道は、墳丘を削って作られたもので、本来は、葺石が見つかった斜面からの延長線と墳丘がつながり、たぶん三段築造であったと考えられるそうだ。
埴輪列もすべて同じ大きさというのではなく、小さい円筒埴輪が何個か続いて大きい円筒埴輪があるというように見えた。
【円筒埴輪列】
この古墳については、今後機会があれば、発掘調査を引き続き実施していきたいとのことで、これからの動向が楽しみ。この古墳の近くには、三角縁神獣鏡が出土したことで知られる黄金塚古墳などがあり、それらの古墳とのつながりも興味のあるところである。
今回は説明資料がないので、説明を思い出しながらの記述となった。どこまで意図がくみ取れたのかどうか。
この古墳に隣接してたこ焼き屋の屋台があり、いい匂いがしていた。ちょっとそそられたよ。(笑)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます