休日はデジカメ持ってぶらぶらと📷

アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

西の京を歩く① ~西大寺・菅原神社~

2018-02-05 17:44:05 | 史跡を歩く
 近鉄西大寺駅から西大寺、喜光寺などを見学するとともに、いくつかの古墳などを訪ねながら、薬師寺まで抜けれればというのが今回のプラン。俗に西の京と言われる辺りをぶらぶらと歩いてみようという訳である。まずは近鉄西大寺駅の北口にから出て西大寺へ向かうことにする。この辺りは、最近、市の区画整理事業にあたっている様子で、道路工事などが行われている。昔は、田園風景だったのだが、かなりここ数年で様相が変わりそうな感じである。
 西大寺へは、東門から入るのがわかりやすい。四天堂などを横目に見ながら歩いていくと、本堂の前に立派な東塔の基壇が目の前に現れる。

 

 西大寺は奈良時代、孝謙上皇が恵美押勝の乱(764年)の平定を祈願して、四天王像の造立を発願して建立したことに始まるという。恵美押勝の乱を平定後、孝謙上皇は、淳仁天皇を廃して、重祚し、再び天皇となっている。ちなみに、淳仁天皇はこの後淡路島に流され、そこで生涯を終えている。淳仁天皇の陵については、以前このブログでも触れている。
 この西大寺という名称は、当然、東大寺に対しての西大寺である。この西大寺が造立されている時代は、弓削道鏡が称徳天皇の寵愛を受けていた時代と重なっている。
 
 

 西大寺の東塔については、当初、八角七重塔として計画されたのだが、のち四角五重塔として建立されたとのこと。基壇の大きさが西大寺の創建時の規模を偲ばせるものがある。残念ながら、基壇に登ることはできない。(子どもの頃は登れたような記憶があるのだが・・・。)塔の基壇の大きさとしては、日本でも有数の大きさである。

 

 東塔跡の北側に本堂が建っており、江戸時代後期の建物で、重要文化財に指定されている。東塔跡の基壇と本堂を重ね合わせて写真を撮ると絵になりそうなので写してみたのが下の写真。

 

 東塔跡の南に鐘楼が建っており、その下に孝謙天皇の歌碑が立てられている。

 

 歌碑には「この里は 継ぎて霜や置く 夏の野に 我が見し草は もみちたりけり」と刻まれている。万葉集に採録されている歌で、孝謙天皇が藤原仲麻呂に邸宅にいて、さわあららぎという草を一株抜いて、藤原仲麻呂(恵美押勝)にこの歌とともに送られたそうだ。
 歌意は、この里は、いつも霜が降りるのでしょうか。夏の野で私が見た草(さはあららぎ)は、色づいていましたという意味になるのだそうです。何か、孝謙上皇と藤原仲麻呂の関係が微妙だなあ。この辺りのどろどろした様子は、里中満智子「女帝の手記」で書いておられる。
 案外と孝謙天皇の歌が、万葉集に採録されているというイメージがなく、今回、西大寺の訪問で初めて知った。意外と万葉集の関係の本にも出てこない。これは、孝謙・称徳天皇のマイナスイメージから来ているのかもしれない。奈良時代も、孝謙・淳仁・称徳天皇の時期は凄惨な事件が多くて、暗い陰湿な時代なのである。

 
 
 西大寺も、ここからは、南門から出て次の菅原神社へ向かうことにしよう。
 
 

 ちなみに、西大寺の境内は国の史跡に指定されている。
 菅原神社へは、西大寺を出て南へ1.5kmほど行くことになる。この辺りもどんどん住宅開発がなされている感じであり、新しい家がどんどん立ち並び始めている。
 途中、天神堀と言われる場所がある。

 

 菅原氏の邸宅の一部であり、菅原道真の誕生池という伝承が伝わっている。この辺りは、菅原氏の本拠でもある。もともとは土師氏であり、奈良時代の末期に居地を氏としたいと願い出て許されたものである。のち、平安時代になると、一族の中心は京都に移り、残った一族がこの地に残ったのだろう。

 

 この地に残った人たちが、この伝承を伝えてきたのだろうか?
 天神堀のすぐそばに菅原神社がある。菅原天満宮とも言うようだ。

 

 祭神は、土師氏の祖、天穂日命、野見宿禰、菅原道真の三神である。創建は不明だが、平安時代には存在していたようである。土師氏、菅原氏の氏神として祀られていたのかもしれない。

 境内には、学問の神様にちなんでか筆塚などもある。

 

 ちょうど、このころは子どもの大学受験のころでもあったので、大学合格を祈念して拝んでおくことにした。この辺りは、菅原氏の本拠として、古墳等の祭祀と関係する遺跡などもいくつかある。そういったものも探しながら、喜光寺へ向かうことにした。

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