県立万葉文化館の庭園に置かれている万葉歌碑、5つ目である。ここに置かれている歌碑に取り上げられている歌だが、割と知られていないというか、有名どころではない歌が取り上げられている気がするなあ。
というわけで、5つ目の歌碑には、「片岡のこの向かつ峰に 椎蒔かば 今年の夏の 蔭に比疑へむ」と刻まれている。この歌は、柿本人麻呂歌集から採録されているのもである。そして歌碑の揮毫は、書道家の今井凌雪氏である。
歌の意味としては、「片岡山の向こうの丘に椎の実をまいたなら、今年の夏には日陰になっているであろう。」という内容である。
ちなみに片岡山は、奈良の王寺周辺に、同様の地名がある。しかしながら、古代においての片岡の範囲はもう少し広がるようで、王寺町から香芝市にかかる一帯が片岡という地名の範囲であったようである。そうなると、片岡山の向こうの丘は、どこだろうなあ。言えることは、歌碑のある庭園からは見ることができないということかな。
そして、歌にあるように、椎の木について、そんな1年ぽっきりで日影ができるほどの成長をするものなのだろうか。考え方を変えると何かの例えのような気がしますね。なんだろうねえ。
ちなみに、香芝市の志都美神社にも、この歌の歌碑が設置されている。
実は、飛鳥の万葉歌碑と一部違っていて、最後の一節が、「陰に並みむか」となっていて、飛鳥の方は「蔭に比疑へむ」となっている。
最後に、この歌碑の道を挟んで前辺りには、飛鳥池遺跡の石敷井戸が復元されている。
移設復元と書かれているのでもともとは違う場所にあったのかな。
真ん中の土の所が井戸であるようだ。
ということで、次は、いよいよ最後に一つに取り掛かりたいと思う。頑張ろう!
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