テレビ報道の正しい見方
草野 厚 著 PHP新書
この本も仕事に関係してメディアの現状を知るために読んだ本です。
マスコミ報道のあり方については、僕も公務員をやっていておかしいなと思うときが多々あります。とにかく行政は悪みたいな先入観で報道をしてるなあと感じます。僕は長年福祉の仕事をしていたが、特に行政は権利を侵害している。保護を受けている人間は善みたいな一面的な書き方が多いような気がしてます。
「福祉は人を殺すとき」という本が一時売れましたが、現実はどうでしょう。多分、あんな単純な背景ではないような気がします。(「ニッポン貧困最前線」という本では全く違う理由が書かれています。)どこかで問題がすりかえられているような感じがしてます。とにかくマスコミの報道には単純な2元論が存在しているような気がします。この単純な2元論が日本社会を不安定にしているひとつの原因だと思うのですが・・・。
本書は、まずトルコの地震に対するODAの報道について検証している。そして阪神大震災後の神戸市のシステムについての報道についても言及している。そしてともにその報道の誤りを指摘している。これらの報道について、少なくとも製作者側に行政は非効率という単純な問題設定があったのではないかとしている。
しかし考えてみれば、僕達の仕事は誉められることはないよなあ。最近なんか重箱の隅を突付くようにパッシングされてるもんなあ。生活保護のケースワーカーなんてほんと脅されたり、けなされたり(殴られたり)大変なんやけど、そんなことは一切知らん顔やもんなあ。脅している方が社会的弱者とかいってマスコミでは被害者になってしまったりするものなあ。(ただ、脅されても、けなされても耐えていけるのは「できる限り不正を認めない」というプライドだけなのだが、ときどきそのプライドさえズタズタにされたりする。)
そして、次の章ではテレビ各局の報道姿勢を、北朝鮮不信船事件、森総理「神の国」発言を題材に分析している。TBS、テレビ朝日が反政府、フジテレビが政府より、比較的中立がNHK、日本テレビとしている。僕自身各局の特色があるというのは必要なことで、同じ内容であればそれこそ情報統制に陥ってしまう。ただ、大事なことは各局の報道姿勢をきちっと伝えることだと思う。少なくとも中立、公平を装って偏った報道をしていくことは控える必要があるのではないか。
そして僕らがマスコミの恣意的な報道を読み解いていくために「メディアリテラシー」教育が必要であり、またマスコミに対する検証機構作りが必要だとしている。
(僕がマスコミの本を読みまくっているのは、メディア教育のあり方について興味があって調べているからなんだけど、)
テレビというのは映像、音楽でインパクトを与え、視聴者に考える間もなく、製作者の受け取らざるを得ない構造にある。そういう中で情報をクリティカルに読み込んでいく教育が必要なのだという。
いわんとしていることはよくわかる。そしてその例として、テレビ製作の舞台裏を伝える「テレビキッズ探偵団」を上げている。残念なことに今、この番組は放送していないし、HP上もほとんど情報がない。(そういえば「テレビの正しい見方」という著者のHP自体消えてしまっている。残念!)
僕としては理念はわかった、具体例が欲しかったのでこの本はそれなりに役には立った。ただ小学生相手にこのネタは通用しないなあ。
草野 厚 著 PHP新書
この本も仕事に関係してメディアの現状を知るために読んだ本です。
マスコミ報道のあり方については、僕も公務員をやっていておかしいなと思うときが多々あります。とにかく行政は悪みたいな先入観で報道をしてるなあと感じます。僕は長年福祉の仕事をしていたが、特に行政は権利を侵害している。保護を受けている人間は善みたいな一面的な書き方が多いような気がしてます。
「福祉は人を殺すとき」という本が一時売れましたが、現実はどうでしょう。多分、あんな単純な背景ではないような気がします。(「ニッポン貧困最前線」という本では全く違う理由が書かれています。)どこかで問題がすりかえられているような感じがしてます。とにかくマスコミの報道には単純な2元論が存在しているような気がします。この単純な2元論が日本社会を不安定にしているひとつの原因だと思うのですが・・・。
本書は、まずトルコの地震に対するODAの報道について検証している。そして阪神大震災後の神戸市のシステムについての報道についても言及している。そしてともにその報道の誤りを指摘している。これらの報道について、少なくとも製作者側に行政は非効率という単純な問題設定があったのではないかとしている。
しかし考えてみれば、僕達の仕事は誉められることはないよなあ。最近なんか重箱の隅を突付くようにパッシングされてるもんなあ。生活保護のケースワーカーなんてほんと脅されたり、けなされたり(殴られたり)大変なんやけど、そんなことは一切知らん顔やもんなあ。脅している方が社会的弱者とかいってマスコミでは被害者になってしまったりするものなあ。(ただ、脅されても、けなされても耐えていけるのは「できる限り不正を認めない」というプライドだけなのだが、ときどきそのプライドさえズタズタにされたりする。)
そして、次の章ではテレビ各局の報道姿勢を、北朝鮮不信船事件、森総理「神の国」発言を題材に分析している。TBS、テレビ朝日が反政府、フジテレビが政府より、比較的中立がNHK、日本テレビとしている。僕自身各局の特色があるというのは必要なことで、同じ内容であればそれこそ情報統制に陥ってしまう。ただ、大事なことは各局の報道姿勢をきちっと伝えることだと思う。少なくとも中立、公平を装って偏った報道をしていくことは控える必要があるのではないか。
そして僕らがマスコミの恣意的な報道を読み解いていくために「メディアリテラシー」教育が必要であり、またマスコミに対する検証機構作りが必要だとしている。
(僕がマスコミの本を読みまくっているのは、メディア教育のあり方について興味があって調べているからなんだけど、)
テレビというのは映像、音楽でインパクトを与え、視聴者に考える間もなく、製作者の受け取らざるを得ない構造にある。そういう中で情報をクリティカルに読み込んでいく教育が必要なのだという。
いわんとしていることはよくわかる。そしてその例として、テレビ製作の舞台裏を伝える「テレビキッズ探偵団」を上げている。残念なことに今、この番組は放送していないし、HP上もほとんど情報がない。(そういえば「テレビの正しい見方」という著者のHP自体消えてしまっている。残念!)
僕としては理念はわかった、具体例が欲しかったのでこの本はそれなりに役には立った。ただ小学生相手にこのネタは通用しないなあ。
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