先日、緊急事態宣言が明けたことを記念して、奈良の長谷寺に紫陽花を見に行った。奈良の長谷寺というと、西国三十三ヶ所霊場の第八番札所であり、古くから「源氏物語」や「枕草子」などの古典文学の舞台として知られている。
また、花の寺としても知られ、桜やぼたん、紫陽花などの名所としても知られている。ちょうど、緊急事態宣言(3度目)が明けた時が、紫陽花の季節でもあったので、一路、近鉄電車に揺られて長谷寺に詣でることにした。
近鉄長谷寺駅を下車、長谷寺までは、起伏の多い道、門前町の通り抜けながら歩く。門前までの古い街並みを眺めて歩くのもこれまた楽しい。
境内に入ると、まず、仁王門をくぐって、登廊を登っていく。
登廊は、5棟あり、結構な段数を登っていくことになる。登っていくと、何となく古く王朝貴族たちも、この回廊をいろいろな思いを持って登って行ったんだろうなあという気持ちになる。
といっても、なかなかしんどいよね。途中、嵐の坂と呼ばれるところでは、階段にずらっと色とりどりの紫陽花が並んでいた。これだけいろいろな色の花を咲かせるためには、きっとお世話が大変だったと思う。
紫陽花の花を楽しみながら、やっとのことで本堂に到着。
本堂は、清水寺と同様に懸造になっており、国宝に指定されている。ここからの山内の眺望はまた見ごたえがある。
お堂の中を写すと何となく神々しい雰囲気が・・・。
正午になると、お寺のお坊さんが時を告げるために法螺貝を吹いてくれる。
ただ、まだ修行中なのか、あんまり音が出ていない感じだ。法螺貝を吹くのはなかなか難しいようだ。法螺を吹くのは簡単だけどね。
また、登廊を降りていかないといけないのか。大変だ。
途中、紀貫之に有名な和歌「人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける」(百人一首にも選ばれてますね、)にちなんだ桜の木があった。今度は、桜の季節に来てみたいな。
途中、登廊から離れて少し境内を歩くと、「源氏物語」の「玉鬘の巻」にちなんだ二本の杉があった。
玉鬘は、光源氏の愛人、夕顔の娘、夕顔の死後、夕顔に仕えていた乳母の下で育てられていたが、長じて、長谷寺に詣でたところ、光源氏と再会し、娘として育てられる。その後、光源氏は、玉鬘を娘として育てるも、手を出そうとしたり、ちょっと変な感じなのだが、最終的に髭黒の大将の妻となり、幸せに暮らすことになった。
その奥には、藤原俊成と定家の供養塔があった。
この辺は、どういうつながりがあるのか定かではない。
境内を歩いていると至る所に紫陽花の花があふれている。いろいろな色の花があり、にぎにぎしくて楽しい。
紫陽花の花を眺めながら、これから先は少しでも光明が見える世の中であって欲しいと願いながら長谷寺を後にした。
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