先日、藤原宮跡で発掘調査の現地見学会があり、そのついでというわけでもないが、同じ藤原宮跡にある蓮池の蓮の花が満開だという話を聞きつけ、折角の機会なので行ってみることにした。
藤原宮については、飛鳥時代の後期、持統、文武、元明の三代の天皇の宮域であり、大極殿の基壇(通称大宮土壇)として残っている。
発掘調査の結果、東西925m、南北907mの宮域に各辺に三門を開いた大垣で囲まれて、宮域内には、大極殿や朝堂院、朝集院などの施設が置かれたことが判明している。
中国風に日本の宮殿建築で初めて瓦ぶきを用いた建築がなされていたとされている。
ちなみに目的の蓮池は、朝堂院の東門跡のすぐそばに造られている。
蓮池の大きさは3,000㎡とのことで、そこに11種類の蓮が栽培されている。
調べてみると、古代蓮、唐招提寺蓮、法華寺蓮、中国古代蓮、碧台蓮、大賀蓮、皇居和蓮、小舞妃蓮、即非蓮、中型蓮、粉松球蓮の11種類であるのだが、正直どれがどれなのかはさっぱりわからない。
しかし、これだけの花が一斉に咲いているのもなかなかいいものであるので、写真をバシャバシャと撮ってみた。
特に、藤原宮跡からは、畝傍山、耳成山、香久山と言った大和三山に姿がよく見える。それらを背景にして写してみた。
【畝傍山】
【耳成山】
【香久山】
こんな感じかな。また、ちょうど雨が降った直後なので、蓮の葉の上の水滴が表面張力の働きで綺麗に大きな丸型になっていて、夏らしい感じがした。
考えれば、藤原宮跡から出土する軒丸瓦の文様には、蓮の花が形どられたものが多くある。藤原宮と蓮の花というのも全く無関係というわけではないという事かな。
蓮の花がいっぱい咲き誇っている世界というのは、極楽浄土の世界でもあるのかな。そう思うと少し神妙な気持ちにもなる。
藤原宮跡には、蓮の花以外にもコスモスなど四季とりどりの花が栽培され、目を楽しませてくれている。遺跡の保存活用としては、これぐらいでちょうどいいのではないだろうかと思う。
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