藤原宮跡のすぐ北側を東西に走る道(たぶんこれが長寿道と呼ばれる道なのだと思う)を西に向かって歩いて、国道165号線を横断して5分ぐらいの所に、観音霊場、ボケ封じなどで知られる通称「おふさ観音」と呼ばれる小さいお寺がある。
十無量山観音寺というのが正式な名称のようだ。歴史は意外と新しく、慶安年間にというから江戸時代だ。この辺りにあったとされる鯉が淵という池に白い亀に乗った観音様の姿を見つけた村の娘おふさが、小さなお堂を建てて、延暦寺にあった十一面観音像を譲り受けて祀ったことに始まるとされる。
なるほどおふさ観音とは、創建者の名前だったのか。
おふさ観音については、これまでも藤原宮跡に行く時は、この前を通っていたので存在は知っていたのだが、境内の中にちゃんと入ったのは今回が初めて。
境内の至る所、所狭しと風鈴が吊るされて、風に吹かれてチリンチリンと涼やかな音を響かせていた。
風鈴まつりは、毎年7月1日から8月31日までの2か月間に渡り開催されており、境内に約2,500個の風鈴が吊るされており、多くの風鈴には、短冊にいろいろな願い事が書かれていた。
境内一面に風鈴がぶら下がっている様子がなかなか圧巻なものがあり、見ごたえがある。
暑さの厳しい中ではあるが、風になびいている風鈴の姿を見ていると少しは酷暑も和らぐような気がする。僕が訪れたときは、にわか雨が降った後なので、まだまだ涼しかったのもある。(笑)
本堂の裏の日本庭園でも風鈴が飾られており、また茶房「おふさ」という喫茶店が営業していた。
風鈴もよく見るといろいろな形があり、中にはこんなものもあった。
【トトロ】
【おだてブタ】
こういうのも茶目っ気があって面白いか。
そして、所々に風鈴を撮るための台が置かれており、至近距離で写真が撮れるようなサービスもあった。至れる尽くせりという感じ。
ボケ封じにご利益があると聞くので、最後に本堂に回って、きちんとお参りをしておくことにした。自身にとっては切実な問題だ。(笑)
ついでに家内安全の蠟燭も立てておいた。
風鈴というのは、寺院の軒に吊るされていた風鐸に起源があるとされる。鎌倉時代には、小ぶりの風鐸が風鈴として用いられていたようで、その時はまだ金属製の物だったようである。ガラスの風鈴は江戸時代の中期になってからのものだそうだ。
風鈴ももともとお寺の物から始まっているので、ここで飾られるというのもつながりがないわけではないかな。
こういうのも日本の文化を感じられていいなあと思う。
この後は、近鉄の八木駅までてくてくと歩く。この道も両側に古民家が並んでいて見ていて楽しい。下っ道と横大路が交わるところに八木札ノ辻交流館が建っている。
江戸時代の旅籠を改装したものだそうだ。二階に上がると風通しがよく、なかなか気持ちがいい。
ここまでくると八木駅まではあと少しである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます