●今日の一枚 251●
Webster Young
For Lady
確かにいいジャケットだ。山本隆氏は、このジャケットを「ジャズ史上に燦然と輝く名ジャケット」と評した。それはいくら何でもいいすぎではないかと思うのだが、いいジャケットであることは疑いない。マイルス・デイヴィスに影響を受けたコルネット奏者、ウェブスター・ヤングの1957年録音作品。ビリー・ホリディの愛唱曲を集めた、彼の唯一のリーダー作だ。
ウェブスター・ヤングが1940~50年代のマイルスの影響を強く受けているのは誰が聴いてもわかる。訥々とした語り口が好ましい。演奏それ自体に感情移入ができ、安心して聴ける。魂を揺さぶられ、啓発を受けるような種類の音楽ではないが、音楽がゆっくりと身体にしみこんでゆき、何だか気分がいい。波長があうのだ。幸せである。
余談であるが、「幸せってなんだっけ、なんだっけ、ポン酢醤油のあることさ」というのは明石家さんまのCMだった。これは案外、人生の真理(そんなものがあればの話だか)ではないかと思うのだがいかがだろうか。