WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

今日の一枚(201~)

2010年04月11日 | 今日の一枚INDEX

  → 今日の一枚(1~100)

  → 今日の一枚(101~200)

201 カーメン・マクレエ The Great American Songbook

202 ビル・エバンス The Bill Evans Album

203 イーグルス Long Load Out Of Eden

204 ジュリー・ロンドン Julie Is Her Name Vol.1

205 アート・ペッバー Art Pepper Quartet

206 キース・ジャレット Paris Concert

207 トム・ウェイツ Closing Time

208 ジョニー・グリフィン The Little Giant

209 ニーナ・シモン At The Village Gate

210 ロイ・ブキャナン Roading Zone

211 チャーリー・ヘイデン First Song

212 ジョバンニ・ミラバッシ Giovanni Mirabassi Trio Live

213 ロバート・ラカトシュ Never Let Me Go

214 マル・ウォルドロン The Quest

215 ライオネル・ハンプトン Stardust

216 チャーリー・ヘイデン & ハンク・ジョーンズ Steal Away

217 ハンプトン・ホーズ Vol.2 The Trio  

218 フィニアス・ニューボーン Jr. The Great Jazz Piano

219 アート・ペッバー Today

220 トム・ウエイツ The heart Of Saturday Night

221 ジョニ・ミッチェル Mingus

222 スティーブ・キューン Remembering Tomorrow

223 ウイングス Venus And Mars

224 セロニアス・モンク & ジェリー・マリガン Mulligan Meets Monk  

225 ジョージ・シアリング & メル・トーメ An Evening With George Shearing & Mel Torme'

226 ジミー・スコット But Beautiful

227 レッド・ツェッペリン House Of The Holy

228 ボブ・ディラン Blood On The Tracks

229 二ール・ヤング After The Gold Rush

230 チャールス・ロイド Forest Flower

231 板橋文夫 板橋文夫アンソロジー WATARASE

232 ジョバンニ・ミラバッシ AVANTI !

233 バド・パウエル Blues In The Closet

234 スタンリー・タレンタイン Straight Ahead

235 ラルフ・タウナー & ゲイリー・バートン Match Book

236 ケニー・ホイーラー Gnu High

237 エリック・ゲイル Island Breeze

238 エリック・ゲイル In The Shade Of Tree

239 エリック・ゲイル In A Jazz TradiTion

240 ケニー・バロン Landscape

241 大貫妙子 Pure Acoustic Plus

242 アート・ペッバー Goin' Home

243 エリック・クラプトン There's One In Every Crowd

244 テディ・ウィルソン For Quiet Lovers

245 ジョニー・ホッジス Blues-A-Plenty

246 ライ・クーダー Chickin Skin Music

247 バディ・デフランコ Autumn Leaves

248 サラ・ヴォーン Best Collection

249 バルネ・ウィラン SancTuary

250 バニー・ケッセル Pole Winners Ride Again !

251 ウェブスター・ヤング For Lady

252 エロル・ガーナー Contrasts   

253 パット・メセニー As Falls Wichita,So Falls Wichita Falls  

 

  

 

 


ウィチタ・フォールズ

2010年04月11日 | 今日の一枚(K-L)

●今日の一枚 253●

Pat Metheny & Lyle Mays

As Falls Wichita , So Falls Wichita Falls

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  寝不足である。昨日の深夜放送のJBL(バスケットボール)ファイナル第1戦・リンク栃木vsアイシンのゲームを見てしまったからだ。いいゲームだった。試合は終始アイシンのリードで進んだが、第4ピリオド、リンク栃木が田臥勇太を中心とした驚異的なオフェンスとゾーンディフェンス(解説では2-3ゾーンといっていたが、1-1-3のマッチアップゾーンだろう)で挑み、安定した実力をもつ王者アイシンを混乱させていった。アイシンという冷静なチームが少しずつかき乱されていく過程がありありとわかり、バスケットボールというスポーツの精神性という側面が顕在化したゲームだった。88-77でリンク栃木先勝。これでファイナルは面白くなった。もともと安定した実力を持つアイシンである。このまま終わることはなかろう。私はもともと、『ファイブ』のモデルともなったアイシンの創立以来のファンだが、今回ばかりはリンク栃木を応援している。JBLのHPによると、第2戦も80-72でリンク栃木が勝ったようだ。録画放送は今日の深夜である(sky A +)。明日は仕事だ。今夜はどうしようか。

 午前中、眠さをこらえながら、ヘッドコーチを務める高校女子バスケットボール部の練習に付き合い、午後、楽天イーグルス対オリックスのゲームをテレビ観戦しているうちに眠ってしまった。目を覚ますと4時をまわっていた。どうやらイーグルスも勝利したようだ。戸外は陽気もよく、穏やかな夕暮れに向かっている。遠くで子どもたちが遊ぶ声がする。そんな静かな夕暮れへとむかう時間の中でまどろんでいるうちに、パット・メセニーのこのアルバムを思い出した。

     *     *     *     *     *

 パット・メセニー & ライル・メイズの1980年録音作品いわゆる『ウィチタ・フォールズ』である。私の、ずっと以前からの、そうほとんど発表以来からの愛聴盤である。パット・メセニー・グループも含めて、ライル・メイズとパット・メセニーの共作には、いつも映像的なイメージを感じさせられるのだが、この作品はとくにそうだ。印象的なアルバムジャケットが示唆するモノトーンのイメージが想像力を掻き立て、頭の中では次々に映像的な世界が現出する。

 このアルバムが思い浮かんだのは、③ As Falls Wichita,So Falls Wichita Falls の終りにでてくる子どもたちの声のためだろうか。それとも、ビル・エヴァンスに捧げた ③ September Fifteenth の穏やかで哀しみを湛えた美しい調べが、夕暮れ時をイメージさせるからだろうか。あるいは、⑤ Estupenda Graca の美しいヴォイスが、終わりにむかう何かを暗示しているように感じるからだろうか。