4月29日日曜日夜9時からNHKスペシャルで日本国憲法の成立について要領よく映像化されていました
どうやら編集の主旨は間もなく施行60周年を迎える日本国憲法が占領軍の押し付けにより制定された物ではないと言いたい様だ
1945年(昭和20年)8月15日敗戦 8月30日には占領軍最高司令官マッカーサー元帥の厚木に進駐した 9月2日日本と降伏文書調印が済むと
直ちにGHQ〔占領軍総司令部)の命令による日本の民主化と非軍事化が図られる
それを法的に規定するに明治憲法を新憲法に変える必要がありGHQの理念が反映されたものが日本国憲法第一条天皇の地位・国民主権であり、第九条戦争の放棄である
GHQは当初(11月11日)日本政府自ら新憲法草案を作成する事を命じる一方民間の見解も広く調査した 中でも森戸辰雄氏等が取りまとめた「民間憲法研究会」の草案は評価に足るものと認識していた
さて12月に入るとモスクワで米英ソが外相により今後の日本占領政策を決定する機関として極東委員会(米英蘭ソ中オーストラリア等11カ国)の細則が決まると1946年2月下旬には機能する事と成った そうなるとGHQは極東委員会の指導下に置かれる オーストラリアは対日戦で4万人の戦傷者を出した事で「昭和天皇を戦犯で訴追」する意向が強い
一方GHQ=マッカーサーは「命令一下300万人の軍人が一斉に武器を置いた事実と天皇と官僚による間接的日本占領統治」を考えていた
そこで2月5日腹心の民生局長ホイットニー准将に命じて1週間で日本国憲法草案を作り上げる
3名の佐官級責任者(いづれも弁護士資格を持つ)の指揮の下で文字通り不眠不休で草案が出来あがりその中には象徴天皇、戦争放棄、なんと両性の平等の条項は当時22歳で民生局で働いていたベアテ・ゴードンの起草による
彼女は父親がピアノ教師で戦争前10年も日本に居て日本語ペラペラ意に沿わない結婚を強いられる女性を見てきたそうだ
2月11日にはGHQ草案がまとまり2月13日、日本側松本国務大臣と吉田茂外務大臣が呼ばれる
日本側は日本案についてGHQの何分の見解が聞けると思っていたが、なんとGHQ案の提案である
日本側の反対にGHQはGHQ案を受け入れなければ「天皇制の維持が危うい事」
対立すれば「国民投票にかける」と圧力をかける(当時はソ連共産党の指導下で日本の左派勢力は強く天皇制廃止の意見も強かった)
松本国務大臣はGHQ案の検討を部下の佐藤達夫第一部長に命じる
原案の「天皇の行為は内閣の助言と同意」を「輔弼」という語に置き換える
3月4日 日本案をGHQと検討する事になりましたが上記の「輔弼」の解釈をめぐり議論白熱、他の検討を含め延々30時間に及び合意を見たのは翌5日朝5時との事でした 日本側は検討の仮定で「両性の平等」にも強い異議があったのですが
米国側が通訳を務めるベアテ・ゴードンが「日本の為を思って考えた条項」と説得すると意外にも折れたそうです 彼女は平素の通訳を通じて日本側には親日的であると認識されていた為とか
かくして出来上がった憲法改正草案ですがこれを「既に機能し始めた極東委員会」の見解と調整しなければなりません
「主権在民と天皇の地位」の関係、「軍事力の抑制」の表現が問題となりそうです
その調整は調整としてこの憲法草案は4月の国民総選挙の洗礼を受けた吉田内閣の下で国会審議(憲法小委員会?)にかけられました 衆議院議員に当選した森戸辰雄氏を中心として「反戦」の観点で条項の見直しがなされたようです 「自衛のための戦争」も認めないとする平和主義はこの議論で付け加えられたとしています
話しは変わって現在のアメリカ、当時の生き残りの民生局中佐が語ります
GHQの草案は「意識的に或いは無意識的に民間憲法研究会草案の影響を受けた」
さて国会案は極東委員会から「国務大臣は民間人(軍人は駄目)」と注文を付けられただけで政府案は認められました 上記を織り込み1946年11月3日公布、1947年5月3日施行となり今日で60年経ちました
「日本国憲法」は大東亜戦争の反省を踏まえ国民主権と戦争放棄を織り込んだよく出来た憲法と思います
しかし日本国の実態が世界に冠たる経済大国(内容に問題はありますが)となり陸海空三軍で26万人ほどの軍事力を持っている事実をふまえれば実態が「日本国憲法」を越えているのは事実です
他方この26万人は武器をもっていますが(憲法の規制により)敵に対し応戦も交戦も出来ません
決まりを優先すれば実態が違反です、実態に重きを置けば自衛権を認めないなんてことは絵空事です
安倍総理が憲法改正を主張しています 実態に憲法を近づける考えなのでしょうか
爺は一つだけ思います
人間も動物の一種ですから「餌場(縄張り)を守るために命がけにならない(自衛権の行使を認めない)」との規定はおかしいと言うか変です
米軍は日本の基地を守っても日本人を守る事はしないでしょうから
憲法は国〔政府)に対する命令です
「国民は憲法に規制されません」憲法停止も国会封鎖もクーデターも「国民主権」の内です
現在の国際環境と国柄にあった「憲法」を議論する時ではありますね
写真:厚木に進駐したマッカーサー
どうやら編集の主旨は間もなく施行60周年を迎える日本国憲法が占領軍の押し付けにより制定された物ではないと言いたい様だ
1945年(昭和20年)8月15日敗戦 8月30日には占領軍最高司令官マッカーサー元帥の厚木に進駐した 9月2日日本と降伏文書調印が済むと
直ちにGHQ〔占領軍総司令部)の命令による日本の民主化と非軍事化が図られる
それを法的に規定するに明治憲法を新憲法に変える必要がありGHQの理念が反映されたものが日本国憲法第一条天皇の地位・国民主権であり、第九条戦争の放棄である
GHQは当初(11月11日)日本政府自ら新憲法草案を作成する事を命じる一方民間の見解も広く調査した 中でも森戸辰雄氏等が取りまとめた「民間憲法研究会」の草案は評価に足るものと認識していた
さて12月に入るとモスクワで米英ソが外相により今後の日本占領政策を決定する機関として極東委員会(米英蘭ソ中オーストラリア等11カ国)の細則が決まると1946年2月下旬には機能する事と成った そうなるとGHQは極東委員会の指導下に置かれる オーストラリアは対日戦で4万人の戦傷者を出した事で「昭和天皇を戦犯で訴追」する意向が強い
一方GHQ=マッカーサーは「命令一下300万人の軍人が一斉に武器を置いた事実と天皇と官僚による間接的日本占領統治」を考えていた
そこで2月5日腹心の民生局長ホイットニー准将に命じて1週間で日本国憲法草案を作り上げる
3名の佐官級責任者(いづれも弁護士資格を持つ)の指揮の下で文字通り不眠不休で草案が出来あがりその中には象徴天皇、戦争放棄、なんと両性の平等の条項は当時22歳で民生局で働いていたベアテ・ゴードンの起草による
彼女は父親がピアノ教師で戦争前10年も日本に居て日本語ペラペラ意に沿わない結婚を強いられる女性を見てきたそうだ
2月11日にはGHQ草案がまとまり2月13日、日本側松本国務大臣と吉田茂外務大臣が呼ばれる
日本側は日本案についてGHQの何分の見解が聞けると思っていたが、なんとGHQ案の提案である
日本側の反対にGHQはGHQ案を受け入れなければ「天皇制の維持が危うい事」
対立すれば「国民投票にかける」と圧力をかける(当時はソ連共産党の指導下で日本の左派勢力は強く天皇制廃止の意見も強かった)
松本国務大臣はGHQ案の検討を部下の佐藤達夫第一部長に命じる
原案の「天皇の行為は内閣の助言と同意」を「輔弼」という語に置き換える
3月4日 日本案をGHQと検討する事になりましたが上記の「輔弼」の解釈をめぐり議論白熱、他の検討を含め延々30時間に及び合意を見たのは翌5日朝5時との事でした 日本側は検討の仮定で「両性の平等」にも強い異議があったのですが
米国側が通訳を務めるベアテ・ゴードンが「日本の為を思って考えた条項」と説得すると意外にも折れたそうです 彼女は平素の通訳を通じて日本側には親日的であると認識されていた為とか
かくして出来上がった憲法改正草案ですがこれを「既に機能し始めた極東委員会」の見解と調整しなければなりません
「主権在民と天皇の地位」の関係、「軍事力の抑制」の表現が問題となりそうです
その調整は調整としてこの憲法草案は4月の国民総選挙の洗礼を受けた吉田内閣の下で国会審議(憲法小委員会?)にかけられました 衆議院議員に当選した森戸辰雄氏を中心として「反戦」の観点で条項の見直しがなされたようです 「自衛のための戦争」も認めないとする平和主義はこの議論で付け加えられたとしています
話しは変わって現在のアメリカ、当時の生き残りの民生局中佐が語ります
GHQの草案は「意識的に或いは無意識的に民間憲法研究会草案の影響を受けた」
さて国会案は極東委員会から「国務大臣は民間人(軍人は駄目)」と注文を付けられただけで政府案は認められました 上記を織り込み1946年11月3日公布、1947年5月3日施行となり今日で60年経ちました
「日本国憲法」は大東亜戦争の反省を踏まえ国民主権と戦争放棄を織り込んだよく出来た憲法と思います
しかし日本国の実態が世界に冠たる経済大国(内容に問題はありますが)となり陸海空三軍で26万人ほどの軍事力を持っている事実をふまえれば実態が「日本国憲法」を越えているのは事実です
他方この26万人は武器をもっていますが(憲法の規制により)敵に対し応戦も交戦も出来ません
決まりを優先すれば実態が違反です、実態に重きを置けば自衛権を認めないなんてことは絵空事です
安倍総理が憲法改正を主張しています 実態に憲法を近づける考えなのでしょうか
爺は一つだけ思います
人間も動物の一種ですから「餌場(縄張り)を守るために命がけにならない(自衛権の行使を認めない)」との規定はおかしいと言うか変です
米軍は日本の基地を守っても日本人を守る事はしないでしょうから
憲法は国〔政府)に対する命令です
「国民は憲法に規制されません」憲法停止も国会封鎖もクーデターも「国民主権」の内です
現在の国際環境と国柄にあった「憲法」を議論する時ではありますね
写真:厚木に進駐したマッカーサー