HIROZOU

おっさんの夜明け

キンツルラーメンの思い出

2020-05-18 08:25:53 | メモリー

現在でも売っているのかどうか知らないが

昔、関西圏とか四国には‘キンツルラーメン,というインスタント麺が売られていて

おそらくその頃のインスタント麺の中では一番安くって貧乏人の心強い味方だった

僕が一人暮らしを始めたのは1980年頃だったか

ピンクレディーや聖子ちゃんの全盛期でステレオタイプのカセットテーププレーヤーが流行っていた

その頃の親からの仕送りは月に7万円で当時は現在と違って家賃が安かったので充分にやって行けた

確か当時大阪で4畳半か六畳一間のアパートの相場が1万2千円~1万6千ぐらいだった記憶がある

僕の住んでいた3畳間のアパートはその頃でも破格の8千円だった

7万円で充分にやって行けるはずなんだけれど

僕の場合は違っていて下手をすると1週間足らずで使い切ってしまう

原因はパチンコで仕送りが送られてくるとわき目も振らずにパチンコ屋に駆け込んでしまう

もうそうなったら食べるものにも事欠くし、ましてや風呂屋になんか行かれない

結局親に泣きつくかしか無いんだけど

泣きついて送って貰った追加の仕送りも結局パチンコにつぎ込んでしまう

一人暮らしを始めた最初の夏だったかもう金欠で万策尽きてしまった

もう水しか無い

それで一計を案じたんだけど

その頃は新聞回収の車が回って来て古新聞を重さをはかって買い取ってくれていた

もちろん大した金額じゃ無くて大体の家が軒下に置いておくだけだった

僕の住んでいたアパートの周りには文化住宅が並んでいてそれぞれドアの前に古新聞が置かれていた

僕はそこに目を付けた

僕自身は新聞なんか取って無かったんだけど

新聞の回収の声が聞こえるとあわててそれらを集めて来て新聞回収のおっさんに差し出した

トラックの荷台のおっさんは僕の事をギロっと睨んでさっさと新聞の重さをはかって

おもむろに小銭を差し出した

今でも覚えているんだけど30円だ

乞食の様な思いをして集めた古新聞の値段が30円だった

その30円を握って阪急オアシスに走った

その時、30円で‘キンツルラーメン,1個と4分の1ぐらいのキャベツが買えた

アパートに帰ってキャベツ入りのキンツルラーメンを食べたんだけど

うまかった

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