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この間の熊本、函館の地震について

2016-06-18 23:49:55 | 気象・地震
少し時間が経ってしまったが、いかにブログにの記事を書く気が起きないといっても、地震の解説記事まで書かないというわけにも行かない。

「平成28年(2016年)熊本地震」について(第40報)-平成28年6月12日22時08分頃の熊本県熊本地方の地震-(気象庁報道発表)

今回の熊本地震の大きな特徴(従来の地震と違う点)は、断層の動きが複雑なことだ。過去の地震では、例えば本震が「北東-南西方向の圧力軸を持つ逆断層型」だった場合、その後に起こる余震も同じく「北東-南西方向」になる場合が多い。東日本大震災もそうしたケースの地震で、余震の際に断層の動く方向は、ほとんど本震と同じだった。

ところが、今回の熊本地震に限っては、この法則が当てはまらない。最初の大きな地震である4月14日午後9時26分頃の地震(震度7、報道発表)は「南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型」だったし、2回目の震度7を記録した4月16日1時25分頃の地震(報道発表では最大震度6強となっているが、後に7に訂正)では「横ずれ断層型」は同じであるものの、張力軸の方向は北西-南東方向に変わっている。

そして、この日の地震では「東北東-西南西方向に圧力軸を持つ逆断層型」となっており、軸の方向だけでなく、横ずれ断層型から逆断層型へ地震のメカニズムも変わっている。

このように、熊本地震が過去に例を見ないのは、いろいろな断層が複雑に絡み合い、互いに影響を与えながら連鎖的に地震を起こしているという点である。軸の方向や地震のメカニズムを見る限り、過去の地震のように単なる「余震」と片付けていいのかかなり疑問に思われるケースだ。それぞれの地震を別個のものと捉えた方が理にかなっているような気がする。

これが単なる余震でないとすると、熊本では、今後もさらに中規模程度の地震はたびたび発生する可能性がある。引き続き警戒をしてほしい。

平成28年6月16日14時21分頃の内浦湾の地震について(気象庁報道発表)

当ブログ管理人の携帯電話でも緊急地震速報が鳴り、驚いたが、幸い、函館からはかなり遠いため揺れはなかった。1923年の観測開始以来、この地域での震度6強以上は初めてというから驚く。1923年といえば関東大震災の年。その後慌てて観測体制を全国に広げたのだろう。

震源から見て、北米プレート内部での地震だ。東日本大震災を引き起こした海溝より内側(西側)であり、逆断層型なのは納得できる。今後の推移は予断を許さないが、余震には警戒をしてほしい。

また、北米プレート内部での地震だけに、東日本大震災の余震域に若干の影響があるかもしれない。

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