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【転載記事】アリの一言:野村農水相「汚染水」発言を問題視する政府・与野党・メディアの異常(レイバーネット日本より)

2023-09-02 22:26:30 | 原発問題/一般
(この記事は、K・サトルさんがレイバーネット日本に寄稿した記事をそのまま転載しています。)

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 野村哲郎農水相(写真左)が8月31日の関係閣僚会議のあとで記者団に、「汚染水のその後の評価について意見交換した」と述べたことが大きな問題になっています。NHKは1日朝のニュースでトップで報じました(写真右)。

 岸田文雄首相は直ちに、「遺憾なことであり、全面的に謝罪するとともに撤回することを指示した」と釈明。それを受け野村氏は、「言い間違えたことについて謝罪して撤回する。関係者に不快な思いをさせて申し訳ない」と陳謝しました。自民党からは「風評被害を助長する」と野村氏非難の声が上がり、立憲民主などの野党は責任を追及し、野村氏の辞任を求める声も出ています。

 笑い話のような話ですが、これが日本の政治の中枢で起こっている現実です。軽視はできません。
 野村氏の発言には何の問題もありません。異常なのは「汚染水」発言を重大問題視している岸田政権と与野党、そしてメディアの方です。

 第1に、海洋放出した「ALPS処理水」を「汚染水」と呼ぶことは全く間違っていません。これまでも繰り返し述べてきたように、「(ALPSを通して)薄めても放射性物質がなくなるわけではない」(今中哲二・京都大複合原子力科学研究所研究員、8月24日付沖縄タイムス=共同)のです。

 第2に、政府・自民党は「汚染水」という言葉は「風評被害を助長する」と言っています。野村氏が「関係者」に陳謝したのはそのためです。
 それは、「汚染水」という用語を使って海洋放出に反対している市民・団体が「風評被害を助長している」といっているのと同じです。「汚染水放出」に反対しているすべての人々・団体に対する中傷・攻撃と言わねばなりません。

 第3に、野村発言を問題視することは、政権が決めた「処理水」という言葉を使わなければ責任を追及されるという見せしめです。これは政権(国家権力)による言葉狩りにほかなりません。野村氏は閣僚ですが、その責任追及は一般市民にも影響します。とりわけメディアへの圧力効果は小さくありません。
 「戦争反対」と言っただけで「非国民」のレッテルを貼られて弾圧された戦中の状況とどれほどの違いがあるでしょうか。

 第4に、岸田政権・自民党が上記のような対応をすることは予想の範囲内ですが、想定を超えているのは、野党第1党・立憲民主の態度です。

 泉健太代表は1日の記者会見で、「水産業を所管している大臣なので(発言は)不適切だ。言い間違いだとしても、一連の処理水放出への対応が『緩んでいる』『自覚が足りない』と言われても仕方がない」と述べて責任を追及しました(1日付朝日新聞デジタル、写真中)。

 泉氏自身が「処理水」と呼んでいる問題はここでは問いません。問題は、泉氏のこの発言は「汚染水」発言が「風評被害を助長する」という政府・自民党とまったく同じ立場に立って野村氏の責任を追及していることです。

 その誤りは上述の通りですが、より重大なのは、野党第1党の党首が政府・自民党と同じ立場から「言葉狩り」を行っていることです。これは国家権力との一体化、大政翼賛化の象徴的な表れと言わねばなりません。

 汚染水放出に反対している中国を悪者にして(「鬼畜米英」を彷彿)、国内の反政府勢力を黙らせ、ナショナリズムを煽る。今回表面化した国家権力の「言葉狩り」、野党の大政翼賛化。そして深化するメディアの体制順応。
 「汚染水放出問題」は、日本が日米軍事同盟の下で事実上すでに戦争国家になっていることと、けっして無関係ではありません。

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