安全問題研究会(旧・人生チャレンジ20000km)~鉄道を中心とした公共交通を通じて社会を考える~

公共交通と原発を中心に社会を幅広く考える。連帯を求めて孤立を恐れず、理想に近づくため毎日をより良く生きる。

2024.12.31 全交関電前プロジェクト 大晦日アクションへのメッセージ

2024-12-29 21:01:13 | 原発問題/一般

福島原発事故以降、関西電力本社前では、毎年、大みそかにも反原発行動が粘り強く続けられている。今年もメッセージの依頼があったので、以下の通りメッセージを出した。

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 関電前にお集まりの皆さん、寒い中、大晦日までお疲れさまです。

 今年11月、被災地として初めて東北電力女川原発2号機が再稼働し、12月には中国電力島根原発2号機も再稼働しました。いずれも東日本大震災後初であり、また事故を起こした福島第1原発と同じ沸騰水型原子炉としても初の稼働となります。

 12月には、エネルギー基本計画が改悪され、政府の原発回帰の姿勢が露骨になる中、辛うじて残っていた「原発依存度を可能な限り低減」の文字が削除されました。「可能な限り削減」も、可能でなければ削減しなくてもいいと読める内容で、事実上、原発回帰に何の支障もない表現でしたが、福島原発事故の反省を踏まえ、福島県民・被害者への配慮のため残っていたこの最後のワンフレーズさえ原発推進派にとっては「邪魔」だということです。能登半島地震の惨事を見ても原発を動かす原発推進派の思い上がりは3.11前以上に酷くなっており、このままでは次の原発事故は2020年代のうちに再び起こると断言します。福島を経験した私には、「次の事故後の光景」までがすでにはっきりと見えています。

 原発裁判も、賠償、差し止めともに全敗でした。司法の腐敗ぶりに対する怒りは、10月に行われた最高裁裁判官国民審査ではっきりと示されました。いわき市民訴訟で住民の被害の訴えを切り捨てた裁判官、東京電力の代理人を務めていた裁判官の「罷免賛成」率が10%を超えたからです。罷免率が10%を超えるのは20年ぶりのことです。この司法への怒りを来年の6.17最高裁共同行動につなげたいと考えています。

 政府・原子力ムラは「AI(人工知能)の拡大で巨大なデータセンターが必要になり、電力需要は急増する」として原発再稼働を煽っています。ICT技術の発展によって省エネが進んできたこれまでの歴史を無視する妄想です。仮にそうだとしても、その電力需要を賄うのがなぜ原発でなければならないのでしょうか。

 米国では、原発1基の新設にすでに2兆円がかかるようになっています。しかも着工から稼働までには20年かかります。1年先も見通せない不安定な世界経済情勢の中で、20年後に稼働できるかもわからない原発のために2兆円もの巨費を投じる民間企業はありません。これからの原発は最初から政府による巨額の資金援助を前提としており、そこには私たちの税金や電気代が使われるのです。事故の危険性もさることながら、強引な原発推進政策は、将来、確実に日本の国家財政を破たんさせ、経済も生活も破壊するでしょう。

 北海道では、この11月、NUMO(原子力発電環境整備機構)が行ってきた寿都町・神恵内村での「核ごみ」最終処分場選定に向けた文献調査報告書が公表されました。北海道はこれからも農業・食料生産と観光で生きなければなりません。そのために核のごみも泊原発の再稼働も受け入れる気はありません。

 日本原電の敦賀原発2号機が規制委による審査で不合格となったことや、日本被団協のノーベル平和賞受賞など、嬉しいニュースもあった2024年でした。長く運動を続けていると良いときも悪いときもありますが、全原発廃炉をめざして2025年も頑張りましょう。


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