法務問題集

法務問題集

下請法 > 事例

2018-04-23 00:00:00 | 内閣府 > 公取委
【事例】
・衣料品販売業者A社(資本金:5億円)は、製造業者B社(資本金:1億円以下)に衣料品の製造を委託していた。
・代金を支払う場合、A社は協力金等の名目でB社に代金額から一定率を乗じた額を差し引いた金を支払っていた。
・それ以外の場合でも、A社は同様の名目でB社に一定の金額を支払わせていた。
・その後、A社はこの取り扱いを止めた。
・しかし、単価改訂時にB社と協議せずに、A社は通常支払われる対価に比して著しく低い代金額を決定した。
・また、B社への発注後に衣料品の流行の変化を察知した際に、A社は完成した衣料品の受領を拒否したり、
 一旦は受領しても返品したり、やり直しをさせたりしていた。

【問題】
01. A社〜B社間の取引が下請法の適用される下請取引に該当するか、説明しなさい。

02. A社の行為は下請法上どんな点で問題があるか、説明しなさい。

【解答例】
01.
 ・下請法では、適用対象となる下請取引の範囲を以下の2つの面から規定している。
   (1) 取引当事者の資本金額や出資総額
   (2) 取引の内容
 ・例えば、下請取引の内容が物品の製造委託や修理委託である場合、
  資本金3億円超の法人事業者が資本金3億円以下の法人事業者か個人事業者に委託するとき、または
  資本金1,000万円超3億円以下の法人事業者が資本金1,000万円以下の法人事業者か個人事業者に委託するときに、
  下請法が適用される。
 ・A社〜B社間の取引は資本金3億円超の法人事業者が資本金3億円以下の法人事業者に物品の製造を委託するものなので、
  下請取引に該当する。

02.
 ・下請事業者への下請代金支払時に協力金等の名目で下請代金から一定率を乗じた額を差し引いた代金を支払ったことは、
  支払代金の減額に該当する。
 ・協力金等の名目で下請事業者に一定額を支払わせていたことは、
  不当な経済上の利益の提供要請に該当する。
 ・単価改訂時に下請事業者と協議せずに、通常価格に比して著しく低い代金額を一方的に決定したことは、
  買い叩きに該当する。
 ・流行の変化という下請事業者に帰責事由がない事情に基づいて、下請事業者が製造した完成品の受領を拒否したことは、
  受領拒否に該当する。
 ・流行の変化という下請事業者に帰責事由がない事情に基づいて、下請事業者に受領した完成品を返品したことは、
  返品に該当する。
 ・流行の変化という下請事業者に帰責事由がない事情に基づいて、下請事業者が製造した完成品をやり直させたことは、
  不当な給付内容の変更ややり直しに該当する。

【参考】
下請代金支払遅延等防止法 - Wikipedia

下請法 > 罰則

2018-04-22 00:00:00 | 内閣府 > 公取委
【問題】
01. 3条書類の交付義務に違反した親事業者の代表者や従業者は、50万円以下の罰金に処される。

02. 書類の作成・保存義務に違反した親事業者の代表者や従業者は、刑事罰に処される。

03. 下請法には、両罰規定が規定されている。

【解答】
01. ○: 下請法10条(罰則)1号

02. ○: 下請法10条(罰則)2号

03. ○: 下請法12条(罰則)

【参考】
下請代金支払遅延等防止法 - Wikipedia

下請法 > 勧告・報告・検査

2018-04-21 00:00:00 | 内閣府 > 公取委
【問題】
01. 公取委は、禁止行為をしている親事業者に必要な措置を執るべき旨を勧告できる。

02. 取引の公正化に必要な場合、公取委は親事業者や下請事業者に両社間の下請取引に係る報告を要求できる。

03. 取引の公正化に必要な場合、公取委の職員は親事業者や下請事業者の事務所等に立ち入って帳簿書類等を検査できる。

【解答】
01. ○: 下請法7条(勧告)

02. ○: 下請法9条(報告及び検査)1項

03. ○: 下請法9条(報告及び検査)1項

【参考】
下請代金支払遅延等防止法 - Wikipedia

下請法 > 親事業者 > 禁止行為 > 不当な給付内容の変更・不当なやり直し

2018-04-20 00:00:00 | 内閣府 > 公取委
【問題】
01. 下請事業者に帰責事由がない場合、不当な給付内容の変更は親事業者の禁止行為に該当する。

02. 下請事業者に帰責事由がない場合、親事業者が給付内容の変更に必要な費用をすべて負担しても、給付内容の変更は親事業者の禁止行為に該当する。

03. 下請事業者に帰責事由がある場合でも、給付内容の変更は親事業者の禁止行為に該当する。

04. 下請事業者に帰責事由がない場合、不当なやり直しは親事業者の禁止行為に該当する。

05. 下請事業者に帰責事由がない場合、親事業者がやり直しに必要な費用をすべて負担しても、やり直しは親事業者の禁止行為に該当する。

06. 下請事業者に帰責事由がある場合でも、やり直しは親事業者の禁止行為に該当する。

【解答】
01. ○: 下請法4条(親事業者の遵守事項)2項4号

02. ×: 下請法運用基準 第4 8「不当な給付内容の変更及び不当なやり直し」(2)
(略)やり直し等のために必要な費用を親事業者が負担するなどにより、下請事業者の利益を不当に害しないと認められる場合には、不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの問題とはならない

03. ×: 下請法4条(親事業者の遵守事項)2項4号
親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、次の各号に掲げる行為をすることによって、下請事業者の利益を不当に害してはならない。
 (略)
 4 下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の内容を変更させ、又は下請事業者の給付を受領した後に給付をやり直させること。

04. ○: 下請法4条(親事業者の遵守事項)2項4号

05. ×: 下請法運用基準 第4 8「不当な給付内容の変更及び不当なやり直し」(2)
(略)やり直し等のために必要な費用を親事業者が負担するなどにより、下請事業者の利益を不当に害しないと認められる場合には、不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの問題とはならない

06. ×: 下請法4条(親事業者の遵守事項)2項4号
親事業者は、下請事業者に対し製造委託等をした場合は、次の各号に掲げる行為をすることによって、下請事業者の利益を不当に害してはならない。
 (略)
 4 下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の内容を変更させ、又は下請事業者の給付を受領した後に給付をやり直させること。

【参考】
下請代金支払遅延等防止法 - Wikipedia

下請法 > 親事業者 > 禁止行為 > 不当な経済上の利益の提供要請

2018-04-19 00:00:00 | 内閣府 > 公取委
【問題】
01. 協力金等の名目で下請事業者に一定額を支払わせることは、不当な経済上の利益の提供要請に該当する。

02. 部品の製造委託の終了後も下請事業者に貸与していた金型を無償で保管させることは、不当な経済上の利益の提供要請に該当する。

【解答】
01. ○: 下請法運用基準 第4 7-1「協賛金等の提供要請」(1)(2)

02. ○: 下請法運用基準 第4 7-5「型・治具の無償保管要請」(2)

【参考】
下請代金支払遅延等防止法 - Wikipedia