学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

楢岡焼、角館

2009-07-19 20:54:40 | その他
いよいよ秋田旅行最終回です。

朝起きると頭が痛くてしょうがない。旅で二日酔いは初の経験でした。情けないことです(苦笑)

二日目は徒歩から一転、秋田の友達にお願いをして、車で新緑の秋田路を案内していただきました。忙しいのに、どうもありがとう!

最初は大仙市南外の楢岡焼工房。友達がわざわざ窯元に連絡してくれ、なかなか見ることの出来ない作業場や登り窯を見学させて頂きました。楢岡焼は青みの深い海鼠釉が特徴で、民藝運動の中心人物柳宗悦も著書『手仕事の日本』のなかで「東北第一」と絶賛した焼物です。焼成前を見せていただきましたが、元々の釉は灰色なんですね。それが焼成されるとあれだけ美しい青みになる。焼物の素晴らしさに改めて感じ入りました。使い込んでいくと、また色が変わってゆくのでしょうね。

ここから角館へ。秋田の田園風景、そして山々を越えて。

角館でお昼を取って、のんびり武家屋敷を散策。横手のように、黒い板塀がずらりと並びます。横手と違うのは、実際に武家屋敷のなかを見学できること。色々見てまわりましたが、特に感動したのは写真にある欄間。板目を横にして、亀を透かし彫りしています。板目が横になりますから、亀が川の流れにいるように見立てているのだとか。さらに驚くべきことは、その裏側へ廻りますと、亀の姿がぼんやり陰になって映っている。明かりに影がゆらゆらゆれて、ますます亀が水の中にいるよう。こういう趣向、もしも自分が家を建てるときは取り入れたいものです(笑)毎日が楽しくなりそう。

そうこうして楽しんでいるうちに、いつの間にか、時計の針は私が帰る時間に近づいてしまいました。楽しい時間はやはり早く過ぎてしまう(泣)友達と別れ、帰りの新幹線で思うのは、秋田の旅で出会った人たち。みんな良い人たちばかりで、今までで一番楽しい旅でした。二日酔いにもなったし(笑)。出会った人たちに感謝して、また秋田に旅行に行きたいな、と思うのでした。