今日は雨が降ったり、晴れてきたり、何だか不安定な天気でしたが、気温は暖かく、気持ちの良い一日でした。
『日本近代美術史論』の第3回は、青木繁をご紹介したいと思います。青木繁は九州は久留米の生まれ。彼は日本の近代美術で異質の存在として知られ、《海の幸》、《わだつみのいろこの宮》などの代表作があります。天才が夭折すると、伝説となる。青木は28歳という若さで世を去ります。短い生涯でありながら、しかもいわゆるピーク時はそのなかの5、6年。その5、6年で制作された作品が今日高く評価されている。まさに彗星の如く登場して去っていった作家でした。
高階氏の論文によれば、青木はイメージ力が尋常ではなかったらしく、他人から聞いた水死体の話を、さも実際に自分が水死体を見たかのように話し出すエピソードを紹介しています。彼の仲間に画家はもちろん、小説家もかなり居た理由がわかるような気がします。
青木の作品ですが、影響を受けたものとして、神話(日本、インドなど)、イギリス絵画、世紀末芸術などが挙げられます。渋い、ですね。一時期、彼の師であった外光派の黒田清輝と比較すると、かなり渋い。玄人好みとでもいったらいいのか。(時代が少しズレていることもあるとは思いますけれども)上野の図書館で本を読み漁ったといいますから、その頃の知識がかなり生かされているでしょう。黒田のように海外へ渡航したわけでもないのに、画集などから摂取できたということは、やはり青木のイメージ力が尋常でなかったことを示すもの、と考えられそうです。
来年で没後100年。もしかしたら、来年はどこかの美術館で大規模な回顧展が行われるのかも…そんな淡い期待をしています。ちなみに私の勤める美術館ではとても出来そうもありません(苦笑)
青木の代表作は、福岡県久留米市の石橋美術館が所蔵しています。九州へ行きたしと思えども、九州はあまりに遠し。いつか機会があれば、石橋美術館へ行ってみたいと思います。
『日本近代美術史論』の第3回は、青木繁をご紹介したいと思います。青木繁は九州は久留米の生まれ。彼は日本の近代美術で異質の存在として知られ、《海の幸》、《わだつみのいろこの宮》などの代表作があります。天才が夭折すると、伝説となる。青木は28歳という若さで世を去ります。短い生涯でありながら、しかもいわゆるピーク時はそのなかの5、6年。その5、6年で制作された作品が今日高く評価されている。まさに彗星の如く登場して去っていった作家でした。
高階氏の論文によれば、青木はイメージ力が尋常ではなかったらしく、他人から聞いた水死体の話を、さも実際に自分が水死体を見たかのように話し出すエピソードを紹介しています。彼の仲間に画家はもちろん、小説家もかなり居た理由がわかるような気がします。
青木の作品ですが、影響を受けたものとして、神話(日本、インドなど)、イギリス絵画、世紀末芸術などが挙げられます。渋い、ですね。一時期、彼の師であった外光派の黒田清輝と比較すると、かなり渋い。玄人好みとでもいったらいいのか。(時代が少しズレていることもあるとは思いますけれども)上野の図書館で本を読み漁ったといいますから、その頃の知識がかなり生かされているでしょう。黒田のように海外へ渡航したわけでもないのに、画集などから摂取できたということは、やはり青木のイメージ力が尋常でなかったことを示すもの、と考えられそうです。
来年で没後100年。もしかしたら、来年はどこかの美術館で大規模な回顧展が行われるのかも…そんな淡い期待をしています。ちなみに私の勤める美術館ではとても出来そうもありません(苦笑)
青木の代表作は、福岡県久留米市の石橋美術館が所蔵しています。九州へ行きたしと思えども、九州はあまりに遠し。いつか機会があれば、石橋美術館へ行ってみたいと思います。