学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

木造の校舎をゆく

2016-02-05 20:02:32 | 仕事
このあいだ、古い学校の校舎へ調査に出かけました。調査の理由は文化財登録を検討するため。戦後すぐに建てられた木造の校舎で、今はもう使われていない廃校です。

私だけなのかもしれませんが、廃校というのは日中であってもかなり怖いですね…。まっすぐに東西に伸びる廊下は音もなく静かですし、かつて使われていた机や椅子、壁の落書きなど、妙に生活感があって、どうも苦手です。

さて、この校舎は木造2階建で、特別な装飾はなく、いたってシンプルな作り。外に面した下窓は回転式で、なかなかおしゃれです。天井は例のごとく高くて、冬は寒かったろうなあと想像します。私は建築に関しては専門的なことはわからないのですが、一緒に同行してくださった先輩と建築専門の先生から、いろいろと教わりながら、ぐるりと校舎を巡って行きました。

これから登録にするかどうかの検討に入るわけなのですが、木造校舎は私の住む街にはほとんど現存しておらず、とても貴重なのです。私個人としては、ぜひ残したい建物です。しかし、残すにしてもコストがかかるわけで、これだけ大きければなおさらのこと。ただ単に残したい、のではなく、様々な活用の方法を考えながら、検討することになりそうです。文化財に登録するのも難しい仕事だと実感しました。
コメント
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