学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

東日本大震災から9年

2020-03-12 19:15:00 | その他
昨日で東日本大震災から9年を迎えました。私にとっての時間の感覚としてはもう9年です。

2011年3月11日。震災が起こった時間、私は美術館の事務室で翌日のイベントの打ち合わせをしていたところでした。揺れる建物のなかで、お客様の避難誘導をしようと展示室まで歩き(幸いお客様は館内にいらっしゃらなかった)、あとは展示室で揺れが収まるのをじっと待っていました。建物自体が大きな音を出して揺れ、作品がぐらぐらと揺れる。あのとき、不思議と怖さや不安はなく、揺れが収まるまで比較的冷静であったことを覚えています。その後、事務室に戻り、室内のテレビで大震災の情報を確認し、あとはイベント中止の仕事に従事しました。帰宅したのは午後8時頃。

被災地の支援に何ができるのか。私は現地でのボランティア活動はできませんでしたが、被災した行政や企業への寄付、できるだけ東北の食材を購入するなど、少しばかりですが金銭的な部分での支援をさせていただきました。大震災から半年ほど過ぎたころ、宮城県の名取市方面を車で走りましたが、まだ田んぼのいたるところに津波で流されてきた大きな船がいくつも残っていたことを思い出します。異様な光景でした。

これが私の体験した東日本大震災。

先日、小学校の先生とお話をする機会がありましたが、今の小学生のほとんどは東日本大震災を体験していない、もしくは記憶にない世代になってきているとのこと。時間は確実に経過していることを感じました。大震災の体験を、次世代にどうつないでいくかを考える時代に早くも入ったような気がしました。

改めて大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。