学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

教養としての美術史

2020-03-29 21:45:00 | その他
桜ふぶき、とはよく言ったもので、今日は朝から雪の降る1日となりました。家にいても底冷えがして、寒さに弱い私は動きがにぶくなります。暖かい、太陽の日ざしが恋しい。

さて、このところの私は、すっかり美術史の勉強をさぼっています。家に帰って、夕食を食べ、お風呂に入ると、あとは眠気に襲われて布団へ。ごく人間らしい健康的な生活です。しかし、モノを書くという仕事に携わる以上、知識を入れる時間もきちんと取らなければなりません。が、ついつい楽なほうへ流されていくのが人間の常というものです。

近頃、書店へ行くと、教養としての美術史、をテーマにした本を見かけるようになりました。これまで教養の日本史や世界史、文学などの本は見かけましたが、これで美術史もとうとう教養になったのか、いつの間にか、えらくなったなあと感激です。ビジネスマンが日常会話のなかで、どれだけ美術の話をするのかわかりませんが、私のおすすめは高階秀爾さんの『名画を見る目』(岩波新書)、『近代絵画史』上下(中公新書)、辻惟雄さんの『日本美術の歴史』(東京大学出版会)、『日本美術の見方』(岩波書店)です。いわゆるタネ本で、これを読んでおけば、一通りの美術に対する知識はつけられる、というのが私の提案で、実際に私もテキストとして今でも読んでいます。ただ、やはり美術は理屈ではなく、実際に見てこそ、なので、ここに取り上げられている絵画を実際に見に行くことができれば最高です。

本来ならば、いろいろな美術館で春の新しい企画展が始まるところですが、新型肺炎拡大防止のために休館を余儀なくされているところが多く、また、なかなか出歩きにくい状況下にあります。こんなときは、家で美術の本を読んで、絵と親しむのもまた楽しいことですよ。