学芸員のちょっと?した日記

美術館学芸員の本当に他愛もない日記・・・だったのですが、今は自分の趣味をなんでも書いています

音読の効用

2020-03-28 18:30:00 | その他
このあいだ、脳には音読がよい、と、このブログに書きました。私は、声に出して読むためのことばを、まいにち届く新聞の記事に求めています。

記事ならどれでもよい、というわけではありません。できるだけ、文化面の記事を探して読みます。なぜなら、政治や経済、国内外情勢では気持ちが暗くなるからです。ことばを声に出すのなら、のどさわりのよい、ゆかいで、きれいな話が読みたい。

目の見えない人のための、博物館のはなし。

年月に埋もれてしまった、画家たちの仕事をあきらかにする、美術館のはなし。

何気ない日々に彩りをそえる、エッセイストたちのはなし。

「文化とは生活の一部である」と、吉田健一さんが述べておられました。文化は、わたしたちの生活そのものですし、その積み重ねからできています。ですから、わたしは、いつものありのままの生活を大事にすることが、文化を守り伝えるうえでまずは大切であると思っています。

音読は脳によいはたらきをする。それだけではないものを、私は得られているような気がしています。