阿川>彼らは何を守りたいんですかね。
古賀>自分の生活でしょう。
阿川>老後の天下り先とか?
古賀>老後を含めた自分の人生設計でしょうね。役所って、全体が互助会になってるんですよ。22歳で役所に入ったら、70歳くらいまでの生活をみんなで協力して守りましょうねっていう。だから自ずからリスクを取らない組織になる。
以上、古賀茂明&阿川佐和子「仙谷さんは、民主党には『政治主導』なんてできないって分かってしまったんだと思う。」(「週刊文春」2011年7月7日号)に拠る。
*
(1)天下りの報酬額
経済産業省の補助事業・委託事業は、天下り団体にカネを落とす装置だ。エネルギー庁在職経験者は、ハッキリ言う。「ほとんどが、各団体にお金を落とすための事業ですよ」
天下りは、経産省の人事ローテーションに完全に組みこまれている。役所を50歳代で退いた後、いくつもの団体を渡り歩き、70歳くらいまで面倒を見てもらう。原発・電力予算がばらまかれる天下り団体にいる経産省OBたちは、たいていが世間相場からみて高い報酬で処遇されている。
<例1>エネルギー総合研究所
天下りは、山田英司・専務理事(元中部経産局資源エネルギー部長)と田中隆則・理事(元原子力安全・保安院原子力安全広報課長)の2人。
月額報酬と賞与の年俸は、山田が1,600万~1,776万円、田中が1,376万~1536万円だ。
<例2>日本エネルギー経済研究所
天下りの豊田正和・理事長(元経産審議官)の月額報酬と賞与の年俸は、2,380万~2,720万円になる。
この研究所には、彼を含めて経産省の天下りが6人いる。
<例3>海外電力調査会
天下りの稲葉裕俊・専務理事(元四国通産局長)の月額報酬と賞与の年俸は、2,092万円だ。
<例4>新エネルギー財団
天下りの近藤隆彦・会長(元特許庁長官)の上限報酬は、1,890万円だ。
<例5>日本立地センター
天下りの瓦田栄三・専務理事(元九州通産局長)の年間報酬は、役員報酬内規によれば1,200万円だ(推定)。
このセンターは、資源エネルギー庁から核燃料サイクル施設のPR誌の発行を請け負い、青森県や岩手県で合計3種類の冊子を発行している。
<例6>日本科学技術振興財団
天下りの竹田原昇司・常務理事の年間報酬は、役員報酬内規によれば1,100万~1,600万円だ(推定)。
この財団は、08年度までの4年間、青森県の中学校で「出前」放射線教室を開催してきた。
(2)補助金・委託費から人件費を捻り出すしくみ
<例1>日本生産性本部
経済産業省の外局、資源エネルギー庁の「電源立地推進調整事業・即応型情報提供事業」は、08年度には社会経済生産性本部(現・日本生産性本部)に委託し、1,923万円支出している。
受託した社会経済生産性本部は、新聞や雑誌の購入、派遣会社からの臨時雇用などに448万円を費やし、ホームページづくりは政策会社に475万円で外注している。つまり、
1,923万円-(448万円+475万円)=908万円
が、人件費や一般管理費の名目で同本部の収入となっているのだ。
この年度、同本部は経産省など5省府から約16億円で委託事業を請け負った(年間収入の13%)。「やらせメール」が問題になった経産省主催の説明番組も、じつは同本部が資源エネルギー庁から引き受けたものだ。
新聞監視や「やらせ」がまかり通るのは、これらが経産省の潤沢な原発マネーに支えられているからだ。経産省の特例民法法人(旧・公益法人)への補助金・委託金は、原子力や電力にゆかりのある団体などに138億円余の税金が投じられている(08年度)。多くは、経産省の天下りのいる団体にふりむけられ、原発の安全PRや同省の下請け調査が使途だ。
同本部は、階級闘争的な労使対立が激しかった55年に、労使の協力、雇用の増大、成果の公正分配を掲げて設立されたシンクタンクだ。東京電力から勝俣恒久会長が評議員に、東電労組出身の種岡成一・電力総連会長が理事に、それぞれ就いている。
10年以前は、長らく経産省所管の公益法人だった。福川伸次・元通産事務次官も評議員に名を連ねている。
ちなみに、09年度、経産省から3,430万円で受託した事業では架空人件費の計上や虚偽の業務日誌作成が露見し、補助金交付の停止や指名停止の措置を受けた。
<例2>日本科学技術振興財団
08年度、「出前」放射線教室の講師役を務めた原子力の専門家が原発開発の進む大間町と東通村の3つの中学校の189人の生徒を相手に授業した。このとき、東北経産局からの委託費399万円、講師謝礼と旅費は42万8千円。受注額の41%が財団職員の人件費に充てられている。
以上、大鹿靖明(編集部)「『原発は安全』に138億」(「AERA」2011年8月8日号)に拠る。
*
「海江田万里経済産業相は4日、緊急の記者会見を開き、同省の松永和夫事務次官(59)、寺坂信昭同省原子力安全・保安院長(58)、細野哲弘同省資源エネルギー庁長官(58)の3首脳を更迭すると正式に発表した。東京電力福島第一原発事故の一連の対応や、国主催の原子力関連シンポジウムをめぐる『やらせ』問題の責任を問うかたちだ」
以上、記事「経産次官ら3首脳更迭 原発対応で海江田氏「人心一新」」、2011年8月4日02時33分 asahi.com) から引用した。
なお、記事「経産省首脳後任、省内の改革派の昇格検討 海江田経産相」」、2011年8月4日15時0分 asahi.com) という報道に、記事「経産省事務次官に安達経済産業政策局長 3首脳更迭」」、2011年8月4日18時53分 asahi.com)が続く 。
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古賀>自分の生活でしょう。
阿川>老後の天下り先とか?
古賀>老後を含めた自分の人生設計でしょうね。役所って、全体が互助会になってるんですよ。22歳で役所に入ったら、70歳くらいまでの生活をみんなで協力して守りましょうねっていう。だから自ずからリスクを取らない組織になる。
以上、古賀茂明&阿川佐和子「仙谷さんは、民主党には『政治主導』なんてできないって分かってしまったんだと思う。」(「週刊文春」2011年7月7日号)に拠る。
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(1)天下りの報酬額
経済産業省の補助事業・委託事業は、天下り団体にカネを落とす装置だ。エネルギー庁在職経験者は、ハッキリ言う。「ほとんどが、各団体にお金を落とすための事業ですよ」
天下りは、経産省の人事ローテーションに完全に組みこまれている。役所を50歳代で退いた後、いくつもの団体を渡り歩き、70歳くらいまで面倒を見てもらう。原発・電力予算がばらまかれる天下り団体にいる経産省OBたちは、たいていが世間相場からみて高い報酬で処遇されている。
<例1>エネルギー総合研究所
天下りは、山田英司・専務理事(元中部経産局資源エネルギー部長)と田中隆則・理事(元原子力安全・保安院原子力安全広報課長)の2人。
月額報酬と賞与の年俸は、山田が1,600万~1,776万円、田中が1,376万~1536万円だ。
<例2>日本エネルギー経済研究所
天下りの豊田正和・理事長(元経産審議官)の月額報酬と賞与の年俸は、2,380万~2,720万円になる。
この研究所には、彼を含めて経産省の天下りが6人いる。
<例3>海外電力調査会
天下りの稲葉裕俊・専務理事(元四国通産局長)の月額報酬と賞与の年俸は、2,092万円だ。
<例4>新エネルギー財団
天下りの近藤隆彦・会長(元特許庁長官)の上限報酬は、1,890万円だ。
<例5>日本立地センター
天下りの瓦田栄三・専務理事(元九州通産局長)の年間報酬は、役員報酬内規によれば1,200万円だ(推定)。
このセンターは、資源エネルギー庁から核燃料サイクル施設のPR誌の発行を請け負い、青森県や岩手県で合計3種類の冊子を発行している。
<例6>日本科学技術振興財団
天下りの竹田原昇司・常務理事の年間報酬は、役員報酬内規によれば1,100万~1,600万円だ(推定)。
この財団は、08年度までの4年間、青森県の中学校で「出前」放射線教室を開催してきた。
(2)補助金・委託費から人件費を捻り出すしくみ
<例1>日本生産性本部
経済産業省の外局、資源エネルギー庁の「電源立地推進調整事業・即応型情報提供事業」は、08年度には社会経済生産性本部(現・日本生産性本部)に委託し、1,923万円支出している。
受託した社会経済生産性本部は、新聞や雑誌の購入、派遣会社からの臨時雇用などに448万円を費やし、ホームページづくりは政策会社に475万円で外注している。つまり、
1,923万円-(448万円+475万円)=908万円
が、人件費や一般管理費の名目で同本部の収入となっているのだ。
この年度、同本部は経産省など5省府から約16億円で委託事業を請け負った(年間収入の13%)。「やらせメール」が問題になった経産省主催の説明番組も、じつは同本部が資源エネルギー庁から引き受けたものだ。
新聞監視や「やらせ」がまかり通るのは、これらが経産省の潤沢な原発マネーに支えられているからだ。経産省の特例民法法人(旧・公益法人)への補助金・委託金は、原子力や電力にゆかりのある団体などに138億円余の税金が投じられている(08年度)。多くは、経産省の天下りのいる団体にふりむけられ、原発の安全PRや同省の下請け調査が使途だ。
同本部は、階級闘争的な労使対立が激しかった55年に、労使の協力、雇用の増大、成果の公正分配を掲げて設立されたシンクタンクだ。東京電力から勝俣恒久会長が評議員に、東電労組出身の種岡成一・電力総連会長が理事に、それぞれ就いている。
10年以前は、長らく経産省所管の公益法人だった。福川伸次・元通産事務次官も評議員に名を連ねている。
ちなみに、09年度、経産省から3,430万円で受託した事業では架空人件費の計上や虚偽の業務日誌作成が露見し、補助金交付の停止や指名停止の措置を受けた。
<例2>日本科学技術振興財団
08年度、「出前」放射線教室の講師役を務めた原子力の専門家が原発開発の進む大間町と東通村の3つの中学校の189人の生徒を相手に授業した。このとき、東北経産局からの委託費399万円、講師謝礼と旅費は42万8千円。受注額の41%が財団職員の人件費に充てられている。
以上、大鹿靖明(編集部)「『原発は安全』に138億」(「AERA」2011年8月8日号)に拠る。
*
「海江田万里経済産業相は4日、緊急の記者会見を開き、同省の松永和夫事務次官(59)、寺坂信昭同省原子力安全・保安院長(58)、細野哲弘同省資源エネルギー庁長官(58)の3首脳を更迭すると正式に発表した。東京電力福島第一原発事故の一連の対応や、国主催の原子力関連シンポジウムをめぐる『やらせ』問題の責任を問うかたちだ」
以上、記事「経産次官ら3首脳更迭 原発対応で海江田氏「人心一新」」、2011年8月4日02時33分 asahi.com) から引用した。
なお、記事「経産省首脳後任、省内の改革派の昇格検討 海江田経産相」」、2011年8月4日15時0分 asahi.com) という報道に、記事「経産省事務次官に安達経済産業政策局長 3首脳更迭」」、2011年8月4日18時53分 asahi.com)が続く 。
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