魚は、もっとも危険な時期に入ってきた。海藻、近海物はだめ。サバも一部が汚染された。ストロンチウムを測定しなければ安心はできない。地域は太平洋側の宮城沖から静岡、愛知ぐらいに限る。
以上、武田邦彦「秋の食材・・・これは大丈夫、これは危険」(「武田邦彦(中部大学)」 2011年8月24日号)に拠る。
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水口憲哉・東京海洋大学名誉教授は、次のようにいう。
魚種の群(「単位群」)ごとの活動範囲は、ある程度まで絞りこまれている。産地表示が正しく行われ、それらの情報を元に消費者が選択できるのであれば、安心な魚を食べ続けることができる。
例えば、福島周辺の「根付き魚」はもちろんのこと、回遊するコースが福島原発近くを通る魚種には相応の汚染がもたらされる、と考えたほうがよい。また、福島からの汚染水の到達が確認されている海域で採れる海草類も、ヨウ素131の場合は取りこまれる割合が非常に大きい。
陸地の田畑と同じく、海底の土も大事だ。田畑の土も海底の土も、放射能を取りこむ。
食物連鎖のため、今から半年後、1年後は惨憺たる状態になる。回遊魚にしても、あと半年か1年もたてば影響が出てくる。マグロは日本中の近海を泳ぎ回っているので、いずれ日本中で調べなければならない、という状況になるかもしれない。
食べても安全とか、危険とか、言うつもりはない。心配だったら食べなければよい。これが基本だ。
私は、スーパーで買物をするとき、コウナゴなら愛知県産を買う。愛知県産のコウナゴは、福島あたりとは別の群だからだ。茨城県沖で獲れるコウナゴは、千葉県沖から仙台湾あたりまでと一緒の「単位群」だ。こうした区別ができることを知ってさえいれば、消費者の選択肢が増える。
生産者のためにも消費者が魚を食べ続けるためにも、きちんとした情報を出すべきだ。
以上、明石昇二郎(ルポライター)「魚の放射能汚染はこれからが本番」(別冊宝島第1796号『日本を脅かす! 原発の深い闇 東電・政治家・官僚・学者・マスコミ・文化人の大罪』、宝島社、2011)に拠る。
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●濃縮係数
1位;カツオ。2位:ブリ。3位:スズキ。スケトウダラやホッケも高い。暫定基準値超えしているメバル、イシガレイ、アイナメも比較的高い。
イカ、タコなど軟体類のセシウム濃度は、魚類に比べれば一般に低い。
●秋から美味になる魚
カツオは、日本列島を黒潮に沿って南から北へ向かい、三陸海岸沖まで行き、秋になると南下する。300km前後の沖合を南から北に向けて回遊するため、汚染の可能性は比較的少ない。福島沖でさえ、6月には巻き網漁法をしている。これまで、回遊魚から暫定基準値を上回る放射性物質は検出されていない。
サバは、3~6月まで福島県沖から茨城県沖で過ごし、その後青森県沖に北上、11~12月にはふたたび福島・茨城県沖に戻ってくる。秋一番に注視すべき魚だ。福島第一で汚染水が放出されたその時期に、その辺りを回遊していたこと、汚染の高い地域のコウナゴを食べた可能性があること、その後も汚染濃度が比較的高かった時期に沿岸を移動している可能性があることがその理由だ。7月20日、福島県原釜沖のマサバから117Bqのセシウムが検出された。水産庁の担当者は、「暫定基準値は500Bqだが、もし沖合で回遊するサバから300Bqが出たら沿岸の魚はもっと汚染の可能性がある。そうなればさらに検査数を増やさなければならない」と警戒を緩めない。
サンマは、千島列島沖方面から徐々に南下する。8月末は北海道沖が漁場で、10~11月にかけて茨城県沖に移動する。川からの汚染の影響を受けやすい沖合近くを通るものがある。全国さんま棒受網漁業共同組合は、福島第一から100km圏内の操業自粛を決めた。
サケも、千島列島沖方面から徐々に南下する。10~12月に産卵のため太平洋側の河川に遡上する。遡上の南限は利根川。沖合を含め、サケの検査値に注意したい。
●川魚
道路のアスファルトや木の葉についた放射性物質は、雨で河川に流れこんだ結果、東北や関東の河川は放射性物質の濃度が高くなっている。梅雨を経て暫定基準値を上回る川魚が増えた。6月23日には福島県南相馬市のアユから暫定基準値を超える4,400Bq、7月23日には同県伊達市の阿武隈川のアユから1,240Bqのセシウムが検出された。
河川で暫定基準値を超える魚が出たのは福島県だけだが、栃木県では5月に2ヵ所で採取したアユから400Bqを上回るセシウムが検出されている。
●海産物の加工品
缶詰の検査は行われていない。厚生労働省は、「原料の魚や野菜を検査しており、安全なもので作られていることを前提としているから」と説明している。
安全性の担保にも限界があり、自主検査が求められる。
加工大手のマルハニチロでは、「事故後は関東や東北の太平洋沿岸で取れた海産物は購入していないので、検査していない。今後は各工場や中央研究所で自主検査する」という。
以上、永見恵子「放射能と食 第2弾 秋の魚は大丈夫?」(「サンデー毎日」2011年9月4日号)に拠る。
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以上、武田邦彦「秋の食材・・・これは大丈夫、これは危険」(「武田邦彦(中部大学)」 2011年8月24日号)に拠る。
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水口憲哉・東京海洋大学名誉教授は、次のようにいう。
魚種の群(「単位群」)ごとの活動範囲は、ある程度まで絞りこまれている。産地表示が正しく行われ、それらの情報を元に消費者が選択できるのであれば、安心な魚を食べ続けることができる。
例えば、福島周辺の「根付き魚」はもちろんのこと、回遊するコースが福島原発近くを通る魚種には相応の汚染がもたらされる、と考えたほうがよい。また、福島からの汚染水の到達が確認されている海域で採れる海草類も、ヨウ素131の場合は取りこまれる割合が非常に大きい。
陸地の田畑と同じく、海底の土も大事だ。田畑の土も海底の土も、放射能を取りこむ。
食物連鎖のため、今から半年後、1年後は惨憺たる状態になる。回遊魚にしても、あと半年か1年もたてば影響が出てくる。マグロは日本中の近海を泳ぎ回っているので、いずれ日本中で調べなければならない、という状況になるかもしれない。
食べても安全とか、危険とか、言うつもりはない。心配だったら食べなければよい。これが基本だ。
私は、スーパーで買物をするとき、コウナゴなら愛知県産を買う。愛知県産のコウナゴは、福島あたりとは別の群だからだ。茨城県沖で獲れるコウナゴは、千葉県沖から仙台湾あたりまでと一緒の「単位群」だ。こうした区別ができることを知ってさえいれば、消費者の選択肢が増える。
生産者のためにも消費者が魚を食べ続けるためにも、きちんとした情報を出すべきだ。
以上、明石昇二郎(ルポライター)「魚の放射能汚染はこれからが本番」(別冊宝島第1796号『日本を脅かす! 原発の深い闇 東電・政治家・官僚・学者・マスコミ・文化人の大罪』、宝島社、2011)に拠る。
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●濃縮係数
1位;カツオ。2位:ブリ。3位:スズキ。スケトウダラやホッケも高い。暫定基準値超えしているメバル、イシガレイ、アイナメも比較的高い。
イカ、タコなど軟体類のセシウム濃度は、魚類に比べれば一般に低い。
●秋から美味になる魚
カツオは、日本列島を黒潮に沿って南から北へ向かい、三陸海岸沖まで行き、秋になると南下する。300km前後の沖合を南から北に向けて回遊するため、汚染の可能性は比較的少ない。福島沖でさえ、6月には巻き網漁法をしている。これまで、回遊魚から暫定基準値を上回る放射性物質は検出されていない。
サバは、3~6月まで福島県沖から茨城県沖で過ごし、その後青森県沖に北上、11~12月にはふたたび福島・茨城県沖に戻ってくる。秋一番に注視すべき魚だ。福島第一で汚染水が放出されたその時期に、その辺りを回遊していたこと、汚染の高い地域のコウナゴを食べた可能性があること、その後も汚染濃度が比較的高かった時期に沿岸を移動している可能性があることがその理由だ。7月20日、福島県原釜沖のマサバから117Bqのセシウムが検出された。水産庁の担当者は、「暫定基準値は500Bqだが、もし沖合で回遊するサバから300Bqが出たら沿岸の魚はもっと汚染の可能性がある。そうなればさらに検査数を増やさなければならない」と警戒を緩めない。
サンマは、千島列島沖方面から徐々に南下する。8月末は北海道沖が漁場で、10~11月にかけて茨城県沖に移動する。川からの汚染の影響を受けやすい沖合近くを通るものがある。全国さんま棒受網漁業共同組合は、福島第一から100km圏内の操業自粛を決めた。
サケも、千島列島沖方面から徐々に南下する。10~12月に産卵のため太平洋側の河川に遡上する。遡上の南限は利根川。沖合を含め、サケの検査値に注意したい。
●川魚
道路のアスファルトや木の葉についた放射性物質は、雨で河川に流れこんだ結果、東北や関東の河川は放射性物質の濃度が高くなっている。梅雨を経て暫定基準値を上回る川魚が増えた。6月23日には福島県南相馬市のアユから暫定基準値を超える4,400Bq、7月23日には同県伊達市の阿武隈川のアユから1,240Bqのセシウムが検出された。
河川で暫定基準値を超える魚が出たのは福島県だけだが、栃木県では5月に2ヵ所で採取したアユから400Bqを上回るセシウムが検出されている。
●海産物の加工品
缶詰の検査は行われていない。厚生労働省は、「原料の魚や野菜を検査しており、安全なもので作られていることを前提としているから」と説明している。
安全性の担保にも限界があり、自主検査が求められる。
加工大手のマルハニチロでは、「事故後は関東や東北の太平洋沿岸で取れた海産物は購入していないので、検査していない。今後は各工場や中央研究所で自主検査する」という。
以上、永見恵子「放射能と食 第2弾 秋の魚は大丈夫?」(「サンデー毎日」2011年9月4日号)に拠る。
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