最近の原発原子力をめぐる議論を聞いていると、このような永井隆【注1】や長田新【注2】の爆弾と平和利用の峻別論を忘れて、核をすべてアプリオリに邪悪なものと決めつける、「脱原発以外に道なし」論者が日本の多数派になりつつあるようだ。
そういう人は、クロード・アングレ/ドミニク・ド・モンヴァロン『フランスからの提言 原発はほんとうに危険か?』(原書房 1,500円+税)を読むべき。
核をアプリオリに邪悪なもの視する人々は、核は人間にコントロール不可能なものと思いこんでいる。フクシマがそれを証明したと思っている。しかし、フクシマで起きたことは、第一世代第二世代の古い原発にマグニチュード9.0という未曾有の災害が襲いかかったときに起きたことで、現代の最先端の原発(いま三世代半まできている)では決して起こりえないことがすぐわかる。いまの原発では、フクシマの悲劇の最大のもとになった水素爆発が絶対に起こらない(水素が発生したとたん融媒によって酸素と結合させられ、H2O になってしまう)。フクシマの悲劇をもたらした全電源喪失メルトダウンも絶対起こらない(電源なしでも冷却継続)。いまの日本の原発論議は、驚くほど時代遅れの内容になっている。
【注1】永井隆『長崎の鐘』(日本ブックエース、2010)
【注2】長田新『原爆の子(上・下)』(岩波文庫ワイド版、2010)
以上、立花隆「写真で見るヒロシマ・ナガサキ、原発と原爆 ~綿塩読書日記~」(「週刊文春」2011年9月1日号)から引用した。
*
時代遅れになっているのは、原発原子力をめぐる議論ではない。原発原子力をめぐる金儲けのシステムだ。
「総括原価方式」で荒稼ぎする電力会社、その札束で頬をひっぱたかれて汗を流す政治家、莫大な広告料のため口をつぐむマスコミ、曲学阿世の学者、電力関連団体に天下りする官僚・・・・。
そして、原発が三世代半まで来ていようといまいと、いま現に、フクシマは汚染されている。汚染は、東北6県【注】から関東、中部に広がり、海も汚染されている。
【注】例えば、徳丸威一郎・大場弘行(本誌)「東北6県100地点 どこまで安心できるのか 放射能汚染マップで分かった盲点」(「サンデー毎日」2011年9月4日号)。
↓クリック、プリーズ。↓


そういう人は、クロード・アングレ/ドミニク・ド・モンヴァロン『フランスからの提言 原発はほんとうに危険か?』(原書房 1,500円+税)を読むべき。
核をアプリオリに邪悪なもの視する人々は、核は人間にコントロール不可能なものと思いこんでいる。フクシマがそれを証明したと思っている。しかし、フクシマで起きたことは、第一世代第二世代の古い原発にマグニチュード9.0という未曾有の災害が襲いかかったときに起きたことで、現代の最先端の原発(いま三世代半まできている)では決して起こりえないことがすぐわかる。いまの原発では、フクシマの悲劇の最大のもとになった水素爆発が絶対に起こらない(水素が発生したとたん融媒によって酸素と結合させられ、H2O になってしまう)。フクシマの悲劇をもたらした全電源喪失メルトダウンも絶対起こらない(電源なしでも冷却継続)。いまの日本の原発論議は、驚くほど時代遅れの内容になっている。
【注1】永井隆『長崎の鐘』(日本ブックエース、2010)
【注2】長田新『原爆の子(上・下)』(岩波文庫ワイド版、2010)
以上、立花隆「写真で見るヒロシマ・ナガサキ、原発と原爆 ~綿塩読書日記~」(「週刊文春」2011年9月1日号)から引用した。
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時代遅れになっているのは、原発原子力をめぐる議論ではない。原発原子力をめぐる金儲けのシステムだ。
「総括原価方式」で荒稼ぎする電力会社、その札束で頬をひっぱたかれて汗を流す政治家、莫大な広告料のため口をつぐむマスコミ、曲学阿世の学者、電力関連団体に天下りする官僚・・・・。
そして、原発が三世代半まで来ていようといまいと、いま現に、フクシマは汚染されている。汚染は、東北6県【注】から関東、中部に広がり、海も汚染されている。
【注】例えば、徳丸威一郎・大場弘行(本誌)「東北6県100地点 どこまで安心できるのか 放射能汚染マップで分かった盲点」(「サンデー毎日」2011年9月4日号)。
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