語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【詩歌】エミリー・ディキンソン「わたしは苦悩の表情が好き」

2015年06月23日 | 詩歌
 わたしは苦悩の表情が好き
 それが真実なことを知っているから
 ひとびとはひきつけを装ったり
 苦しさを見せかけはしない

 その日は一度かぎりかすむ それが死
 じみな苦しみでつながった
 額の上の玉を
 いつわることはできない

 I like a look of agony,
 Because I know it's true;
 Men do not sham convulsion,
 Nor simulte a throe.

 The eyes glaze once, and that is death.
 Impossible to feign
 The beads upon the forehead
 By homely anguish strung.

□エミリー・ディキンソン「わたしは苦悩の表情が好き」(『ディキンソン・フロスト・サンドバーグ詩集 ~世界詩人全集12~』、新潮社、1968)
□亀井俊介編『対訳 ディキンソン詩集 ~アメリカ詩人選(3)』(岩波文庫、1998)
□MABEL LOOMS TODD & T.W.HIGGINSON “Collected Poem of EMILY DICKINSON”,Crown Publishers,Inc.1982
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 【参考】
【詩歌】エミリー・ディキンソン「傷ついた鹿は一番高く躍り上がると」
【詩歌】エミリー・ディキンソン「声高く戦うのは勇ましい」
【詩歌】エミリー・ディキンソン「もし駒鳥たちがやってくるころ」
【詩歌】エミリー・ディキンソン「成功はすばらしく思われる」




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【食】こんなに危ない豚肉&内臓の生食 ~規制やむなし~

2015年06月23日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)厚生労働省は、6月12日から、生食用豚肉と内臓の販売・提供も禁止した。
 2011年、「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件が起きた(患者数181人、死亡者5人、うち6歳の男児2人)。これがきっかけで生食用牛の肝臓(牛のレバ刺し)が提供・販売禁止になった。
 このたび、禁止の対象が牛から豚へ広がったわけだ。
 じつは、豚レバーを提供する店が、2012年の80店から2013年には190店に増えた【厚労省調査】。牛レバーの代替物として豚レバーを提供するようになったからだ。

 (2)生の豚肉や内臓は、食中毒の危険もさりながら、E型肝炎に感染する危険性もあるのだ。
 E型肝炎に感染すると、死に至ることもある。
 それを知らずに平然と食べるのは、提供する店も問題であるにせよ、命知らずと呼ばねばならない。

 (3)厚労省は、豚肉や豚の内臓を食べる習慣は日本になかったから、あえて規制する必要性はない、と考えていた。しかし、これ以上、豚の肉や内臓を生食する習慣が広がると、犠牲者が出る危険性が高まるとして規制に踏み切った。
 「生食文化の崩壊」という意見もあるが、肉の生食文化など日本には根づいていない。
 野菜、魚、卵などは日本の生食文化と言えるが、肉や内臓を生で食べ始めたのは最近のことだ。

 (4)特にテレビの影響が大きい。マスコミは美味しさの表現を決めたがる傾向が強い。
   「柔らかい」
   「口の中に入れたらとろけてしまった」
   「噛まなくていい」
 要するに、「柔らかい=美味しい」のだ。「肉は柔らかくなくてはいけない」という思いが消費者に強くなり、行き着いた先が「生食」なのだ。

 (5)問題は、食にどんなリスクがあるのかを知らない消費者が多いことだ。リスクを伝えようとしないマスコミが多いことだ。
 そして、消費者は概して食のリスクを聞きたがらない。
 どんな食材にどんな効果があるのかを、ことさら大げさに扱うマスコミは、食のリスクになると、ことさら小さく扱う。

 (6)政治以前に、一般生活に係る報道が偏りすぎている。そのため、
   「飲食店で提供されるものに危険なものはない」
   「市場に流通しているものは、国が安全だと認めたものばかりだ」
などと勘違いする消費者が出てくる。

 (7)「食は自己責任だ。国が規制するものではない」という意見もある。実はしかし、食というものは昔から「自分の責任で食べるもの」なのだ。
 国が定めている基準は、いかなるものも、あくまで安全の目安にすぎない。「国の基準を守っているものはすべて安全だ」などという保証はない。

 (8)今の時代は、いいことばかり、耳当たりのいいことばかりしか情報提供されない。そうなればリスクを知らせる方法は規制しかない。規制が多くなることを歓迎しているわけではないにしても。
 厚労省は、ハンバーグの危険性は「業者も消費者も百も承知している」として表示規制すらやっていない。
 しかし、ハンバーグの危険性を知っている消費者は少ない。
 「ハンバーグは中まで十分加熱しなければならない」と規制しなければならない日は、そう遠くない。

□垣田達哉(消費者問題研究所代表)「規制やむなし。こんなに危ない豚肉&内臓の生食」(「週刊金曜日」2015年6月19日号)
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