(1)7月15日、衆院特別委員会で自民・公明両党が強行採決した。
新聞・テレビの世論調査で、安倍内閣への不支持率が支持率を上回り、
安保関連法案を今国会で成立させるべきではない、十分に議論されていない、
との声が強い中での強権発動だった。
ほぼ全ての憲法学者が「違憲」と判断し、
「集団的自衛権の行使」の条件設定も明確でない「戦争法案」。
各種世論調査、国会周辺でのデモ、国内各地での反対運動の盛り上がりを見て、安倍政権は、
「60日条項」の適用
を念頭に、この時期、無謀な強行採決に踏み切った。
(2)ネガティブイメージ(強行採決)をなるべく払拭したいのが与党だ。
そのお先棒をかついでくれるのが公共放送(NHK)だ。
NHKは、特定秘密保護法について、国会の強行採決まで、その内容や問題点をほとんど報じなかった。
今回の安保法制については、秘密保護法に比べればまだ伝えたが、法案の違憲性、問題点の解説より、いつ可決するかという政局扱いが目立った。
結果として強行採決は昼のニュースの中で放送されたが、国民の関心が高い特別委員会の最終審議を公共放送が中継しない理由は何か。
混乱する強行採決の場面がテレビ画面で報じられれば、政権のダメージとなる。そのため、放送しないことが最も政権への忠誠心を表明することになる。
そうとしか考えられない出来事だ。
いまだNHKから明確な説明が行われていないことが、それを裏書きする。
(3)今年の定期異動で反籾井派が一掃された【NHK内部の人】。
就任以来1年半にわたり、その資質が問われている籾井会長。前代未聞の会長だが、生殺与奪の権限(人事権)を持っている困り者。人事異動のたびに籾井会長にすり寄る人が増える(悲しい話)。
(4)安倍政権発足以来、新聞が二分された、とよく言われる。
親・安倍・・・・「読売新聞」「産経新聞」
反・安倍・・・・「朝日新聞」「毎日新聞」「東京新聞」
親・安倍に近いが真ん中・・・・「日本経済新聞」
これに、新聞・テレビのグループ化のシステムがのる。新聞・テレビのグループ化は世界でも日本だけのことで、その意味でもガラパゴス化したシステムだ。
親・安倍・・・・日本テレビ、フジテレビ
反・安倍・・・・テレビ朝日、TBS
政権に不都合なことは報じない公共放送・・・・NHK
(5)戦前のメディアは不都合な真実に目をつぶり、そのうち戦意高揚に奔走した。
大本営発表を引くまでもなく、メディアが政権にとっての不都合な真実を報じなければ、国民は判断能力を失う。
NHKの職員数は1万人超。上の顔色ばかり忖度するヒラメ職員ばかりではあるまい。安保法制の矛盾、危険性を鋭く衝く番組こそ、公共放送の使命だ。
□砂川浩慶「NHKよ、またか! 「不都合な真実」は伝えない公共放送」(「週刊金曜日」2015年7月24日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【メディア】と広がる安倍政権追撃の戦線(4) ~読売・NHKは?~」
「【NHK】「反対」議会隠し ~安保法案に反対の地方議会が7割強~」
「【NHK】をまたもや呼びつけた自民党 ~メディア規制~」
「【NHK】の再生はどうすれば可能か(2) ~ガバナンス体制~」
「【NHK】の再生はどうすれば可能か ~会長の暴走~」
「【NHK】受信料私物化でついに更迭か ~籾井会長~」
「【NHK】が危ない! ~組織に漂う負の雰囲気~」
「【NHK】受信料をしゃぶり尽くす「電波貴族」の優雅な生活」
「【NHK】の偏向、政権べったりの報道 ~特定秘密保護法~」
「【NHK】波乱の「籾井新体制」スタート ~「世界」のメディア批評~」
「【NHK】誤報の隠蔽 ~タガのはずれた安部政権~」
「NHK】呆れた新会長会見、幼稚で傲慢な偏向報道」
「【NHK】籾井会長の就任会見発言 ~どこが「間違いだらけ」か~」
「【NHK】支配計画 ~安倍晋三政権の計算がずれはじめた~」
「【NHK】権力と癒着し続けた歴史 ~NHK会長~」
新聞・テレビの世論調査で、安倍内閣への不支持率が支持率を上回り、
安保関連法案を今国会で成立させるべきではない、十分に議論されていない、
との声が強い中での強権発動だった。
ほぼ全ての憲法学者が「違憲」と判断し、
「集団的自衛権の行使」の条件設定も明確でない「戦争法案」。
各種世論調査、国会周辺でのデモ、国内各地での反対運動の盛り上がりを見て、安倍政権は、
「60日条項」の適用
を念頭に、この時期、無謀な強行採決に踏み切った。
(2)ネガティブイメージ(強行採決)をなるべく払拭したいのが与党だ。
そのお先棒をかついでくれるのが公共放送(NHK)だ。
NHKは、特定秘密保護法について、国会の強行採決まで、その内容や問題点をほとんど報じなかった。
今回の安保法制については、秘密保護法に比べればまだ伝えたが、法案の違憲性、問題点の解説より、いつ可決するかという政局扱いが目立った。
結果として強行採決は昼のニュースの中で放送されたが、国民の関心が高い特別委員会の最終審議を公共放送が中継しない理由は何か。
混乱する強行採決の場面がテレビ画面で報じられれば、政権のダメージとなる。そのため、放送しないことが最も政権への忠誠心を表明することになる。
そうとしか考えられない出来事だ。
いまだNHKから明確な説明が行われていないことが、それを裏書きする。
(3)今年の定期異動で反籾井派が一掃された【NHK内部の人】。
就任以来1年半にわたり、その資質が問われている籾井会長。前代未聞の会長だが、生殺与奪の権限(人事権)を持っている困り者。人事異動のたびに籾井会長にすり寄る人が増える(悲しい話)。
(4)安倍政権発足以来、新聞が二分された、とよく言われる。
親・安倍・・・・「読売新聞」「産経新聞」
反・安倍・・・・「朝日新聞」「毎日新聞」「東京新聞」
親・安倍に近いが真ん中・・・・「日本経済新聞」
これに、新聞・テレビのグループ化のシステムがのる。新聞・テレビのグループ化は世界でも日本だけのことで、その意味でもガラパゴス化したシステムだ。
親・安倍・・・・日本テレビ、フジテレビ
反・安倍・・・・テレビ朝日、TBS
政権に不都合なことは報じない公共放送・・・・NHK
(5)戦前のメディアは不都合な真実に目をつぶり、そのうち戦意高揚に奔走した。
大本営発表を引くまでもなく、メディアが政権にとっての不都合な真実を報じなければ、国民は判断能力を失う。
NHKの職員数は1万人超。上の顔色ばかり忖度するヒラメ職員ばかりではあるまい。安保法制の矛盾、危険性を鋭く衝く番組こそ、公共放送の使命だ。
□砂川浩慶「NHKよ、またか! 「不都合な真実」は伝えない公共放送」(「週刊金曜日」2015年7月24日号)
↓クリック、プリーズ。↓
【参考】
「【メディア】と広がる安倍政権追撃の戦線(4) ~読売・NHKは?~」
「【NHK】「反対」議会隠し ~安保法案に反対の地方議会が7割強~」
「【NHK】をまたもや呼びつけた自民党 ~メディア規制~」
「【NHK】の再生はどうすれば可能か(2) ~ガバナンス体制~」
「【NHK】の再生はどうすれば可能か ~会長の暴走~」
「【NHK】受信料私物化でついに更迭か ~籾井会長~」
「【NHK】が危ない! ~組織に漂う負の雰囲気~」
「【NHK】受信料をしゃぶり尽くす「電波貴族」の優雅な生活」
「【NHK】の偏向、政権べったりの報道 ~特定秘密保護法~」
「【NHK】波乱の「籾井新体制」スタート ~「世界」のメディア批評~」
「【NHK】誤報の隠蔽 ~タガのはずれた安部政権~」
「NHK】呆れた新会長会見、幼稚で傲慢な偏向報道」
「【NHK】籾井会長の就任会見発言 ~どこが「間違いだらけ」か~」
「【NHK】支配計画 ~安倍晋三政権の計算がずれはじめた~」
「【NHK】権力と癒着し続けた歴史 ~NHK会長~」