昨日から実姉の作陶展が催されている。
場所は、嘗てワシの実家だった古い家だ。
約140年前の家だ。
今は改造して「風香窯」の工房になっている。
実姉は(売れてない)陶芸家だ。
陶芸教室や手びねり体験講師もしている。
いろいろ「作る事」が好きだった。
最後に見つけた道が陶芸だったようだ。
陶芸の中には、何でもある。
土いじり。
創造、造形。
絵画、模様、色付け。
それらが熱で変化する。
最後の段階で、ある意味偶然に任せてしまう面白さ。
果ての無い道は面白い。
行き着く事を目的としない道だ。
歩き方を愉しむ道だ。
歩き方に苦労する道だ。
姉はそんな道を選んだようだ。
「風香窯」と名づけたアトリエは
ワシが育った古い家だった。
この地域でも珍しくなった昔の家だ。
嘗ては萱葺きの屋根だったが、
萱葺き屋根を維持するのは難しい。
17年前に、トタンで覆った屋根にした。
7年前になるだろうか。
仲間や知り合いの手を借りて改造した。
半分を作業場。
半分を展示場とした。
古い材料は出来るだけ活かした。
実家の庭は、雑木が多い。
この古い家と同じ歴史を持つ木もある。
櫟(イチイ・一位)の巨木だ。
桜も楓も山法師も沙羅双樹もある。
庭で花見も紅葉狩りもできる。
一部は竹林になっている。
孟宗竹だが、タケノコに不自由しない。
竹林を通る風は、清浄に変わってしまう。
判る人には、敏感に判る。
老母(89歳)にはありがたい風だ。
こう文章に書くと、とても裕福な家のようだ。
自慢じゃないが、我家ほど貧乏も珍しかったのに・・・。
今では、この家、庭を羨ましがる人が多い。
貧乏だったから、残ったのに・・・。
日本は裕福と引き換えに消えたモノも多い。
(本館は 「氣の空間・氣功療法院」