「眠れぬ森のB女・10」
嘘つきB女
いきなり告白しますけど、アタシは嘘付きだわ。でも、嘘付きが悪いなんて思わないでね。本当のコトが解らないからこの世にいるのに、嘘付きで無いなんてアタシには言えませんわ。
えっ、自分で自分の事を正直者というヒトがいるの? 強い性格ねえ。
強い事はいい事ではないわ。といって、弱い事も同じよ。やわらかい事が大切だし、それを学ぶために存在しているのよ。
無知と強さは紙一重。覚えておいてね。
とにかく、そんなアタシの云うことだから本気にならないでね。本気ってウットウシイだけなのよ。嘘でもナンでも適当に受け入れることを活用というのよ。適当というよりテキトーって感じかな。
でも、いくら嘘だからといっても無視してはいけないわ。出会ったモノが何であれ、無視だけはこの世のルール違反になってしまうわ。
私達って、出会うためにこの世に生まれたのよ。何かを学ぶために出会いがあるのだから、良い出会いとか悪い出会いとか関係ないわ。謙虚になれるかどうかがポイントよね。
えっ、アタシがえらそうに云うべき言葉じゃない? ほら、その態度が謙虚じゃないのよ。相手のことを気にするよりも、自分の内面に注意をはらってね。
この章では「愛」についてお話しするわね。
こういう大きなテーマは嘘(方便)で顕すほうが都合いいのよ。最初から嘘だと断っておけば、アタシにとっても、書いているダンナにとっても、受け取る貴方にとっても気が楽だわ。
気が楽になれば真実に触れやすくなる、とお師匠様もおっしゃっていたわ。
そもそも本当に大切なモノとは、「いいかげん」に接するのが基本姿勢なのよ。大切なモノは柔らかである、という共通した質があるのよ。
マジメな態度で柔らかを理解するのは無理があるわ。マジメ自体が硬いのよ。その点、「いいかげん」ならば何とかなるものよ。何とかならなくても、どうってこともないし。
「鏡よ鏡、今までご苦労様。今日であなたを解放してあげるわ」
「そんなストレートな嘘、ワイ寝ぼけてても引っかかりませんがな。」
「あなたの心をそんな風に捻じ曲げてしまったなんて、アタシって悪い女ね」
「決まってまんがな。アンさんが悪くなければ世の中に悪人なんておらん」
「ちょっと~。ずいぶんな言い方じゃない。鏡の表面をキズ付けてやろうかしら」
「ま、まて!落ち着いて考えてみようやないか。美人ならば何をしても許されると思わんか? 嘘ぐらい何でもあらへん」
「そうよね~。今夜は座布団一枚あげるわ」
(「嘘は使い方で活きるもんや」)
(本館は 「氣の空間・氣功療法院」