久し振りにステンドグラスの制作に取り組んで見ました。 今回は簡単なスタンドの制作でしたが、10年振りですので、一度ではなかなか勘が戻りません。 誰でも作れるステンドグラスの制作過程には要約すれば次の様なポイントがあります。 参考までに。
1. ステンドグラスデザイン画の原寸拡大
最初のデザイン画の図案は描きます。 このデザイン画を実際に作るステンドグラスのサイズに原寸拡大します。 実際にステンドグラスの完成をイメージしながら拡大製図します。
2. ガラスカット用の型紙作り
拡大した図案を使って、ガラスカット用の型紙を作ります。
ステンドグラスは、色ガラスを組み合わせて作るため、それぞれのガラスをカットするラインを書き、型紙に番号を振ります。
カットラインは左右を1mmづつ小さく作ります。これは後に鉛線(ケイム)に組み込む為の隙間分です。
3. 型紙カット
型紙パーツをカットしてゆきます。(カッターナイフや特殊なハサミを使用して型紙を切ります。)
4. 型写し
ガラスに型紙を当て、カットラインを引きます。
ガラスは1枚1枚、色や模様が微妙に異なるためデザイン画に適した部分のガラスを探します。 全体の配色をよく考えて。
5. ガラスカット
ガラスのカットラインにそって、ガラスをカットします。
ダイヤモンドカッターを使っています。
曲線カットはちょっと難易度が上がります。(経験)
6. ガラス削り
カットしたガラスはエッジが尖っていて危険ですから、グラインダーを使ってガラスの形と大きさを整えていきます。
ガラスは硬いのでダイヤモンドの粒が付いたヤスリで削ります。
すべてのガラスのエッジを整えて、デザイン画通りのガラスをピースを作ります。
7. ガラスを並べ全体をチェックする
カットしたガラスを並べ、ステンドグラス全体のチェックをします。(色や模様、形)この段階で完成イメージ通りかどうかをチェックします。
8. ステンドグラスを鉛線(ケイム)を使って組む
ガラスを鉛線(ケイム)に挟みながら組んでいきます。
ヘラやナイフ、釘などの道具を使って ステンドグラスを組んでいきます。
9. ジョイント部分をハンダ付けする。
フラックス液を塗ってハンダの付きを良くして、ジョイント部分をハンダ付けすることで、ステンドグラスがパネルとして一体化します。 ハンダ付けもただ付けるだけではなく、もる量や形を考えながら行います。
10. パティーナで仕上げる
ステンドグラスの仕上げです。 鉛線やハンダの部分は、そのままでは銀色に光っていています。 そのため、部材表面のペースト(フラックス)、油分等の汚れを落としてからパティーナをプラスチック製の容器に入れて、布切れやスポンジなどに含ませて、部材の表面をこする様に染めていきます。 両面の真鍮や鉛線やハンダの部分に丁寧に刷り込みます。
11.仕上げ
ステンドグラスパネルの表面に石膏を少量全体にぱらぱらと撒き、たわしでクリーニングします。
鉛線の際やガラスの表面を丁寧に入念に磨いてクリーニングします。
これで出来上がりです。 こうして制作過程を見ると難しそうですが、これも私は独学で制作したものですので、手順をマスターすれば、誰でも以外に簡単に出来るのではないでしょうか。
以下、↓ これまでに作ったには作品の中から、手元に有るもののみUPしました。
これは友人の新築家屋の玄関の吹き抜け部分用に制作したものです。
今回作った作品 ↓