とだ*やすこの「いまここ@島本」

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大阪府島本町議会議員
とだ*やすこの活動報告

非現実的・現実的な夢想家

2011年06月10日 | とだ*やすこの活動日記
日本人は核に「ノー」を叫び続けるべきだった・・・と作家・村上春樹氏が、カタルーニャ国際賞の受賞スピーチで述べました。タイトルは「非現実的な夢想家として」。効率優先の考え方が過ちの原因であり、原発に疑問をもつ人々は「非現実的な夢想家」として退けられたと述べられたそうです。

「もてる叡智を結集し原発に代わるエネルギー開発を国家レベルで追及するべきだった」とし、それがヒロシマ・ナガサキの犠牲者に対する「集合的責任の取り方となったはずだ」とも・・・小説家とはちがい政治家が「非現実的な夢想家」であり続けることは許されませんが、夢を語れない政治家に存在意義はない、というのがわたしの持論。

「政治は不可能を可能にする技術」という言葉が好きです。今日は、地方議員を対象にした「地域公共交通政策セミナー」に終日参加しました。昨年に続いて2度目の参加、同じ講師陣の講演でしたが、学問と志の持ち寄りに(講師ならびにスタッフのみなさんは手弁当でNPOを運営)再び深く感動しました。

コミバス運行は決して「非現実的な夢想」ではありません。できない理由を外に求めていては、なにもはじまらないと神戸大学の正司先生(経営学)。導入の際には、単なる意識調査だけではなく、パーソントリップ調査(利用者=市民行動の把握)のデータを活用する必要があるとおっしゃいます。

実際に足で歩いて町の特徴(新旧、戸建てか集合か)住宅の様子(世帯数、車庫のあり方による車の所有台数など)を肌で感じ、需要をしっかりつかんでおくことが重要。それは議員選挙の票読みと似ていると語られる先生もあって(笑)、データに頼らず、足で手にした調査の必要性が理解できました。

意識調査のアンケートでは、コミバスも駅も「あったらよい」「利用する」と答える人が多いものの、実際に利用するのは一年に数回という人もあり、意識調査の目的、意図は「市民参画」にあるというのも興味深いことでした。これは答える側の問題ではなく、意識調査を鵜呑みにして安易に使用する側に問題があるということです。

地元にバス路線やバス停を誘導する、鉄道駅を誘致するという支持者向けの視点で議員が動くと、交通施策が失敗に終わるだけではなく、まち=自治体が持続することが厳しくなってしまう時代。JR新駅を誘致した島本町としては、なんだか耳が痛いことばかりです。

しかしながら島本町は鉄道駅へのアクセスに恵まれているコンパクトシティ。強みを強化すればよい。町内移動を可能にすることは町のなかに血液を流すことであり、コミバスはいわば毛細血管。隅々までの血流がよくなれば、町も人も元気になります。地価下落を抑制する、あるいは空き家、空き地の増加を抑えることが可能になるかもしれない。

採算よりも社会的便益を優先できるのが自治体の強みであり、役割です。参加者はみな熱心で、府県、市町村議員が「政策」として地域公共交通を語りはじめたら・・・変化の曲がり角に自分が立っていることを実感できた一日でした。

画像は、地方議員のための地域公共交通政策セミナー
参加議員が「わたしの問題意識」をテーマに自己紹介しました
福祉バスかコミバスか、わたしのなかでは結論は出ていない
判断するための充分なデータがありません
コメント
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