徒然なるままに…建築家のボヤキ。。。

I・N設計スタジオ ブログ

プラモ住宅

2008-08-01 13:35:18 | 建築つれづれ…
 最近の住宅メーカーの施工って早いですよね。昨日まで、木造の建て方(柱梁を施工すること)を行っていたと思ったら、今日は屋根、外壁、サッシ全部とりつけが終わって外装がすべて完了なんてざらです。私からすると、ホントにこれでいいのか?と首をかしげたくなる思いです。まるでプラモデル…。
 早いことはいいことだけどホントに検討を重ねて工事してるんだろうか?考えて仕事しているんだろうか?建築ってそんなもんじゃないと思うんですが…。住宅を建てるのって建て主にとっては一生に一度あるかないかの出来事です。家族の一生を背負う住宅建設をプラモデルのようにやっちゃっていいのでしょうか?もっといい家にしたい、もっと使いやすくしたいと考えれば考えるほど時間はかかるもの。家族の思いがそれには反映されるはずである。苦労を重ねながら設計、施工するから完成した時に感慨深いものが込み上げてくるものなんです。私は一建築家の端くれとしてそう思っています。家を新築する人、それを設計した人、施工した人の思いや考え(アイディア)が一つの住宅という形になるのだと…。
 友人達とお酒を飲んだ時によく言う言葉があります。「家を買うと言うな、家は創るものだ。買うという思いがあるから気にいらないときにクレームを言いたくなる。建て主も一緒になって創るものなんだ。」酒田ではまだ住宅を建てる時に設計事務所に仕事をお願いすることが少なく、住宅メーカーに依頼することがほとんどです。我々設計事務所に住宅の設計~工事監理までを依頼してみてはいかがですか?建て主の立場に立った代理人としてお手伝いすることが我々の存在価値です。
 皆さんは一生に一度あるかないかのイベントを、初めて会った営業マンに任せっきりにしていませんか?丸投げ状態ではありませんか?吉野家牛丼のようなプラモ住宅もいいけど、そんなんじゃ、理想の、納得いく住宅はできませんよ…。建て主、設計者、施工者が時間と頭と技を駆使し、一生懸命やって初めて100%納得いく建築を創れるんだという私の信念は揺るぎません。
コメント
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